状況説明しました。6
「いや、お前がちょろいだけか」
サツキは呆れ顔でぼそっと呟く。
「おいせっかく人がいい感じでテンション上がってるというのに何なんだ君は」
息継ぎもせず矢継ぎ早に言葉を繰り出す。
なんとも気持ちが悪い。
「中身俺だぞ?」
「人間考えていることと行動は必ずしも同じではないんだ。当然分かっているよそんなこと。でもそんな可愛い声で可愛い容姿で言われてしまえば麻痺だってするよ」
そうかもしれない。
「確かにな。俺が間違っていたよ」
「そうだろうそうだろう。だからおっぱい触らせて」
「あーうん。いいよ」
「いいんかい!!!」
ナギサは超高校生級の渾身のツッコミをする。
壁にヒビはいるか指の骨にヒビはいるかの瀬戸際くらいの勢いで右手の甲を壁に叩きつける。
痛い、あれは間違いなく痛い。
「痛い」
案の定。
「だろうな…」
少々涙目気味のナギサに憐憫の情を送る。
で、とツッコミ前へ戻すことにする。
「ほら、触っていいぞ。その右手で」
「ま、まじかよ…。いてっ!」
禁忌の行為を突然許され全身の力が抜け、自由落下した手のひらが壁に衝突していた。
敢えて右手を指定する鬼畜さにも気づいていないようだ。
「まあ俺も男…元男だし気持ちは分かるからな。俺はもはやいつでも楽しめてしまうしな」
「ならばお言葉に甘えてっ!」
そう言い放ちナギサはサツキのおっぱいに勢い良く掴みかかる。
反射で一歩退いてしまったサツキ。
「必死か。負傷している右手でなりふり構わずとか」
「だって触ったことないんだもん」
「なるほど」
ナギサと話していて全く気付かなかったが、いつの間にか天使が勝手に人の家のリビングに入り、人の家のソファでゴロゴロしながら人の家の漫画を読んでいるのが視界の隅に映っていた。
ものすごい寛ぎっぷりであることはとりあえず足元に置いておこう。
「どうだよ、感想は」
ナギサの心音がバスドラを踏込んでいるのかと間違えるくらいに聞こえてくる。




