第34話 野菜が入ったカゴを積み降ろすアリシア
───宗平は馬車の荷台に収穫した野菜が入ったカゴ、そして新しく始めた生産業であり、カゴに入った生卵。アリシアも付き添い、馬車に乗ってイーストカロライナタウンに向かう。
歩いている場所は森林道。ガタガタと揺れる不安定な地面が伸び、木々が広がる。その道をあと2時間、足音を響かせて進む………。アリシアには言っていないが、モンスターがたまに出現するから注意が必要だ。
そして2人はイーストカロライナタウンに到着する。まずはバザーにある取引先の野菜屋に向かう。
「やっと着きましたね…………ソーヘイさんは、これを何度もしているんですか?」
2時間の馬車旅に少し疲れ、アリシアは尋ねる。
「それが仕事だからな。自分の野菜が色々な人に食べてもらえるなら、何処にでも行くよ」
宗平は言った。
「立派です、さすが職人ですね?」
アリシアは尊敬。彼女の言葉に、宗平は。
「農業職人か、ただのんびりとスローライフを送りたいだけなんだけど…………」
───しばらく世間話しながら馬車に乗ってバザーを歩いて野菜屋、あとは食材屋に向かうのである。バザー通りを行き交う色々な大勢の人々、そして様々な露店が立ち並び、威勢の良い掛け声を響かせる。
宗平とは違う商品だが、武器や防具、アクセサリーや外国の交易品などの売買を生業とした馬車もちらほら。
宗平は取引先の野菜屋に到着。
「こんにちは、いつもの野菜を届けに来ました」
宗平は馬車を降り、野菜屋の主人を呼びつける。
「はいはい、待ってくれ…………おお、ソーヘイじゃないか?」
店の奥から野菜屋の主人が頭をポリポリと掻き、現れる。
「これ、トマトとトウモロコシ、なすびとピーマン、そしてえんどう豆だ。アリシア、手伝ってくれ」
「はい」
アリシアは返事して馬車の荷台に入り、カゴに入った野菜を積み降ろす。
宗平は、荷台から積み降ろされたカゴに入った野菜を店の前まで運び、置く。それを野菜屋の主人が奥にある貯蔵庫まで運ばれる。
「おや、アルバイトでも雇ったのか?」
野菜屋の主人は尋ねる。
「まあな…………まだ雇ったばかりで、色々と教えてやらなくてならないからな。1人で仕事するより教える方が大変になりそうだよ…………」
宗平は言った。
「ははは、それもそうだな。新入り、アンタも頑張れよ」
野菜屋の主人はアリシアを威勢良く応援する。
「はい、頑張ります」
アリシアは健気な様子で敬礼。
───そして…………。
「ありがとう、これ、いつもの報酬だ」
「毎度あり」
宗平は、野菜屋の主人から布袋に入った報酬を受け取る。




