第110話 意向を伝える、しかし………。
「改めて自己紹介をする。うぬは魔王ベリアル、魔界の支配者じゃ………」
幼女風の魔王は頬を赤くし、軽く咳払いをして気を取り直すのである。
「その、あまりにも身長がちっちゃくて………」
「私も同じく、肌がスベスベでつい抱きついてしまった」
ミラとリアーナは深々と頭を下げ、反省する。
「私は可愛い姿なので、頭を撫でたり………」
「一方の私は、ホッペをツンツンしてしまって………申し訳ありません」
レイナとエバも頭をポリポリと搔き、反省の意を述べる。
4人の言葉に、リディクラにとってそれは背筋が凍る程の衝撃だ。何故なら魔王に対して、身長比べしたり抱きついたり、頭を撫でたり、ホッペをツンツンしたり………。下等魔族なら、粛清ものだ。
「無礼をお許し下さい、裁きなら覚悟は出来ておりますっ」
リディクラは片膝を付いて、改めて頭を下げてお辞儀する。何故なら人間共を魔界に招いたのは自身であり、責任はある。それに下等魔族が魔王様の姿を見るのは御法度だ。
「リディクラよ、面を上げよ」
魔王は言った。
「しかし………」
面を下げた状態のリディクラ。
「ウヌは別に怒っておらぬよ。それに、我は可愛い姿と言われて、嬉しい方じゃ………」
魔王は腕を組み、上機嫌。
───そして気を取り直し、本題に切り替える。宗平は魔王ベリアルに、意向を伝える。
魔王ベリアルは改めて玉座に腰掛け、宗平達の意向を聞き入れる。
「人間界への攻撃を止めろと………。それは出来ぬ相談じゃ」
魔王ベリアルは答えた。可愛い姿とは裏腹に、それは冷徹に。
宗平は食い下がる。
「確かに、こっちの冒険者パーティーがした事は許される事ではない。けど、捜査をさせてくれるチャンスをくれませんか?」
宗平は言った。
「………150名、それは人間界に平穏に暮らしていた魔族達の数じゃ………あやつらは、戦いを好まない者達じゃった。彼等を人間界で平穏に暮らしていけるように、我の祖先の魔王が人間界と築いた協定じゃ………それを人間が破って、同族を皆殺しにされた。こう見えて、我は怒っているのじゃぞ………」
魔王ベリアルは、冷徹な表情を浮かべ、威圧。
(うっ…………やはり、簡単には許してはくれないのか………)
宗平は、魔王ベリアルの威圧感に、額から汗を滴らせる。
「証拠はあるのかい?それが人間側の犯行ではない真実が?」
「それは………」
威圧込みの魔王ベリアルの質問に、宗平は思わず口ごもる。何故なら、魔族虐殺が人間側の仕業ではない確証は無いから。
「そうじゃ………」
すると、魔王ベリアルはポンっと思い付き、提案する。




