冬の朝、森は真っ白に輝き、雪の結晶は光を反射して無数の小さな星のようにきらめいていた。リリは布団の中で目を覚まし、窓の外の景色に息を呑んだ。
「リリ、今日は森の冬のきらめきを全部見る日だよ」
小さな声が耳に届き、リリは振り向くと、妖精キラが羽根を光に輝かせて舞っていた。
「全部見る……？」
「うん、森の魔法と星と雪と光の秘密をね」
リリの胸はドキドキと高鳴り、冒険への期待でいっぱいになった。昨日までの雪の結晶や氷の城、精霊たちの舞踏会の思い出が、一気に蘇る。
二人は森の奥へ進む。雪は足元でぎゅっ、ぎゅっと音を立て、光を反射してまるで道を示すようにきらめく。木々(きぎ)は氷で覆われ、光のプリズムが無数に広がって森全体が巨大な万華鏡のようだ。
「リリ、まずあそこから始めよう」
キラは小川のほとりを指さした。雪の上に積もった氷の結晶が光を跳ね返し、まるで小さな光のステージのように輝いている。
「うん……すごい……」
リリは雪に手を触れ、冷たい感触が心まで響くのを感じた。光は指先で踊り、音は雪の中で微かに響き、森全体が生きているようだった。
次に二人は氷の城へ向かった。城は太陽の光が届かなくても、内部の光が虹色に輝き、雪や氷の魔法でできた巨大なステンドグラスのように見えた。
「リリ、この城の鍵を使ってみよう」
リリは胸から金色の鍵を取り出した。光が弾け、城全体が柔らかく光だし、氷の扉がゆっくり開いた。
城の内部は幻想的な世界だった。氷の天井から吊るされた結晶が七色に輝き、床は光の鏡のように反射している。リリとキラは手をつなぎ、光の中で静かに歩いた。
「キラ……ここに来るのは初めてだけど、何か安心するね」
「うん、森の魔法は優しいから、リリの心を守ってくれるんだ」
城の最上階に着くと、雪の精霊たちが舞っていた。光は柔らかく揺れ、精霊たちは笑いながら舞い、森の冬の魔法の全てを祝福しているようだった。
「リリ、ここが最後の場所だよ」
「最後…？」
「うん、森の冬のきらめきが全部集まる場所だよ」
リリの胸はドキドキし、光と音に包まれた。全ての雪の結晶、氷の城、精霊たちの舞踏会が一つに溶け合い、森全体が冬のきらめきで満ちていた。
リリは目を閉じて息を吸い込むと、心が光と雪の魔法で満たされるのを感じた。胸の奥に温かさが広がり、冷たい冬の空気が優しい抱擁になった。
「キラ……ありがとう」
「リリ、ありがとう。リリがいたから、森のきらめきがもっと輝いたんだよ」
二人は手をつなぎ、氷の城を後にした。森の冬のきらめきは、雪や光、星や精霊たちの魔法とともに、永遠に二人の心に残った。
外に出ると、朝日が雪の上に黄金色の光を落とし、森は新しい一日の始まりを告げていた。リリとキラは笑い合い、今日も冬の魔法ときらめきを楽し(たの)むことを誓った。
「リリ、楽しいね」
「うん、冬ときらきら、最高だね」
二人は手をつなぎ、雪の森を歩きながら、これからも続く冬のきらめきの冒険を胸に抱いた。
