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7:謎の転生者

どうもお久しぶりです!すっごく遅くなってしまいました。本当にすいません。そして本当にお待たせしました。今回から自衛隊側のお話になります。

昼、アメリカ軍総合司令基地執務室。執務室で秘書のヘレンが持って来てくれた昼飯をヘレンと一緒に食っていた長谷川武信(はせがわたけのぶ)はその食事を電話の呼び出し音によって邪魔された。

「はいはいこちら長谷川。どうした?・・・・・・・何⁉︎俺達以外の転生者⁉︎分かった、すぐに行く」

「どうしたんですか?何か問題が?」

フライドポテトを摘んで食っていたヘレンが顔の表情を仕事モードに切り替えて聞いて来た。

「俺達5人以外の転生者らしき人を偵察任務中のグローバルホークが捉えたらしい」

長谷川は暑いので脱いでいた上着を羽織ってボタンを閉めながら言った。

「え、それってつまりこの世界に新たな転生者が現れたかもしれないってことですか?」

「神の悪戯か、それともたまたまなのか・・・まぁ前者の可能性が高そうだけどな。作戦指令室に行くぞ」

「イエス・サー」

長谷川とヘレンは食べかけの昼飯を置いて作戦指令室に足早に向かった。

「一体どうゆうことだ?」

作戦指令室に入ると同時に長谷川が聞いた。作戦指令室にいた隊員が全員長谷川が来たのに気づくと立ち上がって長谷川に敬礼をした。長谷川は手で座るように指示する。長谷川より歳上の中年男性が長谷川をブリーフィングルームに連れ込み、巨大モニターに映像を投影した。

「2時間前に撮った映像です」

モニターには左上に山がある平原が映し出された。道だろうか、茶色い線が蛇のように蛇行してスレームの外側まで続いている。カメラが少し道の方にズームすると、複数の人影と馬車のような乗り物が見えた。

「場所はここから南西に3500キロの地点です。高度6000メートルと低めを飛んでいたので人影もはっきりと写すことができました」

さらにカメラがグーンとズームすると人影がよりはっきりと見えた。何か揉め事だろうか、複数の人影が1箇所に集まって何やらやっている。しかし良いところでカメラがズームアウトしてしまい人影はどんどん遠くなり見えなくなってしまった。しかもそこで映像は終わった。

「私達はただの異世界人の集まりだろう思い撮影をやめてしまったのですが、後からこの映像から切り取った画像を拡大してみたところ・・・」

そう言って男はパソコンのマウスを動かして画像を出した。出て来たのはさっきみた映像のワンシーン、あの異世界人の集団が1箇所にたむろしているところの画像だ。男がパソコンを操作してその画像を拡大するが、画像が荒く何が写っているのか分からない。またパソコンを操作して次はその画像の荒い部分をなくして人の着ている服の模様が確認できるように画像を補正した。そこに写っていたのは・・・

「なっ⁉︎」

「これは・・・日本人?」

その画像に写っていたのは異世界人に手と足を拘束されて運ばれようとしている日本人だった。中・高校生位だろうかセーラー服らしき物を着ているので恐らく女性だ。

「この女性の連れて行かれたところは分かるか?」

長谷川は可能ならばこの女性を助けに行こうと考えていた。

「これが分かった時、急いで別のグローバルホークを向かわせたのですが、航続距離が足りず・・・」

「最後に確認した場所は?」

航空写真で作られたここ周辺の地図を広げると、ここからずっと南の方にある自衛隊隊基地とアメリカ軍基地の間にある密林の手前を指差した。

「ここです」

「ここか・・・今すぐ自衛隊に繋げ」



午後12時43分、自衛隊総合司令基地。

如月航(きさらぎわたる)は第4対戦車ヘリコプター隊のハンガーにお邪魔して仲良くなった世にも珍しい女性アパッチ乗りの藤原長門ふじわらながととチェスをやりながら雑談をしていた。

「なぁ、如月さんよぉ〜」

「司令と呼べ司令と。で、なんだ?」

藤原は次にどこにコマを置くか考えてながら言った。

「今度大規模演習あるだろ?アメリカと合同の」

まだはっきりとした日程や場所などは決まっていないが近いうちにアメリカ軍と合同の大規模演習をやろうと言う話を長谷川と俺で話でしていだのだが、その話が噂として自衛隊内で広まっていた。

「その時にさ、フル武装で出撃させてくれよ」

ビョップを前の方に置く。

「何でだ?」

俺は顎に手を当てて少し考える。

「ほら自衛隊の演習ってさ、攻撃ヘリの攻撃がショボいじゃん」

「そうか?30ミリチェーンガンをぶっ放したりヘルファイヤ(空対地ミサイル)を撃ったりしてるじゃないか」

動画投稿サイトでそうゆう映像は何度か見たことがある。ナイトを敵の動きに制限をかける場所に置く。

「それだけじゃ足りないんだよ!それだけじゃ私の欲求を満たすことはできないんだよ‼︎」

ナイトのせいで動きが制限されてしまい、藤原は詰んでしまう。

「ロケット弾で装甲車を粉砕し!ヘルファイヤで戦車を吹き飛ばし!チェーンガンで非装甲車などのソフトターゲットを粉微塵にする!アパッチは機械仕掛けの獰猛な肉食獣だ!狙った獲物は必ず狩る!POWER IS EVERYTHINGッ‼︎それがアパッチだ!」

藤原は無駄に英語を発音良く言いながら俺が囮にしたクイーンをまんまと藤原は取った。その隙に俺は他の駒を回して藤原のキングを捉える。

「うんまぁ、お前がアパッチで派手に暴れたいてのはよく分かった。はいチェック」

藤原はキングを逃す、俺はそれを追撃する。

「で、どうだ?フル武装で演習させてくれるか?」

「フル武装で飛ぶのは実戦だけにしてくれ。まぁヘルファイヤとチェーンガンは撃てると思うからそれで勘弁してくれ。はい、チェックメイト」

チェスの軍杯は俺に上がった。

「なぁ⁉︎・・・チッ、負けちまったか。じゃぁ大人しくヘルファイヤとチェーンガンで我慢しときますよ」

「そうしてくれ」

俺はパイプ椅子から立ち上がった。それを見た藤原が少し意外そうな顔で聞いてくる。

「なんだ、もう行くのか?」

「君達の司令官は色々と忙しいんだよ。じゃぁな」

第4対戦車ヘリコプター隊のハンガーを後にした俺は早歩きで執務室に戻った。執務室のドアを開けると俺の秘書の和葉が慌てた様子で俺に駆け寄ってきた。

「ちょうど良い時に来てくれました。今司令を呼び出そうと思っていたところだったんです」

「どうした、何か問題が?」

あまり大きな問題は来て欲しくたいなと思いながら俺は和葉に聞いた。

「約2時間前、米軍の無人偵察機が我々以外の転生者を発見したそうです」

「えぇ⁉︎」

俺達以外の転生者・・・だと⁉︎馬鹿な、あり得ない!

「長谷川さんに電話繋げますか?」

「そうだな、直接話した方が良さそうだ」

俺は何時も使っている机に置いてある黒色の電話の受話器を取るとアメリカ軍総司令官の長谷川に電話した。

「もしもし、長谷川か?俺達以外の転生者を見つけたってどうゆうことだ⁉︎」

俺が怒鳴るように聞くと受話器から長谷川の落ち着いた声が聞こえて来た。

「航か、聞いての通りだ。うちのグローバルホークが異世界人に拉致されようとしているところをたまたま捉えた。見た目とセーラー服着ていたことから恐らく女子中・高校生だと思われる」

「日本人か?」

「あぁ多分日本人だ。そいつを救助してどうやってここに転生したのか聞く必要がある。お前が1番距離的に近いから頼みたいんだけど・・・頼んで良いかな?」

俺もどうやってここに来たのか聞いてみたいし、同じ日本人をほっとけないと言う気持ちもあったので即答した。

「良いとも!」

「すまんな、最後にこの女を確認した場所の座標を送っとくから確認しておいてくれ。俺も増援を送る。それじゃ」

電話が終わった直後にその座標が俺のパソコンに送られて来た。受話器を戻した俺は和葉に指示を出した。

「偵察機を出せ、拉致された転生者を探す」

「了解しました」



如月の指示が出てから1時間後、中部方面隊航空隊に所属する2機のLR-2偵察機が八尾駐屯地から離陸して転生者捜索に向かった。岩国航空基地からも第31航空群に所属する第81飛行隊のOP-3C画像情報収集機4機が飛び立ち、自衛隊総合司令基地からは4機のRF-4E偵察機も出撃した。米軍基地からもRQ-4グローバルホーク無人偵察機が2機来た。8日後、大規模な捜索のおかげですぐに目標らしき物は見つかった。北西に約500キロ行った所にある密林の中にぽつんと半壊した城があり、そこに馬車が複数台止まっていた。如月はその城跡を監視するように狙撃部隊に命じた。



午後1時57分、城跡から西に520メートル地点OP(監視所)

監視所と言っても立派な施設などではなく、地面に掘った壕のことだ。今回は短期の監視の予定なのでそこまで凝ったOPは作らず、スター・フォーメーションと言う十字形に壕を掘り棒とポンチョの屋根をつけてカムフラージュしたOPだ。その中に兵士4人が入り、交代で24時間目標を監視している。

「何か動きはあったか?」

対人用狙撃銃(M24)を構え、そのスコープを望遠鏡がわりにして目標を監視していた隊員に後ろから別の隊員が話掛けて来た。

「なし」

「よし、交代だ」

狭い壕の中で2人が入れ替わり、今まで監視していた隊員は休憩用のスペースに行って寝転がって仮眠をとる。交代してから直ぐに目標で動きがあった。城跡から森の外えと続く道に馬車が現れたのだ。すぐさま本部に連絡する。

「こちらOP、目標に接近する小型の幌馬車を確認。数は1、馬に乗った兵士が6人が幌馬車を護衛している」

《こちらHQ、そのまま監視を続けよ》

「了解」

幌馬車は城跡の前で止まると、幌の中から鎖を手にした屈強な男が2人降りて来た。男が持っていた鎖を引っ張ると幌の中から鎖の繋がった首輪を首に付けられた子供が4人引っ張られて降りて来た。それを見た隊員は驚いた。

「幌の中から子供が出て来た!」

《それは救出目標ですか?》

「いや、恐らくこの世界の子供だと思われる」

《子供の状況はどのような感じですか?》

隊員は男達を撃ち殺して子供達を助けたい衝動に駆られたが、その衝動を押さえ込んで詳しく報告する。

「首に首輪を付けられて、鎖に繋げられている。子供たちは必死に抵抗しているが、男が鎖を引っ張って強引に城跡に連れて行こうとしている」

子供が大人に力で敵うわけもなく、子供達は泣き叫びながら引きずられるような形で男に連れて行かれる。

そして地下へ続く階段に行って姿を消した。

「そのまま地下へ続く階段を降りて行った」

この後も監視は続けられ近くの村も監視していると、同じ幌馬車が村から少年少女を次々と拉致しているのを確認。少年少女達をその城跡に連れて行き地下に入って行くのも確認したので、救助目標もそこにいる確率が高いと如月は判断。如月は第1空挺団第1普通科大隊第3中隊に所属する隊員隊員に出撃命令を出した。

翌日、午後0時16分。11人の隊員を乗せたUH-60JA多用途ヘリコプター「ブラックホーク」2機とCH-47JA大型輸送用ヘリコプター「チヌーク」1機(チヌークは救出した子供達を乗せる為に隊員は20人しか乗っていない)、そして航続距離不足で来れなかった攻撃ヘリの代わりに機首に30ミリチェーンガンを装備し、機体両側にある小翼に|ハイドラ70ロケット弾《70ミリロケット弾》を19発装填したM261ポッド2基と増槽タンク2個を搭載した軽攻撃ヘリ型のUH-60JAが2機が編隊を組んで密林の上を低空で飛んでいる。

「いいか?我々の任務は転生者の救出及び、城跡の制圧だ。何時もより大量に弾薬を持って来ているからな、取り扱いに気おつけろよ?」

「了解!」

UH-60JAの機内で部下達にそう言い聞かせているのは第1空挺団第1普通科大隊第3中隊中隊長の山口拓人(やまぐちたくと)一等陸佐だ。山口が喋っていると1人の隊員が手を上げた。

「敵を見つけた場合、先制攻撃してもいいのですか?」

そう言ったのは山口と中の良い田村幸太郎(たむらこうたろう)三等陸佐だ。

「やって良い。他に質問は?」

1人も手を上げたりする人はいなかったので、山口は最後に警告だけしておいた。

「よし無いな。では最後に1つだけ言っておく、技術の劣る相手だと思って敵を侮るなよ?充分に注意して戦え」

「了解!」

田村がふと横を見ると重武装な攻撃ヘリに見間違えそうな見た目をしたヘリが見えた。

「にしても凄い重武装だな、あのロクマル(ブラックホーク)

田村は横を飛んでいる軽攻撃ヘリ型のUH-60JAを見てそう言った。元の自衛隊のブラックホークはこのようにロケット弾などを装備できないので、自衛隊のUH-60JAがフル武装で飛んでいるのはとても珍しい光景だ。もともと自衛隊のUH-60JAもこのようにロケット弾などを装備する計画があったのだが予算などの問題で増槽を装備するだけになっていたが、アメリカ軍から無料でロケット弾などを貰えたので装備した。つまりこれはMH-60L DAP風に改造したUH-60JAである。

「・・・米軍さんも来たみたいだな」

後ろから自衛隊機に急速に接近して来た黒色のオスプレイにそっくりなティルトローター機、V-280「ヴァーロー」2機が自衛隊機の編隊に加わった。今回の作戦ではアメリカ陸軍第1騎兵師団の第2旅団戦闘団「ブラック・ジャック」に所属する第5騎兵連隊第1大隊の隊員24人が参加している。長谷川が増援として送ってくれたやつらだ。

《こちらスコーピオン、ヘリボーン地点に敵兵を確認。安全を確保するまでヘリボーン部隊は後方で待機せよ》

「了解、後方で待機する」

山口達を乗せたヘリボーン部隊のヘリは指示どおり目標から少し離れた所で停止し、軽攻撃ヘリ型のUH-60JA2機が降下地点の確保に向かう。

「目標確認、攻撃開始!」

城跡上空で静止したUH-60JAは30ミリチェーンガンでいきなり現れたヘリに驚いて固まっている敵兵を容赦無く掃射する。M789多目的榴弾が敵兵の肉体を吹き飛ばし、地面には血と肉片しか残っていない。上を飛ぶ物体が敵だと判断した敵兵は弓矢で反撃してくるが、小銃程度の弾丸ならば耐えれる装甲を持つブラックホークに矢が効くわけもなく機体に僅かに傷を付けるだけだった。チェーンガンはそんな奴らもまとめて吹き飛ばしていく。約2分でヘリボーン地点は確保できた。

「こちらスコーピオン、降下地点の安全を確保!行っていいぞ」

「了解感謝する」

後方に待機していたヘリボーン部隊の乗るヘリが動き出し、ヘリボーン地点に到着する。UH-60JAの両側からロープを下ろし、そのロープを使っていわゆるラペリングというやり方で第1空挺団の隊員達が次々と雑草などが生い茂る城跡に降下していく。V-280からもブラック・ジャックに所属する隊員達が同じように両側のロープを使って降下して行く。降下した隊員はすぐさま伏兵などがいない小銃を構えて周囲を警戒する。11人全員を下ろしたUH-60JAは出力を上げて速やかに退避する。同じようにV-280も退避して行く。ヘリからのダウンウォッシュが無くなり辺りが一気に静かになると、隊員達は目標の救出の為に動き出した。この時の隊員達は知る由もなかった、この城跡であのような恐るべき実験が行われていることに。










ヘリボーンとは余り分からなかったけど、こんな感じで良かったのでしょうか?突っ込みどころ満載の話になってしまいましたが、暖かい目で見守ってくれれば幸いです(笑)。感想などお待ちしております。

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