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最弱はバラバラな世界を一つにする  作者: アリア(紫骨 骸)
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【08:死してなお朝を食ふ】

「ご、ご馳走様でしたっていうのは俺の故郷の習わしなんだよ。これやんないと落ち着かなくてさ……。」

「そうなんだ!故郷のことを大事に思っているのね。」

「そりゃあ、もちろん!故郷のことは大事に思ってるよ。」


そんなことを言って誤魔化す。

そう言えば頂きますって言い忘れたな……今度食べる時は言おう。

思い返せば、俺って昨日の朝からご飯食ってないんだよな?それにしてはお腹牙空いていないような気がする。

実際に空いていない。

俺自身そんなに食べる方では無いのだが、一日一食なんて耐えられないと思う。

まぁ、考えても仕方が無いか。


そういえばと思い、目の前の三人のステータスをチェックする。

敵になろうが味方になろうがステータスの確認は一番重要である。


金髪美女……もとい、ローレン。

レベルが80と騎士団レベルに高く、ステータスも炎系統、攻撃力型に偏っているようだ。

きっと戦うとしたら戦闘要員として戦うのだろう。


双子狐耳っ子メイドミーゴ。

レベル30となかなかに高いレベルで、ステータスは魔法に特価しているようだ。特に回復魔法に関しては言うことなしだ。

回復要員としての活躍が期待できる。


双子狐耳っ子メイドナーシャ。

ミーゴと同じくレベル30なのだが、ステータスは防御系統、物理攻撃に特化している。

防御しながらの近距離攻撃が出来そうだ。


さて、ここまでステータスを踏まえた上で謎が残るんだが、


(なんで三人とも“魔力”という欄があるんだ。)


そう、困っている点はそこである。

俺のステータスには体力などは記載されているものの魔力に関しての記載が一切されていないのだ。


どういう事なのか、またこういった現状が何を表しているのか……。

王道パターンで行くなら魔力が一切ないか、魔力が測りきれなくて表示されなくなったかのどっちかだな。

どっちでもいいから表示して欲しかった。



「スケーレットロさんは、魔力之森学園コアフォレストアカデミーという学園をご存知ですか?」


魔力之森学園コアフォレストアカデミー?と疑問を口にすると、ミーゴが答えてくれる。


魔力之森学園コアフォレストアカデミーは魔法や剣術などの基本的知識を学ぶところらしい。

そんなに高くもなく手軽に行けるし、努力才能性なのでどんなに身分の低いものでも努力していけば地位の高い職業につけたりする。

地位の高いものも低いものも平等に公平にというのが学園のモットーだそうだ。

また、教師も主席やトップ5で卒業している者達が多く、教え方もとてもうまい。

学園に入っている年齢的には高校のような感じだ。十五歳になると入ることが出来る。

学園のモットーの元、金を積んでも十五歳未満は必ず入れないようになっているらしい。

そういえばちょうど十五歳は過ぎてるな。


良くいえば貴族と平民の間に溝がない、学問が良くできた学園。

悪くいえば実力の差に応じた授業の展開、順位式による差別のある学園


良くも悪くも人気な学校なのだ。


「御提案なんですが、学園に入ってみませんか?」

「でも俺はいま冒険者やってるけど。」

「学園は冒険者と合同してやることが出来るので心配はないと思います。」

「そうなのか、でも俺は一文無しだぞ。」

「えぇ、そこで少し意見を言わせてもらっても?」


そう言うとこちらの返事を待っている。


奴隷にでも売られるのかと思い、周りに【固定スキル:空間把握サーチ】を掛ける。特に何もない。四人以外はここにいないようだ。

まぁ、止める必要も無いし発言くらいは自由にしてもいいのに。


「もちろんだ、自由に発言してくれ!」

「姉様が全額払って下さるそうです。」

「……もう一度お願いできるかな?」

「姉様が全額払って下さるそうです。」


んんー?聞き間違いかなー?と思って聞き直すも返ってくるのは一語一句間違っていない言葉。

ミーゴの隣に座っているローレンとナーシャ。

ローレンは首を上下に勢いよく動かしている。

ナーシャはふっ、と勝ち誇ったような顔をしている。


なんだこれ。


「えぇ、もちろん行きたくないのなら強制する気は無いけど、やっぱり暮らしていくのであれば必要でしょ?だからどうかなって思って。」

「俺自体は行けるなら行っておきたいと思っているけど、さすがにあったばかりの人に金を借りるのはちょっと……。」


さすがにあってすぐの人に金を借りようと思えるほど今の生活は困っていない。

困っていないと言ってもまだ一日しか立っていないのだが、もう四日ぐらいここに滞在している気分である。


「借りるのではなく、あげるという分類になるかと思われますが。」

「どういうこと?」

「この書類をご覧下さい。」


言われるがままに書類を見ると様々な詳細情報と共に“ローレン・バグニカード”とサインがしてある。

紙という文化が異世界にあるとは思っていなかったので驚いた。

片方には書いていないので俺のサインをする所などだと容易に想像ができた。


詳細情報という名の規約を見る。


『この契約は二人の同意によって結ばれる。』

『なお、片方でも規約を破った場合は自動的に契約が破棄される。』

『互いの損になることや嫌がることをしないこと。公平に過ごしていくこと。』

『この契約によってヴィオラ・スケーレットロは契約を結んでから切れるまで生活費を保証される。』

『ローレン・バグニカードは相手を弱みにつけて操作したり命令をするのも禁止とする。』


「うむ……、どうやらローレンの方にはプラスが無いようだが?」

「それほど本気ということですよ。学園料を払うからと言って何かを強制的にやらせることもございません。」

「今までお人好しすぎて財産全部取られたりしなかったのが不思議だな……。」


なんだろう。何でこんなに優しくしてくれているのかが全く理解できない。

俺がイケメンならまだしも、女顔で可愛くもかっこよくもない俺を好きになるという王道パターンはまず有り得ないし、そもそもそんなことがあってたまるかと言った感じだ。

もしかして不憫で可哀想な人にでも見えたのか?それはそれでなんか嫌な気分がする。


「というわけだから、さっさと食べたら換金してくるんでしょ。はいはい。行って行って。」

「えっ、ちょっ、ローレンさーん?確かにもう食べ終わったしこのまま出ても特に支障はないけどいきなり過ぎませんかァアアアア!」


ローレンさんの勢いのある力で一気に外に追い出される。さすが騎士レベル戦闘員……叶うはずがなかった。


そんなわけで、俺は外に売りに行くことを強制的にさせられたのである。

確かに換金しに行こうとは考えていたけれど無理やり追い出されるような形だとは思わなかった。



それにしても村は賑やかだな。


屋敷を出て、森に入ること約1時間。ようやく村に着いたらしい。

まさか地図もなしにほっぽり出されるとは思ってといなかった。

もし俺が方向音痴だったらどうする気だったんだろう。

着いたから別に今更なんだけど、危ない場面も多々あったが無事でよかった。


そういえば金髪美女がお屋敷にいるってことは銀髪ボブか新しい子がやってるってことかな。

どちらにせよ換金してもらわないといけないから関係ないような気もするけどね。


ウーノ、ドゥーエ、トレ、クワットロ(今回)。

なかなかにカオスな状態になってきた。後々過ごしてから色々整理しないといけないだろう。


《Day2昼刻》


ざわざわと騒がしい声がする。


(今日も酒飲んでるのか?)


お暇なこった。

そう思いながらそこを見る。


いつぞやの変なやつがいる。その近くには銀髪ボブのキリリとした少女。


なんで仲良く話しているのだろうか。

ドゥーエでは助けたが死んで、トレで助けなかったので未来が変わったってことか?

ってことは負けたのか?もうちょい出来るやつだと判断していたのだが気のせいだったか。


よく見ると肩を掴んでくる男を忌々しいという表情で見ている。第一にその表情は笑顔の中に埋まっているので男達がそれに気づくことはない。

周りがニヤニヤとしていることからあいつらの仲間なのだろう。

関わりたくないと静かにしているやつも多い。


俺が助けなかったせいでこうなったのか!くっ……、何ていう正義感溢れるようなことは絶対にしないけど、異世界の自分のヒロインが変なやつに取られるのは嫌だな。


自称Aだからまあまあ強いのか。銀髪ボブちゃんも初心者らしいしきっと自称Aには負けてしまったのだろう。仕方ないな!


そういえば銀髪ボブと自分に毒をかけたドゥーエのときに何か言ってなかったか?銀髪ボブが自分のことを何か聞いてきたような……?覚えてないわ。

覚えてないことはしょうがない!忘れよう!


というかどうしようか。

自称Aがいるのは買い取りカウンターのところなのだ。絶対このタイミング出てたら怒られそう。

というか目つけられそう。安心安全な世界を過ごさせてほしいんですけど。

今持っている技、絶対殺すみたいな技ばっかりじゃん。使えるのは料理位になりそうだよね。うん。


他のお店を回るか。


そう思ってギルドを後にするのだった。

私は頑張った!早く投稿できた!時間使って書き溜めもした!とても偉いよ私!えらいえらい!


無理やり学園の話をめり込みましたよ。本当に作者のしたいことは分からないな!


書き溜めたから次回は明日更新できるよ!やったね!


ー作者の日記ー


学園というか、学校といえばやはり出会いの場とはよくいったものですよね。


私の場合は出会いの場というよりも絞首台に立っている気分でしたけども、やはり人付き合いというのは切っても切れないものですね。

今では、楽しく生きてます。

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