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2:仲間探し

戦闘シーンを早く書いてみたいんですがなかなか思う様にストーリーが進みませんね。これからは一話5000字くらいで書いて投稿スペースを上げようと思います。

午後12時38分、地面が見えないほどの密林の上をE-4BナイトウォッチがF-15Cイーグル戦闘機4機に護衛されながら飛行していた。E-4Bはアメリカ合衆国の国家空中作戦センター(NAOC)として運用される航空機で、核戦争や大規模災害の際に地上での指揮が取れない場合に備えて空中からアメリカ軍を指揮できるようになっている。なので国家緊急空中指揮所(NEACP)と呼称されている。そのE-4Bの機内中央デッキにあるブリーフィング・ルームの高級幹部用の椅子に座っている長谷川武信(はせがわたけのぶ)は机に両肘を立てて寄りかかり、両手を口元に持ってくるポーズ、いわゆるゲンドウポーズをしていた。先程ある会議が行われて、それが終わって関係者がいなくなってから秘書を呼んだ。

「それではヘレン・ブラウン大佐、報告を」

長谷川の秘書であるヘレンは名前を呼ばれると「ハッ!」と返事をして手に持っている報告書に目を通した。

「先程基地から飛ばしたグローバル・ホーク4機は現在、予定通りそれぞれ東西南北に飛行中。今のところ人や人工物らしき物は確認されていません。また、遠海を航行中のカール・ヴィンソンからも報告は来ていません」

「よろしい。このまま偵察を続けたまえ」

「イエス・サー」

ヘレンは敬礼をするとブリーフィング・ルームを後にした。長谷川はおもむろに机の上に置いてある受話器を取るとボタンを押した。

「機長、基地まで後どれくらいだ?」

《後・・1時間ほどです》

「分かった。ありがとう」

長谷川は受話器を元の場所に戻した。そして椅子から立ち上がると、窓を覗き込んだ。まず目に付くのは護衛機のF-15C、長距離を飛ぶ為に増槽を1つ胴体下にくっ付けており、さらに主翼下の2ヶ所のパイロンの両側のサイドレールに計4発のAIM-9L(短距離空対空ミサイル)サイドワインダー、胴体下面4ヶ所あるランチャーに計2発のAIM-120(中距離空対空ミサイル) アムラームСを搭載している。しかし、ここにいる”敵機„は主にドラゴンしかいないので視界外射程空対空ミサイルのような長距離空対空ミサイルはいらないのではないか?と言う意見が出ている。短距離空対空ミサイルのサイドワインダーでさえ最大射程は40キロもあるのでドラゴン相手ならこれだけで充分と言う考えだ。今のところは備えあれば憂いなしと言う訳で一応搭載している。次に下を見ると真っ白な雲の絨毯が広がっており時々雲の切れ目から密林が見え隠れする。ぶっちゃけ直ぐに見飽きてしまう。F-15Cを眺めていると不意に後ろから声をかけられた。

「何を見てるんですか?コマンダー(司令官)

声で直ぐに分かった。秘書のブラウン大佐だ。部隊に報告し終えたのでここに戻って来たのだろう。

「護衛のF-15を見ていた」

「あれが護衛してくれる限り敵機の心配はありませんね」

彼女の慢心発言を聞いた俺は注意しておく。

「ヘレン、慢心はダメだぞ?」

するとヘレンは鼻で笑った。

「これは慢心ではありません。余裕と言う物です」

お前はCCOかよと突っ込もうとしたが、敢えて突っ込まないでおく。ぼーと外を眺めていると、俺の乗っているE-4Bの上を黒い機体が凄まじい速さですれ違った。

「ん?今何かすれ違ったな・・・迎えの戦闘機か?」

「敵機だったらF-15が動いてるでしょうし迎えでしょう」

その答えは直ぐに分かった。E-4Bの後ろから接近して来た航空機2機がそれぞれ左右に展開してE-4Bと並走した。おかげでその機影をはっきりと確認することができた。

「F-16が迎えに来たか」

AIM-9Lサイドワインダーを主翼下に6発搭載したF-16だった。ヘレンはそのF-16をパッと見ただけで何型なのか分かったようだ。

「F-16A/B Block15OUCですね」

「お、おう、よく分かるな」

F-16は派生型などが数十種類あり、しかも一部を除き見た目がほとんど変わっていないので流石の長谷川もどれがどれだか見分けがつかない。

「事前に知らされていたので」

あぁそう言うことねと、長谷川は納得した。席に戻ると長谷川はまたゲンドウポーズをして先程の会議で出された計画書を見た。

「さて、さっさと仲間を見つけてこれについて話し合わなければいけないな」

その計画書にはこう書かれてあった。



「アルマゲドン計画」



RF-4E偵察機4機とOP-3C画像情報収集機4機が偵察と言うか・・調査に向かってから30分以上経っていた。偵察機達が調査から帰ってくるのは早くても約3時間後、OP-3Cに至っては燃料が無くなる直前まで探索を続けろと言ってあるので恐らく15時間以上後に帰って来るだろう。それまで俺はほとんどやることがないので、俺は執務室で暇を持て余していた。

「・・・暇だ」

和葉の淹れてくれた美味しい麦茶を飲んで俺は呟いた。

「まぁいいことじゃないですか、平和で」

ソファーに座って読書をしていた和葉が本を畳んで膝の上に置いてからそう言った。

「何かやること無いのか?今なら何でもやれる気がする」

「そうは言っても特にやらなきゃいけない書類とかもありませんしね」

俺は椅子の背もたれに体を預けて大きく背伸びをした時、あることをふと思いついた。

「ん〜〜〜あ、そうだ」

俺は椅子から立ち上がり帽子を被った。

「何処かに行かれるのですか?」

本を机に置いて立ち上がった和葉が聞いてきた。

「陸自のヘリを見に行ってくる」

「ヘリをですか?」

和葉は首を傾げた。その仕草が可愛いと思ったのは秘密だ。

「一度見てみたいやつがあってな。ついでに部下と交流して信頼関係深めたいしな」

「それは良いですね、私が案内します」

ここ、自衛隊総合司令基地を拠点に活動している東部方面隊直轄の東部方面航空隊隷下、第4対戦車ヘリコプター隊。主に敵の戦車などの地上戦力に対処する攻撃ヘリ部隊で、OH-6とOH-1とAH-1Sを配備している。そして今現在、第4対戦車ヘリコプター隊には1機だけだが明野航空学校から持って来たAH-64Dがいる。将来的にはアメリカ軍からたんまりアパッチを貰ってアパッチだけの攻撃ヘリ部隊を編成しようと考えている。

「ここが東部方面航空隊が使用しているハンガーです」

執務室からまぁまぁな距離を歩いて来た俺は顔や体に汗をにじませていた。俺は第4対戦車ヘリコプター隊が使っているハンガーに恐る恐る入った。ハンガー内は照明が点いておらず真っ暗だったが、俺の入って来た入り口から差し込む日の光で目の前のヘリが照らされる。

「AH-64Dアパッチ・ロングボウ・・・・」

目の前に鎮座しているヘリの名を俺は呟いた。AH-64Dアパッチ・ロングボウ、AH-64Aアパッチ攻撃ヘリにロングボウ火器管制レーダーを搭載して大幅な能力向上を図ったAH-64の派生型。陸上自衛隊にはAH-1Sコブラ攻撃ヘリの後続機として導入したが、予算などの問題で13機しか調達できず、実際に配備されているのはたったの10機だけと言う可哀想な攻撃ヘリ。しかし性能はとても良く、胴体は23ミリ機関砲弾が直撃しても耐えることのできる装甲を持ち、速度も速く、武装の搭載量もコブラより多い。スリムな見た目のコブラとは反対に武骨でいかにも戦う為のヘリといった感じを醸し出しているアパッチはこうやって間近で見るととても迫力がある。

「誰だ」

俺がアパッチの機体に触ってみようとした時、後ろから和葉とは違う女性の声が聞こえて来た。

「あ、藤原さん。お邪魔しています」

俺より先に後ろを振り返った和葉が後ろの奴に挨拶した。俺も振り返って見ると戦闘服装航空用を着た黒髪を肩まで伸ばした目が鋭いいかにも強気ですって感じの女性が腰に片手を当てて立っていた。女性は俺が司令官だと気づくと姿勢を正して敬礼した。

「失礼しました。司令とは気づかず」

何か他人から敬語を使われるのがじれったいので、俺は気楽に話してもらう様に言う。

「良いよ良いよ、そんな堅苦しいのは無しにしよう。その方が俺も気が楽だ」

女性は敬礼していた手を下ろすとまた腰に手を当てた。

「それはありがたい。私もこうゆうのは苦手だからな。私は藤原長門(ふじわらながと)、階級は一等陸尉だ」

一等陸尉・・・普通の軍隊で言う大尉くらいの階級だな。うわ、思ったよりも階級高え。和葉が補足を入れる。

「藤原さんはそのアパッチのパイロットなんです」

「へぇ、そうなんだ。じゃぁ頼りにしてるよ、藤原さん」

藤原はニッと笑うと親指を立てた。

「おう、任せとけ! で、今日は何でこんな所に?」

俺は後ろにあるアパッチを見を見た。30ミリチェーンガン以外武装は付けていないが、それでも充分迫力がある。

「こいつを見たくてな」

「お前、アパッチに興味があるのか?」

「まぁな、元の世界じゃぁ見れなかったからな」

自衛隊のイベントにはよく行っていたが一度もアパッチを見ることはできなかった。

「それじゃぁ私をどんどん出撃させてくれよ、そしたらこいつのかっこいいところ沢山見せてやっから」

「了解、楽しみにしておく」

元の世界の自衛隊ではアパッチは余りにも攻撃力が高いので「自衛」の範囲を超えてしまうのではないかと言われていたが、この世界にはその「力」が必要になる。俺はその「力」を信じて期待の眼差しをパイロットの彼女に送った。




自衛隊総合指令基地から北に約470キロ 、高度5000メートル。ひたすら北に向っていたRF-4E偵察機(FUDOU01機)は大陸を抜けて淡い青色の海の上を飛行していた。

「いやぁ〜流石異世界、海も空も馬鹿みたいに綺麗だ」

下は淡い青色の海、上は水色の雲一つ無い空。もしここで激しいドッグファイトをしたら途中からどこが上でどこが下なのか分からなくなるだろう。水平線を見てみるとその境目が分からない、それほど海と空の色が酷似しておりそして美しいのだ。

《お探しのドラゴンは見つかったか?》

後席に座っている偵察航空士(ナビゲーター)が無線越しにパイロットに聞いた。このパイロットは離陸前、ドラゴンに会ったら落としてやると意気込んでいたからだ。

「ドラゴンどころか鳥すら飛んでないね」

《それは残念だっな》

しかしこの美しい空もずっと見ていると飽きてしまう。どこまで行っても見えるのは青 青 青・・・J79ジェットエンジンの奏でる轟音以外何も聞こえないこのコックピット内にずっといると眠たくなってしまう。そんな理由もあり奴2人はずっと喋っている。喋っている途中、航空管制から通信が切れ入った。

《こちらRJTJ DC(入間防空司令所)、レーダーサイトが国籍不明機(アンノウン)を捉えた。水平線の近くだったためすぐに見失ってしまったが・・・付近に何かいないか?》

「いえ、特には・・・訂正、約170キロ先、アンノウン1機。機首方位(ベクター)2(フタ)7(ナナ)0(マル)

レーダーで捉えた機影、白い戦闘機型のアイコンが2つ、メインディスプレイのレーダー情報画面(レーダーディスプレイ)に映る。アンノウンの機種・目的・敵かどうかなどは不明だが、真西からこっちに向ってきている。

《こちらのレーダーでも捉えた。ポイント(目標位置)270(方位270度)500(距離500キロ)5000(高度5000メートル)

RF-4Eは敵を攻撃する手段が無い、なのでパイロットはいつでも全速力で逃げれる様に準備しておく。

レーダーディスプレイに、映し出されている戦闘機型の白いアイコンが青に変わった。

「こちらFUDOU 01。IFFに応答、これは・・・米軍機です」

米軍機はこちらと同じ高度を飛んでいる。マッハ0.9で飛行しているため、お互いの距離は直ぐに縮まって行き、肉眼で見える距離になる。

「おい、記念撮影をしようぜ」

パイロットの言っていることの意味が分かったナビゲーターはニヤリと笑った。

《オーケー、やってやろうぜ!》

パイロットが機首を米軍機に向け、ナビゲーターは何やら計器をいじり始めた。

「目標前方・・・・行くぞ?・・・今!」

RF-4Eは米軍機と正面衝突する前に機体を少しだけ上昇させて米軍機のギリギリ上をすれ違う。すれ違いざまにナビゲーターは機首下に搭載している高性能カメラで米軍機を撮る。下を通過して行ったそれは、灰色の機体、黒色に塗装された機首上面、細長い可変翼、身軽な武装。主翼上面には青枠を付けた赤線入り白細帯の上に、青丸とその上に白色の星が描かれている。アメリカ軍ということを表している国籍マークだ。広い胴体と特徴的な可変翼のおかげで機種は1発で分かった、間違いない。

《うおっ⁉︎あれはトムキャットじゃねーか!》

F-14はその巨体に似つかわしくない高い旋回性能で反転すると、RF-4Eの横に並んで並走した。2枚ある垂直尾翼を見てみると海賊がよく使ってた髑髏(どくろ)マーク、スカル&クロスボーンが描かれている。このマークは見たこともあるし、聞いたこともある。世界一有名な部隊と呼ばれた飛行隊、ジョリーロジャーだ。そのジョリーロジャーから通信が入った。

《こちらアメリカ海軍、空母カールヴィンソン所属、第84戦闘飛行隊ジョリーロジャー。私はジョリーロジャー01だ。そちらは?》

「こちらは航空自衛隊、偵察飛行隊所属、501飛行隊。FUDOU01。近くに空母がいるのか?」

まぁ、こいつがここら辺を飛んでいるということは間違い無いだろう。

「あぁ、カールヴィンソンがここから西に900キロの所を航行中だ」

世界最大の原子力空母であるミニッツ級が近くに来ているのか、探す手間が省けたな。とパイロットは思った。

「そちらは我々以外の軍隊を見つけたか?」

他にも見つけてくれていたらさらに手間が省けると思い聞いてみる。

「いや、貴官が初めてだ」

「了解した。上から仲間を見つけたたら報告しろと言われているのだが・・・報告しても良いか?」

「いいぞ。こっちも同じ命令を受けていてね、そちらのことも報告させてもらう」

「どうぞお好きに」

ジョリーロジャー隊とのコンタクトから少ししてから、同じく北側の長距離偵察を行なっていたOP-3Cが遠海を航行中の空母カールヴィンソンとそれを護衛するアーレイバーク級イージス艦4隻を確認。さらに数時間後、岩国基地上空高度1万9000メートルに米軍の無人偵察機グローバルホークが飛来、これによりアメリカ軍が自衛隊の位置を特定。しかし自衛隊・アメリカ両者とも他の軍隊を発見できず、第1回目の長距離偵察は終了した。




色々とおかしな点があったかもしれませんが、小さいことは気にしない!ご感想待ってます!

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