死んでるのか生きてるのか
私、死んだのかな。
体が冷たい。寒い。
心臓が動いていない。
いつまで経ってもお迎えが来ないから目を開けた。開いた。
いつの間にやらお迎えとやらが来ていたみたいだ。
ここは天国か地獄か。
首だけを動かして辺りの様子を見てみた。
「……」
首だけを動かして辺りの様子を見てみた。
「いやいやいやいや」
首だけを動かして辺りの様子を見てみた。
大事な事だったので三度確認しました。
「嘘でしょ?」
ここは脱出艇の中だった。天国でも地獄でもない。
明らかに私の心臓は止まっていて体温が低い。
ならば幽体離脱かと思って、た時期が私にもありました。
「嘘でしょ?」
理解不能だったので二度言いました。
どうやら幽体離脱でもなかったみたいだ。
現状、私の胸の真ん中あたりに、内側から破裂したような後があり、それが致命傷となり体は死んだようで。
十中八九あのV-3455の特異個体にやられて、気を失って、何故かは知らないけど奴に致命傷を与えていたようで、それが原因で寄生されて、奴の幼体が私の胸を突き破って生まれたと。
「それで何故動けているのかと」
難しい顔になって考える。さっぱり分からない。
とりあえず脱出艇の外に出てくる。
脱出艇は故障でもしたのか何をやっても動かない。電源や燃料自体が全て無くなっている状態だった。
「というかここはどこの惑星なのかと」
言いながら何処とも知れない惑星の地面に足を踏みしめるとそれは襲ってきた。
頭を締め上げるような激痛。
ほんの一瞬の出来事だったが、怒りと困惑の感情を込めて叫んだ。
「何ぞ!!??」
後で聞いた話だが、森の中ではしたなく大声で叫ぶ女性がいたらしい。
余計なお世話だっていう。
何か目の前に検索して下さいとでもいうように出てきたそれには、私の名前を入れるようで。
「ゲーム? それにしては現実感が……」
この疑問は現状保留。
名前はメイティア・ローゼルトだけど、そのままでいいの? 文字数制限とか。
『入力が完了しました。ありがとうございます。続いてこの世界をお楽しみ下さい』
文字数の心配はなかったらしい。
ていうか目の前に人がいる。目玉が全て黒く染まっている。こいつ絶対奴じゃん。どうしよう。