女の子になりました。6
「ほんと…?」
僅かに瞳を滲ませながら、上目遣いでみてくる。
よくよく見ると、身長が縮んだサツキでも見下ろせるほどの小さな体だ。
「あ、うん!そのくらい全然いいよ!うーんと…」
悩むサツキを今度は瞳をきらきらさせ、上目遣いでみてくる。
期待に胸を膨らませても、カップ数は変わらない無情さを体現するスミノフちゃん可愛い。
と、サツキの頭を一瞬過ぎったが、天使に思考を読まれまいと真剣にひたすらに愛称を考え、かき消す。
えーと、さっきフが嫌って言ってたから…。
「すみのんとかどう…かな?」
「すみのん…」
あれ?
お気に召さなかったのかな。
自分としてはなかなかの出来栄えだったのに。
「可愛い…可愛いよすみのん!」
お気に召していた。
「よ、よかった!気に入ったようで!」
「大どんでん返しだよー!最後の一文字でこんなに変わるなんて!」
「すみのん!すみのん!」
「サツキ!サツキ!」
何とか盛り上げて気を落とさせないよう必死なサツキ。
乗せられまくってはしゃぎまわるすみのん。
「さてさてー!最高の愛称が誕生したということで、そろそろ閑話休題するねー」
天使が巧みに本題をきりだす。
「何の話ししてたんだっけ?」
「ちょっと待って、記憶追ってみる」
あるある。
「確か、オプションがどうとか…」
「それだー!それで記憶を残す人決めたんだったー。思い出した思い出した!あーすっきり」
3日ぶりのお風呂からあがったかのようなすっきり顔の天使。
「そうだよ!あいつに報告しに行かなきゃ!すみのん早く行くぞ!」
「おっけー!」
サツキは、天使がぐーっと親指を上げた方と逆の手を引っ張りナギサの家に向かった。




