表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/383

2話お爺様との出会い

 その後の記憶は非常に曖昧で、とぎれとぎれだよ。

 まず激痛で目を覚ましたの。


「い・・よ。いた・よ。いたいよ」


 熱がある時みたいに、意識がボンヤリとしていた。意識がもどる前からうわ言の様に痛みを訴えていたみたい。少しでも体を動かすと耐えがたい痛みが頭に直接響いてくる。息をするだけでもとても痛いよ。

 それでも何とか目を開けると、どうやら誰かに抱えられているみたい。視界がはっきりしないけど、誰かか私を覗きこんでいるよ。


「・・・た・しゅけ・て」

「ゆっくり、これを飲むんだ」


 口の横からドロッとした液体を流し込まれた。ゆっくりだったので、何とかむせずに飲み込むことができた。味はよく分からない。


「治療師の所まで移動しなければこれ以上の治療は出来ない。それまで、応急手当しかできないから、眠っていなさい。その薬でだんだん眠くなるから。」

「・・・・・・・」


 いつの間にか眠っていたみたい。気が付くと、誰かに抱えられて、移動していた。上下の激しい振動と痛みで目が覚めた。布に包まれて、お膝に抱えられているのかな。布の隙間から見えるのは、青空と髭を生やした厳ついお爺さんだった。左手で私を支え、右手にロープを握っている。手綱かな?動物に乗って移動しているのかもしれない。

 動かせるのは目蓋だけだった。瞬きしようと目蓋を閉じると、また、気を失ってしまったみたい。


 次に目蓋を開けると状況が変わっていた。

 私は布団の中にいた。意識はかなりはっきりしているよ。目を開けると布団の横に誰かがいるみたい。体を動かそうとすると、激痛が走った。


「ふぐ!!あうう」

「#$%(’$%&)&’、?」

「あう。・・・だ~れ?」

「$&%$’))()!”#$%&)&’、’&%”$%&XCVBNM<>。」

「・・・・・」


 何を言っているのか分からないよ。

 

「$%?>)(%#)(’&。」

「?」


 首を傾げようとしたら、また激痛が全身にはしった。頭が痛くて目の奥がチカチカする。


「ひぐ!!・・痛いよ。動けないよ。ふええ」


 あまりに痛いので、怖くなってきたの。目だけを声のする方に向けるけど、視界には入ってこないよ。


「}*+{‘RTY$%&(’&)IOPよ」


 女の人の声だった。ベットの端から心配そうな顔をして覗きこんできたので、やっとどんな人か見ることができたよ。

 綺麗な大人のお姉さんだった。お姉さんは、私に何か声をかけると、そのまま部屋から出ていってしまったみたい。どこ行っちゃったんだろう。

 動くと痛いので、おとなしく寝たまま、ボーと天井を眺める。


「・・・・・」

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・」


 誰も来ないので、すこし不安になってきたよ。これからどうしよう。

 あの森で、気付いてから、頭がボンヤリしていて、あまり思考がさだまらなかったけど、今はずいぶん意識がはっきりしている気がするな。今なら、もう少し色々考えられそうかも。どうしたらいいのか、まだ分からないけど、今の自分がどういう状況なのか、もう一度思い出そうとしてみよう。

 えっと、私はエリナ=パーソン。3才。女の子。うん、覚えてる覚えてる。何か大事なことをするために、あの森にいたんだよね。何だったかな?それ以前の記憶は断片的にしか思い出せないな。頭の中にいろいろ答えがそろっているはずなのに、うまく引き出せないようなそんな感じだよ。たまに、難しい言葉が思い浮かんでくるけど理解できなかったり、理解できるのに言葉が見つからなかったりする。うまく言えないけど変なの。

 あ・・・、そういえば大きな本を持っていたけど、森の中に置いてきてしまったな。本以外にも何か抱えていたと思ったけど、気付いた時には持っていなかったような。

 ・・・・・でも、それを持っていないということは、私は切り離されてしまったんだ。

 ふいにそう思った。

 何から切り離されたのか分からないけど、とてもホッとしたと同時に、寂しくなった。これから私は一人で生きていかないといけないんだと、なぜか実感した。そのことに不安はあるけど、今は怖くないかな。


 ガチャ


 部屋の扉が開いて、誰かが入ってきたみたい。

 ベットの横までやってきたのは、さっきのお姉さんともう一人。私を抱えて運んでくれていたお爺さんかな?ベットに腰を下ろして私を見下ろしてきた。


 「まだ、辛いだろうから、そのままでいなさい。こんな小さい子供に話してもよく分からないだろうが、少し落ち着いたら、君が誰なのか話しておくれ」


 お爺さんはニッコリ笑ってそう言った。よかった、お爺さんの言葉は分かるよ。


「なに、心配しないでも、最後まで面倒みてあげるからね。安心しなさい」

「おじいしゃん、だ~れ?」

「ん?私はクーガ=ドレイク=アンリューク=バリュッシュだ。お嬢ちゃんのお名前は?」

「・・・エリナ=パーソン」

「ほう。エリナか。貴族名があるのなら、親御さんも見つかるかもしれんな?」


 貴族名?苗字のことかな?


「ミーシャ。貴族名パーソン氏で調べてみてくれ」

「”#%。)’&%&$M?LIUHG。」


 お爺さんがお姉さんに話しかけると、お姉さんは意味の分からない言葉で返事をしていた。それからお姉さんは、部屋から出て行ってしまった。


「エリナは何歳か答えられるかね?」

「みっつ」

「三歳か。お父さんかお母さんはどこにいるか分かるかい?」

「・・・・・」


 お父さん?お母さん?・・・私にそんな人はいただろうか?


「分からないかな?どうしてあんな森の中にいたのか話してくれるかい?」

「・・・・・。わかんない」

「そうか。そうだね。なに分からなくても心配いらないから、今は治療に専念しなさい」

「せんねん?」

「ああそうだよ。まだ体が痛いだろう?」

「・・・うん。いたいの。うごかないの」

「ああ、無理して動かそうとしないでいいから。お前さんの傷は非常に深くてな、本当に生きているのが不思議なくらいっだったのだよ」

「・・・・・」

「そんなに不安そうな顔をしなさんな。大丈夫。必ず治してあげるから」

「・・・おじいしゃんが、お父さん?」


 私は聞いてみた。私の知っている”お父さん”とは、無条件で私に優しくしてくれる男の人だったように思ったから。


「はは、私はお父さんではないよ。でも、もしお父さんが見つからなくても・・・・・、いや、なんでもない。さ、何か食べれそうなら、スープでも持ってこようね。お腹は空いているかい?」


 そういえば、森の中から今まで水以外に何も口にしていない。今はお腹は減っていないけど、何か飲みたかった。


「おのどがかわいたの」

「おお、そうか。待っていなさい。飲み物と食べ物を持ってこさせよう」


 お爺さんは、ベットの横の棚からベルを出してきて鳴らすと、すぐにさっきとは別のお姉さんがやってきた。お爺さんが要件を言うと、また出て行って、スープと水を持ってきてくれた。

 体を起こそうとすると、また激痛がはしった。動かさなければ、それほど辛くはないけど、少しでも右半身を動かそうとすると、激痛がはしるよ。


「あうう」


 ちょっと涙がでた。


「=)(’&$%(。_?+LKJ$%&’(IJPOJNYTFGHUH。」

「?」


 やっぱり意味が分からない言葉で何かを話しかけてけてから、お姉さんがコップを口元まで持ってきてくれる。水を飲まそうとしてくれているのかな?横になったままだと飲みにくいけどしかたないや。ゆっくり、口の端から入ってくるお水を少しずつ飲んだ。川の水みたいに冷たくはなかったけど、喉のイガイガが流れるようですっきりしたの。

 その後、スープも飲ませてくれたけど、スプーンに2匙で、飲めなくなってしまった。味がよく分からないな。

 食事中も、お爺さんはそばにいてくれたの。その時、私にも分かるように話してくれた事によると、私を襲ってきたオオカミモドキはシャークギルという魔獣らしいよ。オオカミなのにサメなんだね。・・・・・サメってなんだっけ?魔獣って動物?

 お爺さんは、あの森で増えすぎた魔獣を間引くために、お友達と探索をしていたところ偶然襲われている私に気づいて、助けてくれたんだって。

 食事も終わると、だんだん眠くなってきたな。けどお爺さんはお話を続けてくれる。わたしはお爺さんのお話を子守歌の様にきいた。ふああ~。

 私が本当に重傷で、手持ちの治療薬では止血が精一杯だったこと。痛みを少しでも取り除くため、睡眠効果のある薬を飲ませたこと。昼夜を問わず私を運んでくれたこと。この時は、もう朝まで私はもたないと考えていたんだって。それでも低位の治癒魔術と低級治療魔法薬で、何とか保たせながら王都までもどり、高位治療師に治療させて、今に至るらしい。それでも命を取り留めるのがやっとで、傷の完治には至らなかったんだって。魔術?魔法薬?魔法ってなんだっけ?

 後半はほとんど微睡の中で聞いていたので、次の日、目が覚めた時にはほとんど忘れてしまっていたの。


リーセ「引き続き解説でーす」

フェリオー「・・・・・・」

リーセ「この物語エリナちゃんの一人称だから、なんだか全然話が分からないね」

フェリオー「・・・・・・」

リーセ「作者の文章がつたないから、丁度いいわね」

フェリオー「・・・・・・」

リーセ「作者の文章が3才児並ってことで許してね」

フェリオー「・・・・・・」

リーセ「それじゃー今日のここまででーす」

フェリオー「やっぱり、解説になってないよ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ