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第64話 魔女の料理



「お邪魔します」


「こんにちわです」


「邪魔をする」


 宗平そうへいとミラ、リアーナはマクスウェル家の敷居を跨ぐ。屋内はアレだ、某魔法学校の映画に出てきそうな雰囲気だ。床に広がるカーペットに木のテーブル、木造の棚に何処か年季のある台所。その横には貯蔵用のでかい壺が2台、でかいタルが2台。


「さ、座ってちょうだい。今から何か用意するからね…………」


 レイナの母親は親切に微笑み、張り切って台所に向かう。


───テーブルに座る宗平そうへいとミラ、リアーナとレイナ。


「優しそうな母親だね?」


 宗平そうへいは言う。


「お母さん、久しぶりのお客が来たから張り切っているのよ。そういえば、3人は昼ご飯はまだのようね?」


 レイナは言った。


「はい、朝から何も食べてません。とにかく、お腹が空きましたぁ~~~」


 と、ミラはビシっと手を上げる。


「同じく、魔女の人が作る料理。実に楽しみにしている」


 リアーナは興味深く頷き、腕を組む。


「俺も、朝が早かったから朝飯を食べる余裕がなかったな。腹は減ったな…………」


 宗平そうへいはお腹を撫で、空腹の合図。昼ご飯の話をしていたら、さっきから腹の虫が鳴りっぱなしだ。


 するとレイナは瞳を光らせ。


「なら丁度よい、母親の料理は天下一品だからな…………」



────そして十数分後。


「はい、出来たわよ」


 レイナの母親は運んできた料理をテーブルの上にゴトっと置いた。


───なっ…………。と、宗平そうへいとミラはギョっと驚愕した。何故なら料理はゲテモノだからだ。カエルの丸焼きとトカゲのパイ、芋虫のスープ、カブトムシの幼体が入ったサラダ。


「さ、たんと召し上がってちょうだいな」


 レイナの母親は笑顔で言った。


「さすがお母さん、今日はご馳走だな。さ、みんなも遠慮なく食べてくれっ」


 レイナは言った。そしてカエルの丸焼きにナイフを刺し、焼けたカエル肉を頬張る。


(うううっ…………)


 宗平そうへいとミラは、ゲテモノ料理に表情を歪ませる。料理から立ち登る湯気、こんがり焼けたカエルの瞳が食欲を削いでいく。


「うむ、我が一族の料理と似たようなモノだ。2人も食べるがよい、料理にされた生き物に感謝だ」


 リアーナは平気な様子でカブトムシの幼体のサラダをシャリシャリと咀嚼し、食べる。


 ゲテモノ料理を平気で食べるリアーナの様子に、額から冷や汗を流し、引くミラと宗平そうへい。何故なら爬虫類、虫類の入った料理は前世でも食べた事ない。


「どうしたんだい2人共、もしかしてお口に合わないのかい?」


 レイナはカエルの丸焼きを食べながら尋ねる。


「いや………食べさせてもらうよ」


 せっかくのおもてなし。食べない訳にはいかない。

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