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変態遭遇フラグが立ちました。

お久しぶりです。思ったより新学年に慣れるのに時間が掛かっております。


次話は他者視点(予定)です。

ミケに連れられ、行き先が分からないまま先程とは違う馬車に乗り込み、周りを草原に囲まれた道をガタガタと揺られること十数分。


俺は、またしても酔い始めていた。


魔物と遭遇した印象が強すぎて忘れていたが、さっきも魔物遭遇フラグが立つ直前まで馬車酔いが酷かったんだよな。


「すぅー……はぁー……」


吐き気を和らげようと深呼吸をしてみても、あまり効果が感じられない。


今回は同乗者が居ないから横になる事も出来るが、この揺れでは恐らく逆効果にしかならないだろう。



ぐるりと誰も居ない車内を見回し、次いで厚めの布で仕切られた御者台に目を向ける。


ミケは時々声を掛けてくるが、手綱を握っているため中を覗いてくる事は無い。


つまり、俺が窓から顔を出しても、それを見咎める人間は今この場に居ない訳だ。



このまま酔って吐くわけにも行かないし、少しだけなら大丈夫だろう。


俺は心の中で誰かに言い訳をしながら、立ち上がって窓の外を覗いた。


身長的に、鼻がギリギリ窓枠に届く程度なので見にくい事この上無いが、相変わらず揺れている馬車でつま先立ちなどしたら絶対に転ける。


現に、普通に立っている今も、窓枠に手を掛けバランスを保つのに必死だ。


それでも、ゆっくりと流れる外の景色を眺める事で気分は大分良くなってきた。


青々とした草原に太陽の光が反射し、眩しさに目を細める。


春を思わせる麗らかな陽気に深く息を吐いて癒されていると、石か何かに躓いたのか突然馬車が大きく揺れ、俺はバランスを崩して尻餅をついた。


「チッ」


今の俺は身長が低く床との距離が近かったので物理的なダメージは少なかったが、折角の良い気分を台無しにされて思わず舌打ちをする。


その時、俺の背筋を気色の悪いゾクゾクとした感覚が駆け抜け、俺の口から短く悲鳴が漏れた。


『ピコーン♪変態遭遇フラグが立ちました』


「うぁ……」


得体の知れない悪寒に身体を丸め両腕を擦っていると、いつもの声がまた嫌なフラグを知らせてきて、気味の悪さに俺は低く呻いた。


この悪寒の原因がフラグメッセージの「変態」に有るとすれば、何としてでもフラグ回避しなければならない。


俺は深呼吸を繰り返し、気持ちが落ち着き始めると直ぐに車内と御者台を仕切る布を上げ、顔を外に覗かせる。


「坊っちゃん、如何されました?」


手綱を握ったミケが前を見据えたまま聞いてきた。


「ミケ、道を変えてくれ」


「畏まりました」


少し先に分かれ道を認めて言うと、ミケは俺に何も聞かず一言で答えた。


焦っていて理由なんて考えていなかった俺には有り難いが、こんなに簡単に子供の言う事を聞いて大丈夫なのか、とか心配は無いのだろうか。


そう思いつつ、根掘り葉掘り聞かれるよりはマシなので何も言わずに前を向くと、既に分かれ道に差し掛かっていた。


「本来は右へ進むこの道を左へ進みますと少々遠回りになってしまいますが、よろしいでしょうか?」


「うん、それで良いよ」


「畏まりました。到着次第お知らせしますので、坊っちゃんは中でお休み下さい」


「分かった、ありがとう」


ミケの心遣いに感謝しつつ、中へ引っ込もうとした途端。


「あらぁ、わざわざ遠回りしてドコへ行くのかしらぁん?」


全身を駆け巡る悪寒に、今度は声にならない悲鳴を上げた。


気色の悪い声が聞こえた方向に目を向けた俺は固まった。


「そんな時間があるならぁ、アタシとイイコトしなぁい?」




へ、へ、へ……




変態だあぁぁぁーー!!!!

正直、馬車の大きさとか構造とかイマイチよく分からないので適当に読み流して頂きたい。

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