表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/8

7.王国騎士団の兵士

よろしくお願いします

その日は、王都にあるレストランで最も大きい店で送別会が行われていた。

王国騎士団で、第一騎士団に所属していたネフィロリィ•ディスタンス騎士団長が退役することで、行われた送別会だ。


ネフィロリィ団長は、騎士団の垣根を超えて慕われ頼りにされていた。

それは、実力ももちろんだが人柄ゆえのことだろう。

年齢は、35歳とまだ若い。それにも関わらず騎士団に所属する者からの信頼は厚かった。


本来なら第一騎士団は、王城の警備が任務とされているが、魔物との戦いにより王都警備を任されている第二騎士団に多く怪我人が増えてしまった為、急遽応援に入ることになったのだ。


王都には、Sランクの魔物は滅多に出て来ないのだが、

今回は魔物が増えすぎたことにより、国境や王都外の警備を行っている騎士団だけでは対象しきれなかった。


凶悪で強すぎる魔物を、部下だけに任せてられないと自ら先陣をきったのだった。


魔物は、ネフィロリィ団長の力さえあれば討伐できると思われていた。だが、魔物の数が多すぎた。


ネフィロリィ団長は、部下のひとりであるアレクシスを庇って右腕を失ってしまったのだ。

利き腕も失ってもなお、部下を守りながらなんとか最後の魔物を討伐できた。


ネフィロリィの利き腕を失うという、大きな代償のもとに。


そして、ネフィロリィ団長は騎士団を辞することにしたのだった。


「カンパイッ!!」店中に響き渡るような、声の大きさだった。


みんながネフィロリィに酒を注ぎたがるから、ゆっくり酒も飲めない。

しかし、ネフィロリィは次々とまるで水を飲むように酒を飲み干していった。

酒豪なのだ。


「アレクシス、もう泣くな。オレの腕はお前のせいじゃない、運がなかっただけだ」


「ふぃぐっ、全部俺のせいです。俺が、俺があの時…」


「未来ある若者を守れたんだ。王国は安泰だよ、これからは、新しい団長のグリードを支えてやってくれ」

そう笑顔で言ったのだった。


そんな時、王城がある方から鐘の音が聞こえてきた。

「何の鐘だ?」そう不思議がる兵士もいたが、今日集まってある中には、高位貴族の当主もいる。


ネフィロリィは、辺境伯の次男だか当主ではない。しかし、騎士団長という役職から今日行われていることを知っていた。


"聖女が現れた…"

鐘の音の意味を理解している者達は、唖然としながらも、喜びが垣間見れた。

"ようやく、ようやくこの国が変わるかもしないと"


しかし喜びも束の間、王都の伝書鳩が飛んできた。

王城へと緊急の召集命令だった。


鐘の意味をわかっている者もわかっていない者もなぜ招集命令が来たのか…思案しているようだった。時が止まったように場が静まり返った。


すると

「今日はどうもありがとう。さぁ、みんな王城に行ってくれ。きっといい知らせのはずだ」ネフィロリィは、そう告げたのだった。

ありがとうございました

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ