第68話 仲直り、しかし部屋から出ないエバ
───十数分後、2階の部屋からドタバタと音を聞きつけ、母親が駆け付け、姉妹げんかは終わる。
「いい年した姉妹がケンカなんかしないの。恥ずかしくないの?」
部屋の中で2人は座らされ、ガミガミと説教する。それは数十分にも及び、その光景を見守る宗平とミラ、リアーナは何とも言えない。
───そして………。
「さっきはお見苦しい所をお見せしてすいませんでした」
エバは礼儀正しく頭を下げる。
「分かればいいんだよ………分かれば………」
「アンタも謝るのよっ」
エバはデカい胸を張るレイナの頭をグイッと押さえ、宗平達に無理矢理に謝らせる。
その光景に困惑しつつ、気を取り直して………。
「私はエバ・マクスウェル。この不肖の妹の姉です」
エバは言った。身長はレイナより低く、同じ桃色、違いと言えばロングヘアーなところとメガネ。衣装は黒いフード付きマント、ノースリーブの白い婦人シャツにホットパンツとブーツ。
「どうも、自分は山下宗平と言います」
「私はミラ・バニングス」
「リアーナだ…………」
3人はそれぞれ、自己紹介をする。
何気なく部屋を眺める宗平。薄暗くて見えなかったが、部屋中のカーテンが開かれ、見えたのは薬史学と魔法学の本棚、あとは薬品と薬草、魔法生物が培養された保管ケースが置いてあり、中央には魔法の釜。
「アナタ達が、私に会いたいって言っいた人達?」
エバは言う。
「そう、おねーちゃんに会いたいって町から来たの。それでね、一緒に出掛けようって」
レイナは言った。
「それは嫌」
エバは言う。
「何でよおねーちゃん?さっきまで元気だったじゃない?」
「だって………また里の人達から指差されるし。だから嫌なの」
レイナの言葉に、エバは改めて部屋から出ないと否定した。
「だけど、このまま部屋に引きこもっていたら身体に悪いよ。それに、こうしておねーちゃんに会いたいって言う人達がいるんだし、外の世界は楽しいよ」
するとミラは言う。
「そうですよ、ここにはない文化や伝統、魔法とか薬草があって勉強になりますよ」
「ここには無い魔法と薬草が?」
ピクっとエバは反応。
「あとは自ら足を踏み入れる勇気だ。さ、一歩前に踏み出さないか?」
リアーナは手を差し伸べる。
「う〜ん………」
腕を組み、渋い表情をして悩むエバ。あともう一押し、すると宗平は最後のアイディアを閃いた。
「そうだ………もう一人、君に会いたい人がいるんだった。連れて来るから少し待っていてくれないか?」
「えっ?………いいですけど?」
エバは言った。
───そして宗平は、転移の光玉を使い、ある場所に向かった。




