氷の迷路
冬の昼下がり、森の奥は銀色に輝き、雪の結晶が光を跳ね返してまるで無数の小さなランプのようだった。
リリはキラの手を握り、緊張とわくわくが入り混じった気持ちで歩いた。
「リリ、あそこに見えるのが氷の迷路だよ」
キラが指をさす先には、氷でできた壁が迷路のように入り組んで立っていた。
光を反射してキラキラと揺れる壁は、美しいけれども入り込むのには勇気が必要な雰囲気を放っている。
「本当にここを通るの?」
「うん、出口を見つけるまで僕たちの冒険は終わらないよ」
リリは小く頷き、足を一歩踏み入れた。氷の床は冷たく、靴の下でぎゅっ、ぎゅっと音を立てる。
風は迷路の壁の隙間を抜け、冷たい息を頬に運ぶ。
「気をつけて、滑りやすいから」
「うん、キラもね」
リリはキラと手を強く握り合いながら、迷路の中を進む。
壁は高く、光を反射してまぶしいが、透明で奥の景色が見え隠れする。
そのため、方向感覚が狂いやすく、二人は何度も立ち止まっては互いの顔を見つめた。
「リリ……どっちに行こう」
「うーん、左に見える光が少し暖かそう…かな」
リリは光の揺れを頼りに進むことにした。
足元の氷は滑り、何度も手を壁につけながら進むが、冷たさが手のひらを刺すようで、体の芯まで寒さが伝わる。
「キラ、寒くない?」
「ううん、リリがいるから平気だよ」
キラの言葉にリリの胸はじんわり温かくなる。
寒さと緊張で固くなった体が少し解れるように感じた。
友情と信頼が心に光を落とすようだ。
迷路は複雑で、通るたびに氷の壁が光の角度を変え、同じ景色が何度も繰り返される。リリは小声でつぶやいた。
「出口は……どこ?」
「大丈夫、焦らなくていいよ。二人ならきっと見つけられる」
キラはリリの肩に手を置き、光を操って壁の隙間を照らした。
氷の壁は青白く光、進むべき道を静かに示す。
二人は慎重に進み、時折壁に手をつけながら迷路の奥へと歩いた。
光が揺れるたび、壁の氷が小さくきしむ音を立て、二人の心臓の音と混ざり合った。
「リリ、もう少しで出口かもしれない」
「うん、信じよう」
二人は手を強く握り、迷路の最後の曲がり角を曲がった。
すると目の前に光が差し込み、外の雪と太陽の光が輝く出口が現れた。
「やった……抜けたね」
「うん、リリと一緒だから頑張れたよ」
リリとキラは互いに笑い、手を抱き合った。
迷路を抜けた喜びと友情のぬくもりが、冬の冷たい空気を温かく変えた。
雪の上に立ち、外の景色を見ると、迷路の氷は太陽の光を受けてキラキラと輝き、まるで冬の魔法が森に広がったようだった。
「リリ、今日は本当に楽しかった」
「うん、迷路も怖かったけど、キラと一緒なら大丈夫だね」
二人は手をつなぎ、冬の森の光と雪の輝きに包まれながら、また新しい冒険を心に描いた。




