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13:首都での泥沼戦争

大変遅くなりました。本当にすいません。

ベルマ国首都シャラワ、5日前までここはベルマ軍との市街地戦が繰り広げられた激戦区だった。いや、今も市街地戦は続いていた。ベルマ軍の残党を中心とした「シャラワ解放軍」なるものを結成したベルマ人はベルマ軍の主力部隊が使っていた駐屯地を本部として、少ない武器と魔術師をフル活用してドイツ軍に対抗していた。最近だと道を走行していたESK ムンゴ装甲多目的トラックが右側から爆裂系魔法の攻撃を受けて横転し、トラックに乗っていた隊員とシャラワ解放軍で銃撃戦になったこともあった。なのでこの頃は輸送トラックなどには必ず護衛車両がつくようになった。今回の任務も輸送トラックの護衛だ。しかも今日の任務はいつもとは違い護衛車両が多い。この輸送トラックに何が積まれているか知らんが変にシャラワ解放軍の注目を浴びそうで嫌だな。ここはドイツ陸軍の仮設駐屯地、元々ここは教会か何かの広場らしいがよく知らん。とにかく今ここには第13装甲擲弾兵師団の第41装甲擲弾兵旅団に所属する第401装甲擲弾兵大隊と第411装甲擲弾兵大隊、そして第413戦車大隊が駐屯している。その駐屯地の正門にESK ムンゴ装甲多目的トラック2台、LAPV軽装甲車エノク2台、マルダー1A3歩兵戦闘車1両が止まっている。

「時間だ、行くぞ」

「「了解」」

部下にそう言いいながら俺は先頭車のマルダー1A3歩兵戦闘車の車体をバンバンと少し手荒に叩いてから後ろのLAPV軽装甲車エノクの助手席に乗る。5台の車両が一斉にエンジンを始動させる。G36Cを持った兵士が有刺鉄線が張り巡らされたゲートを開け、行けとハンドサインを送って来たのを確認して全車に無線で言った。

「出るぞ、全員警戒を怠るなよ」

《《了解》》

先頭のマルダーがゆっくりと動き出すとそれに続いて俺の乗るエノク、ムンゴ装甲多目的トラック2台、最後尾のエノクが動き出した。正門をでて右折するとそこは大通りにつながる真っ直ぐな道だ。ここら辺はドイツ軍が完全制圧しているから安全だが、大通りに出れば何時シャラワ解放軍に襲われてもおかしくない。

まぁ大体の場合シャラワ解放軍は剣や弓矢でしか攻撃してこないからそこまで脅威ではないが、白兵戦になったり魔術師がいたりするとこっちが一気に不利になるので舐めれない相手だ。

「隊長、あのムンゴの中身何だと思います?」

俺の横でエノクを運転する俺の部下で何時も喋り相手になってくれるトーマス伍長が聞いてきた。

「さぁな。武器弾薬を運んでいるわけではなさそうだな」

トーマス伍長は目の前を走るマルダー歩兵戦闘車を見ながら言った。

「2.5キロ先にあるミュンスターランド部隊の駐屯地にトラックを連れて行くのに普通マルダー使います?」

第15中型輸送ヘリコプター連隊「ミュンスターランド」のいる駐屯地にまでこのトラックを護衛するのが今回の任務だ。ただ、ミュンスターランド部隊の駐屯地に行くにはどうしてもアマッタラダ地区付近を通ることになる。アマッタラダ地区はシャラワ解放軍に襲われる可能性が高いと言われる所で、ここで死んだ隊員も少なくない。

「アマッタラダを通るからじゃないのか?」

「かもしれないですねぇ〜。最近シャラワ解放軍の動きが活発になってきましたし。ま、1つ言えることはいつもよりは安心して行けるってことですね」

たとえ魔術師が出てきてもマルダーの30mm機関砲で肉塊にしてくれるだろう。

「でもやっぱりあのムンゴの中身が気になる・・・」

「お前は何時も色んな事を気にし過ぎだ」

「気にし過ぎるくらいで丁度いいんですよ。戦場なら尚更です」

車列は市街地の奥へと進んで行く。奥に進むにつれてシャラワ解放軍に襲われる確率も上がっていく。時折、一般市民が車列に向かって石や壊れた家具などを投げつけて来たので空に向かってP8自動拳銃を撃ったら蜘蛛の子を散らすように逃げて行った。そんなことをしながら市街地内を走ること10分、目的地まであと少しのところまで来た。

「今日は運が良いみだな。ここまでシャラワ解放軍に会っていない」

問題のアマッタラダ地区も市民から石などを投げつけたりされただけで特に何も起きなかった。

「逆に不安になりますね・・・ん?」

トーマス伍長と話していると突然前を走るマルダーが停車した。それに合わせて全車停車する。俺は車に備え付けてある無線機を手に取るとマルダーの車長に繋いだ。

「どうした」

マルダーの車長からすぐに返事が来た。

《前方の道を塞ぐように障害物があります》

「障害物?」

《馬車の荷台です》

俺は今までの経験でこれはマズイと思いすぐさま指示を出した。

「それはシャラワ解放軍が俺達を足止めする為の罠だ!突破しろ!」

《了解》

マルダーのエンジンが唸り声を上げ、マルダーが一気に加速して前方の荷台に突撃。木製の荷台に歩兵戦闘車であるマルダーを止めれるわけもなく、メキメキと音を立てながら踏み潰された。そして俺の乗るエノクが潰されてバラバラになった荷台の上を通ろうとした時、後方から爆発音が聞こえて来た。

《ムンゴ2号車被弾!右後輪破損、走行不能!》

「チッやはり来たかッ!敵の位置は⁉︎」

俺が部下に聞いた瞬間、右側の建物から剣や短刀、斧を持った奴らが叫び声を上げながら突撃して来た。

「3時の方向!シャラワ解放軍だ!」

俺はエノクから降りてG36A2を構え、走行不能になったムンゴに群がるシャラワ解放軍の奴らに発砲。鎧さえ着ていない人が多いシャラワ解放軍兵士達はG36の5.56mmNATO弾を食らってまるでドミノ倒しのようにバタバタと倒れていく。トーマス伍長の運転するエノクが凄い勢いでこちらにバックして来ると車体の上に搭載しているMG3A1を装備した遠隔操作式無人銃架(RWS)を使って敵兵をなぎ倒していく。

「こいつらは俺達が相手をする。エノク2号車とマルダーはそのままムンゴを目的地まで届けろ!」

《了解、すぐに増援を向かわせます。待っていてください!》

マルダーはすぐさま急発進すると迫り来る敵兵を轢き殺しながら包囲網を突破する。その後をムンゴとエノクが続く。逃げたムンゴを追おうと馬に乗ろうとしている奴を見つけ、俺はそいつの背中に鉛玉をぶち込んだ。既に馬に乗って走り出している奴にも銃口を向け、発砲。敵兵は血を流しながら落馬した。走行不能になったムンゴの方を見ると敵がムンゴに乗り込もうと強引に荷台のドアを開けようとしていた。ムンゴの運転手がムンゴから降りて護身用に装備していたMP5Kで周辺の敵兵を撃ち殺していく。助手席に座っていた兵士もムンゴから降りて近づいて来る敵兵にP8自動拳銃で応戦する。相手が剣や短刀などを持っているのを除けばゾンビ映画のワンシーンのような状況だ。

「アロイス曹長!援護を頼む!」

「言われなくとも!」

俺はムンゴの運転手に言われるより前に援護に向かっていた。なので運転手が援護を要請した時に俺は既に彼の隣に立ってG36A2で攻撃していた。

「エノクに荷物を載せてさっさとここから離脱するぞ!」

G36A2のマガジンを交換しながら残りのマガジンが2つなのを見てそう言った。運転手の使っているMP5Kも護身用として装備していただけなので予備マガジンは多くない、助手席に座っていた兵士も同じだ。俺はG36A2のセーフティーレバーを連射から単発に変更し、1発ずつ撃つ。

「トーマス!エノクに荷物を載せる。こっちまで来てくれ!」

《了解!》

トーマス伍長の返事が無線機から聞こえてくるのと同時に、RWSに搭載されたMG3A1で押し寄せてくる敵兵を薙ぎ払っていたエノクが後ろに急発進。バックしながら俺達のいる所に来た。近くにいた敵兵を跳ね飛ばしてエノクは停止。そして俺達に近づいてくる敵兵をRWSに搭載されたMG3A1でバタバタと倒していく。そのうちに弾切れ寸前の俺達は走行不能なったムンゴの荷台に近づき、外開き式のドアを開けた。

「っ・・・」

表情には出さなかったが俺な内心かなり驚いていた。荷台に積まれていた荷物は物だとばかり思っていたのだが、違った。積まれていたのは薄汚れた白色のワンピースのような服を着た20歳くらいの若い女だった。

しかもこいつ・・・亜人か。よく見ると頭の上から髪の色と同じ栗色の獣耳が生えており、狼のようなフサフサとした尻尾もある。噂で聞いたが、ドイツかイギリスにある特殊な研究機関が魔法使いやこういった亜人などの普通ではない人間達を集めているそうだ。そこで捕まえられた亜人などは様々な実験をされるとかどうとか・・・。どんな実験をするか知らないが、ロクなこと無いだろうな。俺は女の手に掛けられた手錠を掴んで外に引っ張り出し、MG3を撃ちまくっているエノクの後部座席に押し込むと、俺達もエノクに乗り込む。

「出せ!」

「了解!」

トーマス伍長がアクセルを踏み込み、エノクが急発進する。車体に矢などが次々と当たるが、エノクの装甲は至近距離(30m)から7.62×39mm徹甲弾を撃たれても効かないので矢ごときに貫通させることなど不可能だった。

「馬に乗って追っかけて来ましたよ⁉︎」

「チッしつこい野郎どもだ」

俺はRSWを操作して、追いかけて来ている奴らに照準を合わせた。

「食らえッ!」

毎分1000発の速さで7.62×51mmNATO弾が撃ち出され、一瞬で馬と馬に乗っていた人は穴だらけになった。銃口を右から左にずらし、隣を走っていた奴も同じく大口径弾のシャワーを浴びせる。

「ハッハー!全員エメンタールチーズにしてやる!」

銃口を左に右にと振り回し追いかけて来る奴らを薙ぎ倒していると、いきなり弾が出なくなってしまった。

あ、そうだった。さっきトーマス伍長がこれを撃ちまくっていたからもう弾が残っていないんだった。俺は窓から身を乗り出して残り少ない弾を大切にしながらG36A2を構えてセミオートで発砲。ムンゴの運転手達もMP5KやP8で後ろの奴らに向かって撃つがまず連射速度の速いMP5Kの弾が尽きた。次に予備マガジンがそんなに無かったP8自動拳銃も敵兵を1人倒してから弾切れになってしまった。

「トーマス!お前のG36貸せ!」

そう言って俺はトーマス伍長から許可を得る前にトーマス伍長のG36A2を手に取って弾切れになったMP5Kの代わりにムンゴの運転手に渡した。バンバンバン!と2人で追ってを片付けていく。と、後ろの奴らに気を取られているうちに、右側の建物から敵兵が2人飛び降りて来た。1人は失敗して硬い地面の上に落ちてしまったが、もう1人は窓から身を乗り出して撃っていた俺に飛び付いて来た。

「クッ・・!・・・こいつッ!」

俺は何とは敵兵を振り落とそうとするが、敵はなかなか落ちない。このままでは殺されてしまう!そう思った俺はG36を手放してホルスターからP8自動拳銃を取り出し、0距離から敵の腹に撃てるだけ撃ち込んだ。敵は口から血を吐き出すと、時速約30キロで走るエノクから地面に落ちて行った。俺は顔に着いた敵の返り血を拭き取ると車外に落としてしまったG36の方を見て小さく舌打ちをした。

《待たせたなぁ、白馬の王子さまのご到着だ!》

無線機からそんな声が聞こえてくるのと同時に、空から空気を叩くような規則的な音が聞こえて来た。しかもそれは急速に近づいて来る。

「イロコイだ!」

トーマス伍長がエノクの進行方向を指す。そこには左右のキャビンにM134ミニガンを搭載したUH-1Dが左側面をこちらに向けて道の上でホバリングしていた。

ホバリングするイロコイの下を俺達の乗るエノクが通過すると同時にイロコイの左側に搭載されたミニガンがエノクを追いかける敵に向かって火を吹いた。ブォォォォォッ!と毎分5000発と言う速度で7.62×51mmNATO弾が撃ち出されていき、あっという間に大量の肉片を作り出した。たった5秒ほどで勝負はついた。道に残るのは大量の血と肉片だけだった。



内容薄っぺらくてすいません。そして今回は報告があります。これから色々とリアルが忙しくなってくるので投稿スペースが大幅に遅れる可能性があらます。でも失踪は絶対にしないので、次回作まで待っていてください。

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