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第54話 魔族によるプロポーズ?




───パキパキ…………と、ガラスが割れるような音を響かせて殻が落ち、そして水晶の卵から(何か)が孵化する。


 カカカカカ…………キュルルル…………。


 それは人ならざるモノ、見た目は蝿を人間をしたような姿。口はクチュクチュと不気味に動かし、背中から生える羽をブンブンとバタつかせる。全身は滑りとした黒光りを放ち、そして両手には鉤爪。


「おやおや…………元気なモンスターが産まれたもんだ。適当にキャンディーを与えた飲んだくれのオッサンから、こんな代物が出来るなんてな…………」


 魔族は高らかに笑う。初めの材料は飲んだくれの無職オッサン、酒の代わりにキャンディーを寄越したら中毒症状を引き起こして、(もっと寄越せ)などと突っかかって来てうるさいから、連行して卵にした。


 モンスターの精製…………。と、言った魔族の言葉に、アリシアはゾクっとして引き下がる。


「心配するな…………魔力を注いだ状態で卵からモンスターに孵化するのに1ヶ月は掛かるし、無事に孵化できる可能性はほんの数パーセントだ。けど貴様は卵にしないから安心しろ…………そうだな、どうしてやろうか…………」


 びくびくと震わせるアリシア。その姿をジロジロと眺め、魔族は考える。清楚のような見た目にエルフのような金髪ロング、そして結論を導き出す。


「決めた、貴様は可愛いから俺の嫁にする。卵にするのはもったいないからなっ」


「ひえ~~~~~っ!!」


 導き出した言葉に、アリシアは涙を流して絶叫する。まさかの嫁ときた。


「さて、さっそく話をしよう。これから貴様は私の妻となり、薔薇色な新婚生活を」


「イヤです」


「何?…………貴様、今なんて言った?」


 アリシアの答えに、魔族はぷるぷると震わせ、再び質問する。


「イヤです。と、言ったんです。だから、私をここから解放してください」


 アリシアは言った。


「フハハハハハ…………。俺のプロポーズを断り、この状況で解放しろって…………随分と虫がいいんじゃないの?お・じょ・う・さ・ん?」


 魔族は怒りながら笑うと言う不安定な表情となり、両手で鉄格子を掴んでグニャリと曲げて牢屋に中に入ってくる。


「ひいっ…………」


 アリシアは半泣きで腰を抜かして尻餅を着いたまま、岩壁を掴みながら後退する。


「さて、どうしてくれようかな?…………」


 魔族は大きい身体による威圧感を漂わせ、びくびくと震わせるアリシアに迫る。


「いやぁあああああああっ!!助けてソーヘイさんっ!!」


 アリシアは胸を隠し、大声で泣き叫び、宗平そうへいに助けを求める。


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