第38話 昼ご飯
───そして、時刻は昼過ぎ。場所は冒険者ギルド入口前、アリシアは馬車を降り、体育座りして緊張した様子で待っていた。何故ならこれから昼ご飯にしよう。と、大衆食堂に向かおうとしたとき、いきなり宗平が目の前から消えたから。
(ソーヘイさん、まだですか………)
アリシアは心細く沈黙していた。
入口の前を行き交うギルド人々から若干、変な目で見られている。
すると、白い光の文字を描かせた詠唱陣が出現した。
「ふぅ………まったく酷い目に遭ったぜ」
詠唱陣から現れたのは宗平。
「あ、ソーヘイさん。やっと戻って来た、わたし寂しかったんですよ〜〜〜」
戻って来た宗平に、泣きつくアリシア。
「悪いアリー、仲間達に呼び出されてな………」
「仲間達って、ミラさんとリアーナさんの事ですか?」
頭をポリポリと掻き、宗平は説明する。
「そうなんだ、何かピンチになっていて、呼び出されたんだ。アイツら、無鉄砲な所あるから召喚の札って言う転移能力があるカードを渡していたんだ」
「そうなんですか………仲間想いなんですね」
アリシアはニコッと微笑みかける。
「ま、アイツらも仲間だから………クエストで死んでしまったりしたら、悲しいし………」
宗平はしんみりと言う。自分でも彼女達には色々とコキ使われたり、変な言い掛かりを言われても、何故か気に掛けたくなる自分がいるからだ。
すると、アリシアの腹から虫の音。アリシアは恥ずかしい様子でお腹を押さえる。
「そういえば、お腹空いたよな。今から食堂に向かうから、昼ご飯にしようか?」
宗平は提案。
「はい、ぜひお願いします」と、アリシアは言った。
───そして、馬車を町の馬車置き場に駐留させてから町の中心部にある大衆食堂に向かう。
食堂の中は様々な人達でごった返していた。ギルド冒険者や商人、あとは多様な職種の人達が席に腰掛け、賑わっている。
アリシアと宗平はカウンター席に座り。
「さぁ、好きな料理を注文してもいいぞ」
アリシアはメニュー表を持って眺める。
「何にしようかな………」
「おじさん、俺はいつものをお願いするよ」
宗平は食堂の店主に言った。
厨房にいる店主は(了解っ)と、愛想よく応じて調理に入る。店内には店主とウェイトレスの店員だけであり、それで店を回している。
「それで、アリーは何を注文するか決めたか?」
宗平と2人きりの大衆食堂、その雰囲気に緊張して言葉が曇るアリシア。
「私は………ミートパスタで」
アリシアは言った。
「分かった。おじさん、ミートパスタを1つをお願い」
注文に、厨房の店主は(あいよ)と、答える。




