2 毎日書くにはどうしたらいい?
はい、ではまずこちらから。
前回申し上げた通り、こちらサイトにお世話になってから七年と二か月弱、私は毎日更新をしてきました。もちろん小説だけでなく、こうしたエッセイも含めてのことではありますので、大して胸を張れるようなことではありませんが。
とは申せ、最初に投稿した(ムーンライトノベルズの)作品は、とりあえず一日も休まずに百話で完走し、最終的に三十四万字程度のものでした。
完走で思い出しましたが、一応、小説については今のところ、長編も中編もすべて完結することができております。イラストを紹介する「お絵かきの部屋」や日常エッセイ「うちのダンナはぽっちゃり男子」などの、気まぐれに書くエッセイだけはその限りではありませんが。
最初はまさか、こんなに続けられるとは考えてもおりませんでした。当時は今のように仕事を持っていなかったためにできたとも申せましょう。今と比べて一話の文字数もずいぶん多かった。長い時には、一話七千字ほどありましたし。
いまですか?
今はせいぜい、一話二千字前後です。エッセイともなればもっともっと短くなります。お恥ずかしい。
さてさて。
「毎日書く」「毎日つづける」。
これ、言葉で書けばこれだけのことですが、実際にやろうと思うと大変ですよね。いや本当に。
なにかお話のアイデアが浮かんでも、それを実際に形にするのは、これまであまり長い文章を書いたことがない人にとっては当然、簡単なことではありません。
ではどうするか。
とにかく「慣れ」だと思うのです。
まずは文章というものに慣れる。文章を書くということに慣れる。これです。
そのためにはインプットである読書はもちろん外せませんし、書くこともおろそかにできません。
いきなり小説を書き始めるとどこかで詰まってしまって頓挫する……というのは、実際よく聞く話です。かく言う私も、以前は小説でなくマンガを描いていたのですけれども、これがなかなか長続きせず、完結させられないことが多いダメな書き手だったのです。ええもう、ほんっとうにダメッダメ。
それがどうして毎日更新、さらにはそれら長編作品を完結させられてきたのか……と、これまで色々と考えてみました。
ひとつにはまず、日記があると思います。
実は小説を書き始める前の数年、恐らく十年近く、私は日記を書いておりました。日記といってもごく簡単なものです。それも夜に書くのではなく、朝。
書く内容は前日の自分の行動が中心です。
何時に起きて、どこへ行って、何をしたか。昼食はなんで、夕食は何か。何時ごろに寝たか。せいぜいこんなものです。簡単でないと長続きしないからでもありますが、別に小学生の夏休みの宿題のように、あとで先生に見てもらうようなものではないので、ごく自由に楽に書くのがポイント。
よくあるような、自分の悩みや苦しみを延々と書きつづるといった書き方はしません。まあよほどのことがあればひと言コメントを挟む場合もあるんですが、基本的には完全に時系列で、あったことを淡々と書く。それだけです。
冒頭は必ず「私は小説家だ」と書きます。
この「小説家」のところは、人によって他の職業でも状態でも(「モテモテ」とか??・笑)いいでしょう。将来なりたいと思っている自分の姿を具体的な言葉で書いてしまいます。ともかく、実際に小説家であろうがなかろうがそう書いてしまう。まるでそれが事実かのように書いておくのです。
これ実は、以前、何かの本で読んだ偉人がやっていたことなんですよね。西郷隆盛翁だったかもしれません、うろ覚えで申し訳ないです。
こう書いておくことで、自分を「洗脳」しちゃうみたいな。毎日自分に自分の「決意」を言い聞かせる、みたいな。そんな感じ。
人生でどうしても果たしたい目標があるなら、自分で自分を洗脳しちゃいましょう。ハッと気が付けばいつか、それが本当になっているかもしれませんよ?
ふたつめ。
小説の一話を最後まで書いたら、必ず続きも少しだけ書いておく。これです。つまり、「切りのいいところで終わらない」ということ。ちょっとだけでいいのです。ほんの三行ぐらい、シーンの先を書いておく。
こうしておくと、次に執筆を始めた時に、なぜかスムーズに筆が動くのです。もちろんその時も、一話の終わりまで来たら次を三行ぐらいは書いて終わる。もちろん、もっと書けるなら書けばいいのですが。
こうしておくだけでも、だいぶ違います。次の日のスタートが軽やかに切れて、すいすい書けてしまうことが多いのです。
そういえばこれ、勉強でもそうですね。
苦手でキライな科目でも、簡単なことから始めてみる。数学なら、比較的簡単な計算問題から始めてみると、なんとなく次の難しい問題へのステップが踏めるものです。
そうやって、自分なりの「書き続けやすくなるステップ」を決めておけば、他の色々な所でも応用が利くのではないでしょうか。