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第11話 謎の男性、トロールを一蹴



───そのとき、空中に鮮血が広がる。そして生温かくねっとりとした粘度の血が地面に行き渡る。


 2人の女性は言葉を失い、全身を硬直させて息を呑んでいた。何故なら2人の前にいるトロールの1体が閃光の如く、両断されて倒れ伏し、地面から砂塵を発していた。


「何が起きたんですの?」


 緑色のおかっぱ女の子は言う。


────生暖かい砂塵が一帯に広がり、そして徐々に晴れていく。


 彼女達の前、立っていたのは黒髪の男性、年齢は20代後半であり、28歳手前。衣装は半袖の作業着とズボンとブーツ。片手には炎を燃え盛らせた剣。


 トロール達は男性の圧に、思わず後退る。


「トロールか、懐かしい相手だな。コイツから採集できる素材で、色んなモンが作れたんだよな…………だけど俺レベルなら楽勝だな、丁度コイツから採集できる素材を試したかったからな」


 男性は炎剣を構え、不敵に笑う。そして駆ける。閃光のようなスピードで。


───まずは2体目、トロールの横っ腹が斬り裂かれ、裂け口から炎を発生させる。同時にトロールは地響きを上げ、倒れる。


 男性の背後、次のトロールかこん棒を振り上げ、振り下ろす。


 こん棒が振り下ろされる。と同時にこん棒を持つトロールの片腕が、吹っ飛ぶ。


 腕を斬り裂かれた事による痛撃により、トロールは断末魔の叫びを響かせる。

 

「遅い」


 男性はトロールの背後に回っていた。


───そして男性は駆ける。トロールの全身に一閃を与える。一閃を浴びたトロールは、倒れる。


「まずは、2体目…………。さて、残りは」


 男性は残りのトロール達を睨む。彼にとって、目の前にいるのは強いモンスターではない。高品質な素材でしか見ていない。コイツらを倒せば、良い素材がたくさん手に入るからだ。


 目の前にいるただの素材達を前に、にやりとする男性。その姿勢から、冷たい雰囲気を発する。


 トロール達は、男性の威圧感に戦慄し、この場から逃走するのである。しかし、トロールのスピードでは、男性から逃げ切るのはもはや、不可能だ。


「待て、お前達は俺のスローライフの為の素材になってもらおうか?」


 男性は再び、ダッシュ。そして1体、2体、3体…………トロールに閃光の如くの斬撃を繰り広げ、この場を戦慄の光景を作り出す。


 そして、広地全体。地面に横たわるのはかつて、トロールと呼ばれた肉塊。


「…………いったい、何が起こったのでしょうか?」


「さて、私にも何が何だか…………」


 栗色のエルフと緑色のおかっぱ女の子は、トロールの群れを一瞬で倒した男性の姿に腰を抜かせる。


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