状況説明しました。4
「くっ…なんなんだよこいつ!」
自分が悪いことを理解しつつも、あまりの痛さにやり場のない怒りをぶつけるしかないナギサ。
ほとんど怒らないナギサがああだ。
相当痛かったんだろうな。
「だから天使だってさっきから言ってるじゃん!」
天使もほっぺを膨らませてぷんぷんしている。
「天使ってマジだったのかよ…。ってことはサツキを女にしたのはお前か?」
「そうだよー」
「なるほど」
天使はまだほっぺを膨らませてぷんぷんしている。
それにしてもナギサ、状況の飲み込み早すぎやしないか?
「ふぅ…」
ナギサは痛みが一段落ついたのか、おもむろにサツキに近づく。
「誕生日は?」
「え?」
「お前の誕生日だよ。いつだ?」
なるほど、一応本物かの確認だな。
受けて立とう。
「1月28日」
「血液型は?」
「B型」
「初恋の人は?」
「ポケモンのエリカ」
「うわ」
テンポよく交わしていた質疑応答が、ナギサのドン引きにより中断された。
「お前のショートカット好きの原点そこだったのかよ」
「おいやめろ」
流れに乗りすぎてつい口走っちまった。
「な、何が悪いんだよ!いいだろ別に!あの母性に溢れた仕草に幼心を鷲掴みされたんだよ!て言うか、答えを知らないこと聞いてどうすんだよ。それじゃあ確認にならないだろうが!」
「いや、もうだいたい分かったわ。お前はサツキだよ」
「今ので納得されると凄く後味悪いんだけれども」
ナギサは憐れみに満ちた表情でサツキの肩に手をかける。
俺の肩も150℃くらいになってればよかったのに。




