騒動の後~もらしません~
トイレを無事に済ませ、めっそ腹いっぱいに食って寝て、落ち着いたところでお役所方面から説明があった。
ゲーム世界には驚愕の精度を持つ嘘発見器があるらしい。
で、役所の上層部も知らない間に試験されてたそうで目出度くゲーム世界から選ばれたと。省庁で社長に匹敵する人たちはいいのかと聞きたかったが、大人なので頑張ってスルーした。
当初は予算がないと渋ったらしいが、素敵テクノロジーで予算問題は解決して貰ったとか。具体的には教えてくれなかった。ケチー。
この一連の事業は、異文化交流懇談会という国家プロジェクトらしく本命のテスターは別に居るらしい。居るらしいのだが、おいらも是非本命テスターになっていただきたいと目の前に小切手を置かれた。ドーン。
危うく自分の顔が劇画タッチになるところだった。
ついでにセキュリティばっちりのマンションを1棟貰えるらしい。なんという囲い込み。ドドーン。
いやいやいやいや。
この仕事続けてたら結局家に帰れないし、それにペットとか飼ってみたいじゃないか!
三度も騙されないぜ!と言ってみたのだが、この仕事部屋にペット置いていいと、犬でも猫でも梟でもどんとこいとにこやかに宣言されてしまった。
この事業の話を洩らさないと約束できるなら、今より自由にできるらしい。家帰ったりとか某電気街に行ったりだとか!
「トリップと呼んでいらっしゃる現象ですが、原因は特定できたそうです。今後は自由にあちらとこちらを行き来できるそうなのですが、前提としてストレス耐性が高い人でないと難しいらしく、是非とも素晴らしい適性をお持ちの貴方にお願いできませんでしょうか?」
ドドドドーン。くそう、異世界め、魔法ライフめ!
「・・・・・・私はゲームが趣味なんですが、趣味は趣味のままが良いですね。趣味が仕事って結構辛いのですね」
微妙な言い回しに相手は首をかしげたが、天の声さんは解ったみたいで、天井から継続のお礼が聞こえてきた。
さすが長い付き合いの天の声さん! 以心伝心ですね!
そしてメタ意識がバリバリ文句を言っております。
ハハハハハ。好奇心に勝てませんでしたよ。
今後は公務員になるみたいです。




