状況説明しました。9
「これからどうすればいいだろう」
「とりあえず家帰ってオナニーだろうよ」
サツキはナギサの手を取りがっちり握手する。
「分かってるな!俺は自分の体のことが気になって頭がいっぱいだ」
「そうだろう」
「じゃあそういうことだから。すみのん帰るよー」
サツキは人の家のソファでうたた寝かまし始めた天使に、最悪のタイミングを狙いすまし声をかける。
すこぶる機嫌の悪そうな顔でこちらに睨みをきかせ、目を擦りながらとぼとぼ歩いてくる。
低血圧かな?
「やっぱナギサだわ。これからも今までどおりよろしく頼むよ」
「当たり前だろ。じゃあな」
サツキが玄関に背を向けたのを見届け、ナギサはドアを閉め静かに鍵をかける。
非常識な二人がいなくなり、家中を静寂が支配する。
はぁ…とため息が一つ漏れ出し、もたれかかるように壁に背を預け、何を捉えるわけでもなく宙を見つめ冷静を探す。
「今までどおりは無理だろ…」
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「はぁ…ひとまず山を超えたな…。さて」
この世で1番見慣れた空間に、まだまだ見慣れない自分が見慣れない生物を引き連れて無事ご帰宅。
やることは一つ。
お待ちかね、オナニーです。
そう、女の体でオナニーです。
「ほんと気持ち悪いなー」
「おい天使、心を読むな心を」
「気持ち悪い以外の感想出てこないよ」
「褒め言葉として頂いておく!」
勢いそのままに服を脱ごうと試みる。
が、脱ぎ方がわからない。
なんだこの服は…。
天使が俺の寝ている間に仕立てたワンピースをどのように着せ替えたのか、まるでヒントもないので分かりようがない。
前にボタンはないし、首元から引っ張るべきなのか?
挑戦してはみるものの、これがなかなかどうして難しい。
男の体がいかに平坦であるかを痛感させられる。
胸のあたりがまず引っかかる。
そして長い髪の毛がこれまた邪魔をしてくる。
だがそうも言っていられない。
俺はいち早くオナニーしたいんだ。
早くオナニーがしたいんだ!!!
うおおおおおおお!!!
「それ後ろにチャックあるよー」
「はやく言えええええええええ!!!」




