第69話 アリシアを連れて来る宗平(そうへい)
───そして、宗平が転移の光玉で転移して数時間後………。宗平がとある人物を連れ、またエバの部屋に戻ってきた。
「あ、戻ってきました…………」と、ミラ。
「何か皆、変わった場所に来てますね?」
連れて来られたのはアリシア。何故ならアリシアに任せたら心を開きやすいと判断し、ルーアン村に転移して館に足を運び、そこで執事セバスチャンとアリシアの父君を説得してアリシアを何とか連れて来た。ちなみに遅くなったのは、説得するのに数時間掛かったから。
「まぁ…………話せば長くなるから後で話そう………とりあえず、彼女と話をしてあげてくれないか?」
宗平は言った。ルーアン村にて、彼女を連れて来るのに色々と追及されたりして疲れたから。
アリシアはエバに対し、ニコッと親しい笑みを浮かべる。
「はじめまして、アリシア・ヨハーソンです」
「私は…………エバ・マクスウェル。よろしく…………お願いします」
エバは恥ずかしい表情を浮かべ、視線を反らして挨拶する。
「ソーヘイさんからアナタの事は聞いてます」
「私のことを?…………」
アリシアの言葉に、エバは色々と思い込む。おそらく宗平は自分の事を引きこもりの少女だから、上手く話してあげてくれ。て…………。
「はい、エバさん。外の世界を見てみたいって」
「えっ?」
思っていた事と違う。エバは思わず宗平に(何で?)と、言わんばかりに視線を向ける。
エバの視線、思いを察したのか、宗平は微笑みながら頷く。どうやら、そこのところは配慮して説明してくれたようだ。しかし、エバはうつ向き、視線を反らして言う。
「でも、私は部屋から出られない。何故なら家の外に出たら里の人達に不良の姉って指差されて…………それが嫌で…………」
エバの言葉に、宗平は提案する。
「なら、この転移の光玉を使えば良いんじゃないか?それなら部屋から出ずに、外に出られるし、帰る時もそれを使えば良いしさ…………」
「えっ?」
「少し待ってて」
宗平はメニューを表示。さらにアイテム蘭の中にある転移の光玉を1個を取り出し、差し出す。
「あ、ありがとうございます…………」
エバは受け取る。するとアリシアはエバに親しく手を握り、身体を密着させる。
「さ、行きましょう。とりあえず、ソーヘイさんの畑で良いですよね?」
アリシアは言う。
「ああ、構わないよ。さて、皆で行くか?」
宗平は皆から意見を問うのである。
「異議なし」
「こっちも、構わない」
ミラは手を挙げ、リアーナは冷静に答える。
「私も行く…………だって、お姉ちゃんが心配だから」
レイナは恥ずかしい表情で言った。




