第107話 魔王が待つ場所に到着する宗平(そうへい)達。
辿り着いた場所は祭壇のような大広間。大広間の最奥は断崖となり、柵付きのテラス。そして視線に映るのは、全長数十メートルの大きさを誇る巨大な甲冑像がそびえ立ち、足元が崖下まで伸びている。
(うわ、でかいなぁ…………)
思わず宗平は、甲冑の巨大な像を眺めてしまう。前世では行った事はないが、東南アジアに似たようなモノがあったような無かったような…………。
リディクラは尋ねる。
「何をじっと眺めているんだ?」
「あ、すまない」
宗平は一言。
───リディクラに案内され、巨大な甲冑像の前の位置に、直径十数メートルの大きさを誇る円卓タイプの台座。
「この台座は、魔王様やあらゆる区間に続いている場所に空中移動する装置だ。振り落とされないように気をつけるんだな…………」
リディクラは何気無く忠告する。
───リディクラの忠告と同時、ガタッと突如として台座が浮かび上がる。
「何だっ!!」と、宗平は思わずビックリし、身体が揺れる。
そして、皆を乗せた台座が浮かび上がり、空中移動する。
皆を乗せた台座は、空洞の中を移動。時速は数十キロ、空洞の中を複雑に迷路のように進むのである…………。
宗平はしっかりと、足元を整える。
「コレ、もう少しスピード落とせないか?」
「このスピードでやっている。それに振り落とされないように気をつけろと、忠告はした」
リディクラは冷静に言った。
「あ、そうかい」
宗平は答える。さすがは魔王の城、外の景色とは違い、屋内は異空間と化している。
───しばらく空中移動する台座。空洞の辺りは肉壁のような造り。血管のような肉腫がドクドクと脈を打ち、禍々しい空間となる。
「やっぱり、この禍々しい雰囲気。これぞ魔王の城って感じだな」
宗平は辺りを眺める。するとリディクラは言う。
「ちなみに振り落とされたら死にはしないが、この城は幾つもフロアがあるからそこに入って、迷ったら出られないぞ」
ちなみに、魔族でも迷う事もあるらしく、今でも数千年間、迷っている者がいるとかいないとか…………。
そして、空中移動する台座は到着する。目の前に映るのは巨大な門。
「ここが魔王様がいる謁見の間だ。決して、失礼のないようにな…………」
リディクラの言葉に、宗平達は(分かった)と答える。
リディクラは片膝を付いて…………。
「魔王様、人間界からの客人達が見えました」
───うむ、ご苦労だリディクラ。客人共々、入ってくるがよい…………。
門の中から響き渡る声。その声に、宗平達に威圧感が漂い、ビビッと感覚が伝わり、額からは冷や汗が流れてくる。
そして、扉が開く…………。




