第111話 生きて帰る
魔王ベリアルは八重歯をキラリと覗かせ、腕を組んで提案する。
「なら、こーしよう。ウヌらが我と勝負して、もし片膝を付かせる事が出来たら、ウヌが言った交渉を受け入れる。どうじゃ?」
魔王ベリアルの提案に、宗平は察する。
「つまり、示せって事だな?」
宗平はメニューを表示させ、アイテム欄から聖剣を選び、構える。
「そうじゃ、魔界は力が全て。いざこざはこーして解決するのじゃ」
魔王ベリアルは言った。なお、公式サイトによれば、アップデート後に登場する魔王ベリアルは大雑把な性格である。ちなみに勝てばレア素材や武器が手に入り、勝つ度に強さのレベルがアップするらしい。
───そして、舞台は整えられる。
「それじゃ、雰囲気を変えようか?」
魔王ベリアルは指パッチン。
すると、謁見の間の空間が歪み、景色が変換されていく………。変換された景色、それは灰色の空、灰色の砂漠が広がる………。肌を包み込むのは温かくもあり、寒くなるような空気。
砂漠から突き出ているのは古くなった建物のガレキ、それは先の時代から置いて行かれたような光景。
「どうじゃ?雰囲気が出る光景じゃろ?」
魔王ベリアルは不敵に微笑み、掌を掲げる。
「そうだな、広いから戦いやすい………約束してくれよ、もし俺達が勝ったら」
「うぬ、それは約束しよう。魔王に二言はない」
魔王ベリアルは右掌に、黒い炎球を出して言う。
「それなら良かった。よし、行くぞみんなっ」
宗平は掛け声を出し、皆に気合いを入れる。
宗平の気合いの掛け声に、皆は(おおっ)と応える。
古くなった建物のガレキの上に、リディクラは腕を組み、背もたれをして見学する。
(ふん、愚かな………人間が魔王様に挑むなんて、アイツら死んだな………)
「意気や良し、我は魔王ベリアル。この魔界を統べる者、全力で相手をしようっ」
魔王ベリアルは言った。
───この戦いを乗り越え、そして皆で鍋パーティーをする。アリシアと約束したんだ、必ず生きて帰るって………。この冬で育てた白菜、長ネギ、鶏もも肉、あとは近辺で採取した食欲キノコを使った鍋だ。
アリシアの笑顔、鍋パーティーをする皆の光景を浮かべ、宗平は言った。
「絶対に帰らなくちゃなっ!!。みんな、帰ったら鍋パーティーだ、そんで腹いっぱいになるくらい、材料を用意してやるから楽しみにしておけよっ!!」
聖剣を構え、士気を上げる。
すると聖剣の刃が輝き、ミラ、リアーナ、レイナとエバに聖属性の光が宿る。聖剣の名称はクラウ・ソラス、前世でクエスト中、遺跡を探索をしていたら手に入った対魔族用の武器だ。




