表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/20

転生フラグが立ちました。

俺は、"普通"じゃない。


見た目や頭の良さや運動神経は普通だけど、少し変わった"能力"が約二年前……中三の頃に開花したんだ。


おっと、言っておくけど厨二病じゃないから。


俺にも確かにそんな時期は有ったよ。


ただ、ネトゲをする時にキャラの名前に難しい漢字を使ったり、邪気眼とかに憧れたりしただけで、二次元と三次元の区別くらいはついていたし、妄想を表に出した事は無い。


そんな厨二病を卒業して、中学最高学年になって少しした頃、その能力は突然発現した。


あれは、体育の授業でサッカーをしていた時の事。


俺はわざと中々ボールが回ってこない位置を陣取り、何となくふと空を見上げた。


すると、その瞬間。


『ピコーン♪ボール顔面直撃フラグが立ちました』


という電子音声が頭に響いたんだ。


俺はその音に驚き少しの間固まってたけど、俺の名前を呼ぶチームメイトの声に反応して前を見ると、ボールが俺に迫ってきていて……顔面に直撃した。


その後、脳震盪でも起こしたのか薄れていく意識の中で、嫌にハッキリとまた声が聞こえたんだ。


『ピコーン♪非日常開始フラグが立ちました』


……ってね。


最初は幻聴かと思ったけど、それから今までの約二年、事有る毎にその声は聞こえた。


テスト前、ダチと遊びに行った時は


『ピコーン♪一夜漬けフラグが立ちました』


夏休み、リビングのソファでゲームをしていると


『ピコーン♪おつかいフラグが立ちました』


小遣いを貰ってすぐ家を出ると


『ピコーン♪かつあげフラグが立ちました』


と、まぁこんな感じ。


最初は鬱陶しい事この上無かったけど、ほぼ確実に当たる上に危険なフラグも事前に察知出来たりするから最近は結構重宝してる。


何より、一番有って良かったと思ったのは、近所で通り魔事件が起きた時だね。


学校からの帰り道、住宅街の三叉路でいつも通る道を進んだ時。


『ピコーン♪死亡フラグが立ちました』


いや、聞いた瞬間ビビったよ。


思わず立ち止まって、前後左右確認したけど、何も変わった所は無い。


でも、その時にはもうこの声を信頼してたから、急いで三叉路まで戻って別の道を進んでみたら、


『ピコーン♪死亡フラグを回避しました』


って聞こえたから、とりあえず安心してその道から家に帰った。


んで、その数時間後に警察の人が来てビックリ。


あの声が無かったら通ってた道で、通行人三人が通り魔にナイフで刺されて、一人は重症らしかった。


刺された人達は気の毒だけど、俺は声に凄く感謝した。


で、今日も今日とて学校からの帰り道。


割と車通りの多い道の歩道で信号待ちをしてた時、向かい側の歩道に男の子が居たんだよね。


その子は小さめのボールでリフティングの練習をしてたんだけど、それを見てた時に聞こえたんだよね。


『ピコーン♪死亡フラグが立ちました』


一瞬何の事か分からなかったけど、男の子がリフティングに失敗してボールが道路に出た時、そのボールを追って道路に飛び出そうとしてるのが分かったんだ。


そして、少し先に迫って来ていたトラック。


「っ危ない!!!」


ここで飛び出したら、死ぬだろう事は声が無くても分かってる。


動かなかったら死亡フラグは回避出来るだろう事も。


でも、黙って見てられるほど根性腐ってないから。



キキィ――――ドンッ!!!



男の子を突き飛ばした数瞬後、体に衝撃が走った。


痛い、熱い、寒い、怖い。


そんなグチャグチャな感情で見た男の子は、尻餅をついて眼を見開いていた。


(あぁ……トラウマになる様なもん……見せてゴメンな……次からは気を付けろよ……)


感覚が分からなくなり、意識が無くなる直前に聞こえた声は――




『ピコーン♪転生フラグが立ちました』



とまぁ、こんな事が有って現在赤ん坊の俺が居る訳だ。


目が覚めたら赤ん坊、それに気付いた瞬間。


『ピコーン♪羞恥プレイフラグが立ちました』


……とりあえず、今世は危険なフラグを徹底的に回避して寿命で死ぬ事を目標としよう。


その為なら、プライドなんて犬の餌にしてやんよ!

思い付きな上に続きはまだ書いていないので、次回投稿はいつになるか分かりません。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ