第39話 帰路につく中での世間話
───そして昼飯を食べた後、宗平とアリシアは大衆食堂を後にして町を出て、木々が生い茂る森林道を歩く。木々の隙間から差し掛かる木漏れ陽、周囲に響き渡る小鳥のさえずり、虫の鳴き声。
馬車のヒズメの音を響かせ、帰路につく2人は世間話に花開かせる。
「お昼御飯、ご馳走さまでした。パスタ、美味しかったです」
「どういたしまして」と、宗平。
さらにアリシアは言う。
「ソーヘイさんは、これを毎日ですか?」
「そうだな、出来た野菜を町にいる取引先に届ける。町に限らず、契約を結んだ村や町に出向いて届けることもあるな、まだ日の出てない早朝からの時もあるな………」
宗平は言った。
「早朝からですか………キツそうです」
アリシアはうっ………と、驚愕する。早朝からなんて、自分では考えられないからだ。
「始めはキツいが、慣れてしまえば何てこともないよ」
「慣れるものなんでしょうか、私ならベッドから出られないです」
「ハハハ、そうか。まだアリーには配達は早いかな………」
宗平は笑って言うのである。
宗平の言葉に、アリシアはムッとなって言う。
「言いましたね?私だって早起きくらいは出来ますよ。そのうち、ソーヘイさんより早く起きて、朝ごはんなんか作っちゃいますからね」
「それ、妻になる子のセリフだと思うんだが?」
宗平の言葉に、アリシアはハッとなり、我に返る。
「あ、これはその………ソーヘイさんの妻になる意味じゃ………違う、違うんですからねっ」
アリシアは表情を赤くし、手をパタパタさせて否定する。
「分かってる………君は貴族であり、俺とはつり合わないし、もっと良い人と結婚するべきだ。君は美しいし、何より気量が良い。他の男性貴族達が黙ってないと思うが?」
宗平は言う。
宗平の言葉に、アリシアは空を仰ぎ。
「結婚ですか………確かに貴族の結婚は早いし、良く両親からお見合いの話を聞きます。けど、私はまだ結婚には興味がないし、まだ17歳ですし………」
アリシアは言う。
「確か、やりたい事はあるんだよな?。世界中を見てみたいとか?」
「はい、世界を見ないまま、結婚なんて何か世間知らずで格好が悪いじゃないですか?」
アリシアの言葉に、宗平は言う。
「うむ、言われてみればそうだな。世界にあるその伝統や文化、人を見て、学ぶのも一興だな………なら、もしよかったら、君の夢を俺がサポートしてあげようか?」
「ソーヘイさんが?」
「別に変な意味はないけど、俺は自分の野菜をこの世界中の人々に食べて貰いたいと言う希望がある。もし、外国に足を運ぶ事があれば君も一緒にどうかと?」
「はい、是非っ」




