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第105話 魔王にアポ



───そしてリディクラを先頭に、宗平そうへい達は城下町から城を繋いでいる大橋を通る。橋の下は奈落、落ちたら言うまでもない。


 城の門に、大口を開いて退屈な様子でアクビを吐くトロールの門番兵。体長3メートル、不健康にでっぷりとした緑肌の巨漢体形。


「よ、調子はどうだい?」


 リディクラは手を挙げ、門番のトロールに歩み寄り、気さくに言う。


 トロールの門番はポリポリと頭を搔き、鈍感な様子。


「ちょっと、魔王様に繋いでもらえないか?」


 リディクラはトロールの門番に世間話を交えて人間では理解できない言語で事の旨を伝える。所々、笑い話も含まれ、何を話しているのだろうか………。


(はぁ………緊張するな………)


 宗平そうへいはリディクラと門番トロールのやり取りに沈黙し、緊張して額から汗と渇いた口。アレだ、前世で経験した従業員の面接レベルだ。面接先のとある会社に出向き、待たされる時間がどうも苦手である。もし、断られたらどうしよう。と、後ろ向きにイメージをしてしまう。


 ちなみにその会社は、面接担当の社員が恐く、上手く受け答えが出来ない圧迫面接となり、家に帰ったら電話で(不採用)を言い渡されたのこと。


 すると、宗平そうへいの背中を突いて尋ねるのは、レイナ。


「ソーヘイ、何を話しているか分かる?」


「分かるわけ、ないだろ」


 宗平そうへいは小声で答える。するとレイナは(つまらない)と不貞腐れ、次はエバに視線を向ける。


(お姉ちゃん、アレは何言っているの?)


 レイナは小さい声でエバに尋ねる。何故ならエバ、モンスターの言語等が記された書物を読んでいる為、ある程度は理解できる。


(多分、人間風情が魔王様に会いたいから、命知らずだと笑い話をしているんだと思う………。魔族にとって、魔王様に対する忠誠がかなり高いじゃないかと………)


 エバは言う。どこの世界でも、王様には忠誠が絶対らしい。



───門番のトロールは敬礼し、城の中に入り、魔王様にアポを取り入れる。


「遅いな………」


 宗平そうへいは腕を組み、表情を険しくさせる。


 するとミラとリアーナは、門の辺りをキョロキョロと眺める。


「何をしているんだ?」と、宗平そうへいは尋ねる。


「いや、もし入れなかったら、どこから侵入しようかと………」


 ミラは言った。


「もし、そうなったら、どこから侵入するつもりだ?」


「それは………」


 そしてミラとリアーナの話に割り入るように、戻って来た門番トロールはヒソヒソと耳元でリディクラに結果を伝える。リディクラは言う。


「とりあえず、魔王様が会ってださるのことだ」


 リディクラは小声で、宗平そうへい達に伝える。その横で門番トロールは、ニコニコと頷いている。


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