16:作戦開始
え〜いつもこの異世界侵略を読んでくださっている読者の皆様、こんなに投稿が遅れてしまい本当にすいませんでしたッ!m(__)m言い訳を合わせて貰うとリアルが忙しいのですよ・・・。
今回は急いで書いた物なので誤字などが多数ある可能性があります。見つけ次第直していこうと思っています。
遠くからパン!パパパンッ!と何かが破裂するような音が聞こえてくる。同時に誰かの声も何と言っているか分からないが聞こえて来る。誰かに身体を揺さぶられる。あれ?俺は何で寝ているんだけだっけ?朦朧とする意識の中でそこまで考えた田中は今までのことをハッと思い出し飛び起きた。その瞬間田中の耳に銃声と怒号が聞こえて来た。ついさっきまで乗っていた高機動車(II型)は目の前で横転しておりタイヤがクルクルと虚しく回っている。横転した高機動車(II型)を盾にしながら敵と戦っているんだと田中は察した。気絶していた田中を起こそうとしていた井上3等陸曹は田中に状況を説明する。
「やっと起きたか寝坊助!今大勢のエルフに襲撃されてまぁまぁヤバイ状況だから早く加勢してくれ」
田中は高機動車(II型)から少しだけ顔を出して敵の様子を伺うと横に置いてあった89式小銃を手に取り、マガジンの中に弾が入っていることを確認すると、コッキングレバーを引いてセーフティレバーを「ア」から「タ」に変更して構え、そして木の上から矢を放とうとしていたエルフの腹に3発食らわせた。
「やるじゃねぇか」
撃たれたエルフは腹を抑えながら15メートルはありそうな高さから地面にドシャッと落ちた。
「井上 三曹のお陰ですよ」
田中は井上3等陸曹に向かってニッと笑った。話している間も横転した高機動車(II型)に矢や魔法攻撃が当たり車体を揺さぶる。
「気をつけろ、奴らの撃って来る矢は魔法で強化してあるみたいだ。TAC-15と同じかそれ以上の威力があると思うぞ」
さっきから飛んでくる矢の音がキュンッ!と普通の矢の飛んで来る音ではないので普通の矢ではないことは田中にも容易に分かった。
「でも弾丸に比べれば弱いですよ!」
そう言って田中は再度高機動車(II型)から上半身を出すと89式小銃を構えて、矢をつがえていた女性のエルフに照準を合わせ引き金を引いた。弾は女性エルフの肩に命中。エルフは持っていた矢と弓を地面に落としてしまう。その場にうずくまった女性エルフに気づいた男のエルフ2人がそのエルフを助ける為に駆け寄った瞬間、井上3等陸曹が単発ではなく連射で撃ち2人まとめて撃ち殺した。
「まぁ確かにそうだな」
「井上 三曹もなかなか酷いことしますね」
すぐさま身体を引っ込めて車体に隠れた田中は井上3等陸曹に言った。
「戦争だからな、仕方ない」
空になったマガジンを外して新しいマガジンを89式小銃に叩き込みながら井上3等陸曹は行った。
「戦争って言うか・・・俺達が一歩的に侵略しているだけたんですけどね」
「戦争には変わりない」
田中の足元にタンタンタンッ!と矢が三本飛んで来て地面に刺さった。咄嗟に飛んで来た方向を見ると田中達の真上にある太い木の枝に弓を持った複数人のエルフ達が乗っていた。田中と井上3等陸曹は89式小銃を上に向けて撃つ。
「上だ!上にいるぞ!」
他の隊員達も上にいるエルフ達に気づき同じように89式小銃を上に向けて撃ちまくるが、エルフ達はまるで猿のように木から木へとジャンプしたり走ったりして移動し銃弾を避ける。しかし流石に全ての弾丸を回避することは出来ず、足や胴体に5.56×45ミリNATO弾を食らったエルフ数人が落ちて来た。が腹に弾を食らって落ちたエルフは腰に提げていた短剣を鞘から抜くとると近くにいた自衛隊員に接近し喉を搔き切った。
「こいつ・・ッ⁉︎」
次にエルフは井上3等陸曹を襲おうとしたが、それよりも早く89式小銃を構えていた井上3等陸曹はエルフが倒れて動かなくなるまで銃弾を撃ち込んだ。
「井上 三曹!後ろ!」
「ッ⁉︎」
若い女性エルフが左足を足を引きずりながら井上3等陸曹の後ろから接近していた。そのエルフは持っていた矢をナイフのように使い井上3等陸曹に向けて振り下ろした。井上3等陸曹は右腕で矢尻を受け止めると左手に持っている89式小銃の銃口をエルフの腹部に押し当てた。
「痛ぇじゃねーかッ‼︎」
これでもかとエルフの腹に弾を撃ち込み続け、撃たれたエルフは口から血を吐き出してからその場に倒れた。
「井上 三曹!大丈夫ですか⁉︎」
井上3等陸曹は顔に付いた返り血を拭き取りながら答えた。
「あぁ。矢はそんなに深く刺さってなかったから問題なしだ。・・・・ッ‼︎」
89式小銃を構えた井上3等陸曹はまた上に89式小銃の銃口を向けた。木の上から10人以上のエルフ達が井上3等陸曹達を見下ろしていたのだ。
「クソッ⁉︎全員逃げろ!」
そのエルフ達が攻撃しようとする動きをしていたので井上3等陸曹は叫びたいながら田中を引き連れてその場から逃げた。次の瞬間矢や魔法弾が自衛隊員達に降り注ぎ隊員達の叫び声があちこちにから聞こえてきた。辺りは爆発により舞い上がった土煙で一気に視界が悪くなった。エルフからの魔法攻撃は終わったらしく爆発音は聞こえなくなった。
「ガッ⁉︎」
「グハッ・・・!」
「うわぁぁぁ⁉︎」
そこ代わりに何処からともな隊員達の断末魔や叫び声が聞こえて来くる。視界が悪いせいで何が起きているのか全く分からず、井上3等陸曹と田中は89式小銃を構えながら周囲を見回した。周囲を警戒しているとこちらに急速に接近して来る足音が聞こえて来たのでその方向に銃口をむけた瞬間、湾曲した短剣を両手に持った女エルフが殺意全開で突っ込んで来た。89式小銃で剣撃を受け止めたが、衝撃を受け止めきれずに89式小銃は明後日の方向に吹っ飛ばされてしまった。89式小銃が吹き飛ばされてしまったことで無防備になってしまった井上3等陸曹に女エルフは短剣を突き刺そうとしたが、それよりも早く田中が女エルフに向けて発砲。しかし女エルフは後ろにジャンプして田中から距離を取りながら短剣を胸の前でクロスさせて5.56ミリNATO弾を防いだ。
「銃弾弾くって、それはアニメだけでしょ⁉︎」
そう言いつつ田中はバン!バン!バンッ!と89式小銃の引き金を引き続けるが、両手に持つ短剣を目にも留まらぬ速さで動かして全弾弾かれてしまう。
「それならぁ‼︎」
田中は89式小銃のセーフティーレバーを「タ」から「レ」に変更して再び引き金を引いた。毎分650〜850もの速さで5.56ミリNATO弾を撃ち出され、女エルフに襲いかかる。全弾を弾くことはできなかったようで肩や足、腹などに弾が数発命中した。撃たれた痛みで怯んだ隙に井上3等陸曹がホルスターから取り出した9ミリ拳銃を乱射し心臓を撃ち抜いた。数で負けている自分達はこのままだと全員殺されてしまう。そう考えた井上3等陸曹は田中に叫んだ。
「田中ッ!逃げるぞ‼︎」
89式小銃に新しいマガジンを入れた田中は後ろから追いかけて来るエルフ達に向かって発砲しながら答えた。
「了ッ!」
吹っ飛ばされた89式小銃を拾った井上3等陸曹は田中の後方から同じく追いかけて来るエルフ達に向かって発砲。
「援護する!走れッ‼︎」
「了ッ!」
魔法弾や矢が飛んでくる中を田中は走り抜ける。井上3等陸曹は剣や短刀などを持ったエルフは後にして、遠距離攻撃を仕掛けてくる奴らを主に撃ち殺していく。ある程度走って相手との距離をとった田中は走るのをやめて木に身を隠すと89式小銃を構えた。
「援護します!」
井上3等陸曹はこちらに迫り来るエルフの集団に向けて手榴弾を投げ込んだ。約3秒後に手榴弾が爆発し、周囲に飛び散った手榴弾の破片がエルフ達の身体に容赦なく突き刺さる。手榴弾が爆発したと同時に井上3等陸曹は田中のいる方へ全力で走り出した。弓や魔法で攻撃しようとしてくるエルフ達に向かって田中は発砲し相手を威嚇する。田中のいる所まで走って来た井上3等陸曹は田中の肩を叩いて走るように合図を送った。肩を叩かれた田中は撃つのをやめて走り出し、井上3等陸曹の方は89式小銃を構えて撃ちまくった。それを何度も繰り返して2人は迫り来るエルフ達から逃げていたが、何度も同じ手をくらう相手では無かった。井上3等陸曹が走っていた時、突然木の上から若い男のエルフが井上3等陸曹めがけて落ちて来たのだ。
井上3等陸曹はそのエルフに気づき89式小銃を構えようとしたが、それよりも早く若い男のエルフから攻撃を受けた。なんの攻撃を受けたのかを確認する暇もなく井上3等陸曹は頭に受けた強い衝撃で意識を手放してしまった。
「井上三曹ッ‼︎」
援護射撃をしていた田中は井上3等陸曹が倒れるのを目の前で目撃して叫んだ。咄嗟に助けようと隠れていた木の幹から出た瞬間、田中の右肩に矢が刺さった。
「うっ⁉︎」
矢の飛んで来た方向を見ると、そこには弓を構えたエルフや魔法攻撃時の姿勢でこちらを睨むエルフ達が複数人いた。後ろからドサッと言う音が聞こえたので振り返ろうとした瞬間、強い衝撃を感じて意識を失った。
午前11時55分。アメリカ空軍前線基地「フェアリー」では遂にF-15E18機とA-10AとA-10C合計25機に出撃命令が出された。エプロンに並ぶF-15EとA-10のエンジンが一斉に始動し、辺りがエンジンの轟音に包まれる。
各攻撃機達がそれぞれエプロンから指定された滑走路までタキシングして行く様子を長谷川は管制塔から見ていた。攻撃機隊の離陸準備が完了したのを確認した長谷川は全機の無線に繋ぐように指示してから無線機を手に取った。
「諸君、出撃前に少し私の話を聞いてほしい。これから君達は我々に勝ったか気でいるエルフの野郎どもを恐怖と絶望のどん底に陥れる為に出撃する。今回の戦いはベトナム戦争のようだと思う者がいるようだが、それは違う。なぜならこの戦いで我々は勝つからだ!ナパーム爆弾の生み出す紅蓮の炎でエルフも森も全て焼き払えッ!諸君らの幸運を祈る。以上だ」
俺を聞いた隊員は「YEAH!」と言って拳を天に突き上げた。
まず先にF-15E2機が一気に加速して基地から飛び立って行き、その後に続くように後続のF-15Eが次々とナパーム爆弾などを抱えたF-15E達が異世界の空に羽ばたいて行く。A-10達も次々と離陸して行き、空はあっという間に攻撃機に埋め尽くされる。
後に生き延びたエルフ達が「炎の7日間」と呼ぶエルフ殲滅戦が始まった。
次の投稿は出来るだけ早めに投稿しますので待っていてください!
次回、「紅蓮の焔」お楽しみに。
そして今回カッコいいA-10の挿絵を描いてくださった
荒瀬秀敏さん本当にありがとうございます!
荒瀬秀敏さんのpixivのURLを貼っておきます。是非見てください!
https://www.pixiv.net/member.php?id=23112469




