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第106話 魔王の根城に踏み入れる宗平(そうへい)達。




───出入り口の門を潜り、城の中に突入?する宗平そうへいら一行。


 リディクラを先頭に、廊下を歩いていた。まるで四方八方から見られているような禍々しい雰囲気、そして一直線に広がる紫色のカーペット、壁にはガーゴイルの象が一列に並び、設置されている。廊下の天井には魔力を宿した光球のシャンデリアが空中で浮遊し、照らしている。


 宗平そうへいは腕を組み、思ったのである。


(何かイメージとは少し、違うな………)


 敵の根城に突入したら否、RPGゲームお決まりで、決戦前にこれまで出会った仲間達と緻密に計画を練り、その次に大勢の敵の中を潜り抜け、仲間の犠牲を乗り越えて向かって行きながら魔王の元まで辿り着いていくのが定番だ。


 しかし、今は大層なロマンかつダイナミックある突入劇ではなく、堂々と城に入れて貰っている。


 色々と考え込む宗平そうへいに、ミラは言う。


「ねぇ、ソーヘイさん?」


「何だ?」


 宗平そうへいなミラに振り向く。


「門番にいたあのトロール、めちゃくちゃ笑っていましたね」


 ミラは言った。


 思い浮かぶのは、門番トロールのニコニコと笑う姿だった。


「そういえば、そうだな………何か、変な感じだったな」


「変な感じ、ですか?」


「いや、魔族といったら人間の敵のような立場で………そもそも簡単に城の中に入れないし、入れて貰っても歓迎はされないから………それに人間側は穏健な魔族を殺害しているから………」


「そうですね………」


 ミラはいつもと違う真剣な様子で考える。


 すると、ミラの気持ちを察したかのように、リディクラは鋭い言葉を挟み込む。


「そんなに気を張る必要はないぜ、上からの知らせによると、別に魔王様はお前達の訪問に、怒っている訳じゃないらしいぜ………」


「どういう事だ?」


「逆に、ここを訪問して来たお前らに、魔王様は興味津々だ。まず、お前らを罠にハメて捕らえることは、しないから、(今は)な………」


「今は、か………状況次第で、敵になるかも知れないって事だな?」


 リディクラの(含み)ある発言に、宗平そうへいは緊張感を張り詰め、尋ねる。


「下手をすればな………そうならない事を祈る。もし、そうなったらこの城にいる魔族達は魔王様によりお前達を殺害命令、良くても拘束命令が下され、人間側との間に有利を働かせる為の交渉材料にされるだろうな………」


 リディクラは廊下を歩きながら言った。壁に掛かる羊頭のオブジェに灯された火が不気味にユラユラと揺れる。


───人間と魔族との和平の交渉決裂、それは人間と魔族との戦争へ逆戻りを意味する。そうなれば、魔族に人間界を支配され、暗黒時代に再突入してしまう。

 


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