8 刀出来ました?
2日後カキモトさんを訪ねました。
「どうですかー」
「おぉ!お待ちしていましたコレをどうぞ!」
「良いんじゃないですか?」
「・・・・みろ!」
「はいちゃんと、いやいや拝見させて頂きます」
刃が眠い・・・美濃の刀剣の眠さでは無く、熱処理ダメダメの眠さです。
裏に行き竹を置き切る。
土壇に草を束ねた物を切る。
腰が弱く伸びました・・・
切らなくてもわかるわ!
改良点を指導し、また2日後に来る約束をしました。
またまた2日後来ました!
カキモトさんは髭ボーボーです。風呂入った時に切ろうね!
「どうぞ」
「どうも」
「・・・・」
「・・・・はいはい裏に行きましょう」
切った感じまぁ良いかと思います40点です。
「オリハルコンがあれば・・・」
「は?」
「オリハルコンがあればもっといい刀を作れるんです」
(オリハルコンって何それ新展開じゃねぇ?)
「ポップさんの刀にはオリハルコンを使いたいんです!」
「えー念のため聞きますが、それはそこら辺で売ってるんですか?」
「いえ、伝説です。異世界にあると言われてます」
(じゃあ手に入らないじゃんか)
「それ残念ですね、では先を急ぐのでコレで失礼します」
「ちょっと待ったぁー!!!」
ええ、待ちませんよ、とっとと外に出ます。
ガターン!
お姉さんにドア閉められました。
カチッ
鍵閉められました。
「それはまさにオリハルコン!」
カキモトさんの視線を追うと・・・
「これはピッケル」
昭和のピッケルをお安くネットオークションで買ったんです。
「このつや間違いない!」
「いえ、スウェーデン鋼だから」
「間違いなくオリハルコン!」
「スウェーデン!」
「これぞオリハルコン!」
「スウェディッシュ!」
「正にオリハルコン!」
「・・・・・はいそうです、ぜひご利用下さい」
しぶしぶピッケルを渡す。
「刀は仕込み杖にしてくださいね!」
捨て台詞を吐いて店を出る。
『3日後来てくださいー!』
来たく無いわ!
3日間ふて寝してましたわ!
しょうがなくカキモトさんの店に行く。
「ちーす」
「これはポップさん!見てください傑作です!」
「おぉぉーー!」
一見すると煤竹の杖です。剣を抜くと左右にプレートが出て鍔になるのだ。マジ凄い!
カキモトさんはまんざらでも無い顔だ。
この剣は[カキモト改]と呼んで下さい!
「えー・・・・はい」
俺専用の刀が出来たぞ!