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5話高位治療師

今回も明日もう一話投稿予定です

 今日外は雨が降っているみたい。私は寝たままなので、カーテンの閉まった窓からは外が見れないの。このお部屋は、外の音が全く入ってこない。たまにお姉さんが空気の入れ替えのために窓を開けると、急に外の音が入ってきてビックリするぐらいだよ。そんな時は、鳥の鳴き声や風の音や木が騒めく音がするの。廊下側はよーく耳を澄ませば人の歩く音や声は少し聞こえるけど、基本とっても静なお家のようなので、閉じ籠っているとお部屋の中に居る人の息遣いしか聞こえない。

 だから、雨が降っていても全く気が付かなかった。お昼ご飯を食べさせてもらってから、絵本を持ってきてくれたお姉さんに天気の事を聞いて初めて知ったんだから。

 そんな雨の日に私の治療のためにお医者さんがやってきた。お医者さんは治療師と言うんだって。私を診てくれるのは高位治療師と言うとても数が少ない偉いお医者さんらしいよ。


「こんにちは、%&%78。4#%&’765$、大丈夫かい?」


 やってきたのは腰が曲がった小柄なお婆ちゃんだった。白髪の長い髪を頭の上で束ねているしわくちゃのお婆ちゃん。黄色い白衣?マント?を着てた。お医者さんは白いと思っていたけど、治療師さんは黄色いんだね。


「エリナ、うごけにゃいの」

「そりゃ$%%7%&’%。まだまだ$%&46おらんからね。<>?%$%&$’、$%$するよ。」


 まだ、何を言っているのか分からないから、私はポーと何をするのか眺めていようっと。治療師のお婆ちゃんは私にかけてあったお布団をどけて、ネグリジェを脱がして、包帯も全部取ってしまった。私の痛いところが分かっているのか、我慢できる痛みで済んだよ。すごいね。でも、下着だけになっちゃったのは恥ずかしいな。動けないから逃げられないだよ。うえーん。


「(%$’&’)%%。$#’&%$&’(%&)&’%&(65Fytf。%$$%&&%#’$#$」


 お婆ちゃんは私の傷に触れないように手をかざすと、小さい声でブツブツ何か言っていた。すると優しい光が私の身体全体を包み込んでしまった。


「うわ!!」

「ほれ、%(%&(($$じゃ。今日の$%#$終わりじゃよ。&’%(%&$%&?<」


 びっくりしている内に、気付くといつの間にか新しい包帯が巻かれ、ネグリジェも着せられていた。

 ここに来てから10日ぐらい経つけど、一度もお風呂にも入っていなかったのでちょっと体がべとべとして気持ち悪かったの。けど、治療が終わったらすごくさっぱりしているだよ。なんでだろう。


「もう、%$<>&%$#()|~=じゃから、体を拭いて%&#$&”#’(%’&%」


 治療師のお婆ちゃんは侍女のお姉さんと何か話してから帰ってしまった。あれ、そういえば、包帯を巻くときやネグリジェを着る時は脱ぐ時より痛くなかったな。

 そう思って、もしかしてと体を起こそうとしたら、やっぱり激痛が走って、暫らく息が出来なかったよ。い・痛いよ。まだ、治ってないんだね。残念。うう~。


「お嬢様、今日は%$%&$%$しましょう」

「?な~に?よくわからにゃい」


 治療師のお婆ちゃんが来た数日後、朝食を食べさせてもらっている時に、侍女のお姉さんが何か予定を話してくれたけど、まだ何を言っているのか分からない。お勉強頑張ってるんだけどな。覚えたと思っても、すぐ忘れちゃうの。早くおしゃべりしたいよ。

 そしたら食後のお勉強の時にお爺さんが教えてくれた。


「傷口がかなり塞がったから、今日から時々体を拭いて綺麗にしようか」

「きりぇい?」

「そうそう。アンとトロアがエリナの身体を綺麗に拭いてくれるからね。いい子にしているんだよ」


 そうそう、私の世話をいつもしてくれるお姉さんはお爺さんのお家で雇われている侍女さんだって。私の世話をするために2人もつけてくれているの。2人の侍女さんはアンとトロワという名前のお姉さんたちで、アンが15才でトロワが18才って言っていた。アンもトロワもとっても綺麗なんだけど、アンの方はかなり童顔で金髪が綺麗なの。トロワは逆にキリッと目筋が鋭い感じで、茶色い髪が長いお姉さんなの。それと、アンの方がおっぱいが大きくて、抱っこされると柔らくて気持ちがよかった。トロアが固いわけじゃないよ。トロアもとっても優しいよ。

 侍女さんは他にも沢山いるんだって。その中でも優秀な人をお爺さんが選んでくれたの。最初、名前を教えてもらった時に、アンさんって読んだら、呼び捨てにしてくださいって言われちゃった。なんか、侍女の名前を呼ぶときに”さん”ってつけたらイケないんだって。でも、お姉さんをお姉と呼んだり、お婆さんやお爺さんをお婆とかお爺と呼んじゃダメなんだって。難しいな。

 今日はお昼ご飯の後に二人が私の身体を拭いてくれるみたい。毎日のようにトイレの世話からごはんをお口まで運ぶのまでやってくれているので、恥ずかしいけど、もうあきらめている。いつも2人共ニコニコして私の世話をしてくれるので感謝しているよ。

 

「お嬢様、$&%$)始めますね」


 トロワが傷を避けるように抱いて、アンは私が着ているネグリジェと下着を取り去り、包帯も取ってしまった。スッポンポンにされるとやっぱり恥ずかしいので、私はいつも目をぎゅっと瞑っているの。今動くのは頭と左手だけで、動かすときはゆっくりでないと痛くなる。右手も少し動かせるけど激痛が怖いので動かしたくない。下半身はなぜか全く思い通りに動かない。触られても分からないから痛くもないので怖くはないよ。でも全く思い通りにならないから変な感じ。早く治らないかな。

 ぬるま湯につけてから絞ったタオルでアンがゆっくりと体を拭いていく。右側には大きな傷跡がいくつもあるので、ほとんど拭かれなかったけど、それでもさっぱりして気持ちがいいよ。新しい包帯で傷を巻いて、下着もネグリジェも綺麗なものと交換してからトロアがベットに戻してくれた。


「あん、とろあ、ありがちょうごじゃいまう」

「ふふ、どういたしまして、お嬢様」

「痛くな$%#&)$%?お嬢様」


 アンが何を言っているのかよく分からなかったけど、たぶん痛くなかったか聞いたんだよね。


「だいじょうぶだよ。きもちよくなったよ」

「それはようございました」


 ちょっとずつ、お爺さん以外の人ともお話ができるようになってきたので、とっても嬉しい。もっとお勉強がんばろう。



リーセ「解説でーす」

フェリオー「なんか辛気臭い話が続くわね」

リーセ「1章は闘病生活が続くからね」

フェリオー「2章はあるの?」

リーセ「え?・・・・・・。」

フェリオー「ちょっと!!」

リーセ「大丈夫。・・・たぶん」

フェリオー「だから、あなたのフォローはフォローにならない!」

リーセ「ちなみに作者はハッピーエンドが好きです」

フェリオー「あっそう。いいわ。調べて裏話としてまた暴露してやる!」

リーセ「え!」

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