第100話 壮絶な光景
───その後、討伐クエストを終了させた宗平達はギルドに戻る。しかし、ギルドに戻って待っていたのは冒険者ギルドの広間とは思えない多忙な光景だった。
「誰か、この依頼を受けてくれる冒険者はいるかっ!!」
ギルドの受付係りは依頼書を持ち、言ってくる。
「俺達が行くよっ!!」
とある冒険者パーティーは手を挙げ、立候補。
「俺も、この依頼を受けるっ」
「俺もこの依頼をっ!!」
冒険者達は次々と掲示板に貼ってある依頼書を受け取り、受付に提出していく…………。ただいま、ギルドでは魔族討伐系のクエストで溢れている。発生したのは1週間前、非戦闘の魔族が殺戮された次の日からだ。
宗平達は休憩スペースのテーブルに腰掛け、多忙な光景を眺める。
「依頼が多いのは結構ですが…………」
ミラは疲れた様子でため息。
「魔族討伐のクエストが大半らしいな…………国内各地、王国軍は対処に回っているが、間に合わないらしく、こうしてギルドに要請しているみたいだ…………」
リアーナは言う。
「王国軍の依頼か…………事態はそれだけ深刻みたいだな」
宗平は他人事のように言った。その後、皆で世間話をペラペラとする。
「大変だ、外で負傷者でいっぱいなんだ。誰か手を貸してくれっ」
町民のおじさんが慌ただしくギルドの中に入って来て、訴えかける。おじさんの慌ただしい声に、宗平達は立ち上がる。
───そして、外に出たら壮絶な光景。
中央広場にて、簡易テントの中でズラリと横たわるのは負傷者達。額に包帯を巻いただけの軽傷者から身体の一部が欠損した負傷者や骨折した負傷者…………。皆、各地域の村や町、そして討伐クエスト中や外を歩いている所に魔族達に襲撃され、看護の余裕がなくなり、イーストカロライナタウンに移送された。
「これは…………」
宗平は言葉を失う。それは、戦場のようである。
───誰か、薬をっ!!
───手が空いている奴がいたら手伝ってくれっ!!
───痛い、腕がっ!!
そんな声が、宗平の耳に入って来る。初めて見る光景に、身体を硬直させてパニックになる。
そして、本能的に浮かび上がる…………それは仲間のミラ、リアーナ、レイナにエバが同じように負傷する光景が…………。
「ソーヘイさんっ?」
「はっ…………」
ミラの言葉に、我に返る宗平。
───次に思い出すのはこれまでの生活、野菜を育て、ミラやリアーナ、アリシアにレイナとエバ。皆と馬鹿みたいに楽しくスローライフで盛り上がって…………。
(何が、スローライフだ。こんな事、俺は望んでいない…………)
そして、宗平は走る。アイツ(リディクラ)なら、何か知っているかもしれない。




