第46話 秋の収穫
───宗平とアリシアは、苗畑にて農作業をしていた。今は作物に水を与え、栄養剤の注入したり、枯れている葉を切り取ったりする。
「ソーヘイさん、大変ですっ」
何があったのか、アリシアはビックリして呼び出してくる。
「どうした?」と、アリシアに駆け付ける。
アリシアは指を差す。
「これ…………昨日、植えたさつまいもが…………育っています」
新しく耕した畑にて、さつまいもが育っている。アリシアがビックリしたのは昨日、苗として植えたさつまいもが、次の日には大きく育っていたからだ。
「ま、驚くのは無理はないな…………とりあえず、収穫だな」
宗平はさつまいもを引っこ抜き、状態を見る。そしてカゴに入れて収穫する。
「野菜って、植えて次の日に育つものなんですか?」
「まず、あり得ない。ま、栄養剤と言うチートがあるからな」
宗平は言った。
「あと、このじゃがいもと、このカボチャも見事に大きくなっています」
アリシアはビックリする。
宗平はじゃがいもとカボチャを引っこ抜き、状態を確認する。
「これも、収穫だな。大きさも形のバラツキも問題ない、状態も良好だ」
と、じゃがいもとカボチャをカゴに次々と入れて収穫していく。
───そして、宗平はニワトリ小屋の隣にある保管庫に足を運び、収穫した野菜を入れたカゴを入れる。木造の保管庫の中は暗闇、風通しが良く、壁のすき間から風が吹き付ける。
「これは、何をしているんですか?」
アリシアは尋ねる。
「これは追熟といって、収穫した秋の野菜はこうして熟成して甘さを引き立てるんだ」
宗平は言った。
「そんな事があるんですか?野菜って奥深いです」
アリシアは言う。
「ま、知ったのは最近なんだけどな…………俺もまだまだ、勉強中ってわけだ」
宗平は微笑み、ポリポリと頭を掻く。農業は毎日が勉強であり、質の良い野菜を探求していくのが常だ。そして次は、ニワトリ小屋に足を運び、タマゴの収穫である。
ニワトリ小屋を前に、宗平は言う。
「タマゴの収穫は君にはまだ早過ぎる。タマゴを産んだばかりのニワトリは、気が立っていて危険だ。下手すれば大怪我をするから…………」
「分かりました」
宗平の言葉に、了解するアリシア。
「もし、君にケガなんかさせたら君の父に怒られるし、もちろん、俺も君にケガなんかさせたくない…………」
そうして宗平は、金網のニワトリ小屋に入る。小屋の中はワラが敷かれた地面、落ちている糞。ニワトリの鳴き声が響き渡り、頭をつつかれ、足元を飛び回られながらもタマゴをカゴに入れて収穫していく。




