出来るものなら遣っております
現在、俺を拉致った金髪くしゅくしゅで金色虹彩の活発そうな美女NPCと、夜の海みたいな青い目と空みたいな青髪を腰まで伸ばした落ち着いた雰囲気の兄ちゃんNPCと、短髪の紅髪と赤目で眉間に皺を寄せてて、超難しい顔をしているお婆ちゃんNPCに囲まれて座っています。正座です。
スピーカーも何個かあって、その一つからはお馴染みの天の声さんの声も聞こえた。
『落ち着いて聞いてください』
天の声さんが重々しい雰囲気を出している。声だけだけど。
とりあえず「今いるた」よりは落ち着いていると思うので大丈夫だと答える。
どうやら俺以外にも座標ズレの人が出始めていたらしい。
システムというか、お上的にはバグを見つけようと躍起になっていたらしいが、座標ズレメンの一人の寝相が極端に悪くなったらしい。
もう起きているとしか思えないほどの暴れっぷりだったそうな。で、その寝相とキャラズレ日がかぶると思っていたら、いたらですよ、奥さん?
昨日、その寝てる人のキャラとゲーム内キャラの動きが連動していたらしい。
つまりですよ? ゲームしておらず寝てるだけなのにゲーム内キャラが勝手に動いているホラー。
理解した俺の反応は「アニメ展開キタ!(ガタン」でとりあえず立ち上がってみた。
すごい勢いで座りなおさせられた。
で、ゲーム内キャラが動いている間は目覚めない奴がいて、完全にヤベーってなって、あたふたしてたら、順次起きたらしい。よかったね。俺以外。
俺以外?
起きたと思っていた俺の正面に鏡が設置された!
そこに映ったのは、自作で力作のちょいイケメンだった!
そういえばディスプレイが無いと気づき俺は頭をかかえた!テッテテレレレー。
『我々も全力でサポート致しますので、起きていただけないでしょうか?』
「できたらやってるわい!」