第2話 目が覚めたらそこは異世界?
「あれっ?……………」
目を開き、覚めた宗平。そこは非現実的な場所に立っていた。自分は気持ちを整え、さっき頭中で覚えていた状況を整理する。確か、自分は原付バイクを走らせて帰路についている中、逆走して来た車と正面衝突して………。
まて、と言うことはここは死後の世界?
「にしては、あまりにも景色がハッキリしている。何処なんだ、ここは?」
そこは自分がいた世界より、違う世界のようだった。地面は石畳、建物は何処かヨーロッパの雰囲気、どちらかと言えばドイツ?。そして何より行き交う人々、甲冑を装備した男性や神官服や黒いローブのような衣装を着用し、魔法使いのような女性。それだけではなく、弓矢を装備した者、盗賊のような者、あとはホルン等を得物にした吟遊詩人のような者が町を行き交っている。
(変わった人達がいるんだな………)
宗平は行き交う人達を視線を配らせる。
「いらっしゃい、いらっしゃいっ」
露店が並ぶメインストリートにて、店主の中年男性やおばあさん等がパンパンと手を叩いて気前よく接客している。
宗平は考え込む。
「逆走してきた車とぶつかって、ヨーロッパに飛ばされるなんて、聞いた事ないよ。何処なんだ、ここは?」
辺りをキョロキョロと眺め、一帯の景色と雰囲気、そして自身の記憶の中にある思い出と照らし合わせ、分析する。
───何か………この景色、見たことあるような………。
まるでノドから出かかった(何か)のように。宗平は思い出そうとする。しかし、生まれてはや20と数年、こんな場所。まして海外には行った事がない。
しばらく歩いていた宗平。そしてあることが浮かび上がる。
そして同時に、ある場所にたどり着き、その建物に視線を移したら宗平に衝撃がはしった。
「嘘だろ?………」
そこは冒険者ギルドと記された看板が掲げられた建物だった。そしてこの町、雰囲気、行き交う人達。自身に浮かび上がるパズルピースのような情報が揃い、全てを埋め尽くした。
町の名前はイーストカロライナタウン。そしてこの世界は家庭用オンラインゲーム(ドラゴン・フロンティア)の世界だ。
「と言うことは、俺はこのゲームの世界に転移したってことか?………」
冒険者ギルドの建物の前にて、立ち尽くす宗平。建物を行き交う人達は、宗平を不思議な様子で見つめている。
今の自分の衣装、それはこのゲームの初期プレイで用意された衣装だ。上はフィットした白布のシャツと下は長ズボン。そしてブーツだ。
───宗平は、目の前の非現実を現実として受け入れるのに、時間を要するのである。




