4.高笑いする、女
よろしくお願いします
落ちた所は、草原だった。
どこかで川が流れる音もする。
幸いにも一緒に落ちて来た女がクッションとなり、怪我はなかった。
スマホの通話は、切れていた。
圏外になっていた。
異世界に来てしまった…そう結衣は思っていた。
どうしよ、こらからどうしたら…
そんなことを思って顔を青くしてる時、下からうめき声が聞こえてきた。
そして、女が大きな声で怒鳴りつけた。
「いつまで乗ってんのよ!」結衣は、女に横腹を蹴られて、息が詰まって、声が出せない。
すると、女は高笑いして言った。
「これで、私は聖女様よ!」
ひとしきり笑った後、結衣を見て口角を大きくあげた。
「もう、お前は必要ないわ。消えて」
結衣は、その女の言動と表情に震え上がった。
逃げないと、殺される!!
周りを見渡せば、いくつかの光がこちらに向かって走ってくる。
人だ、人がいる!
結衣は、息の詰まって声が出ない状態でも懸命に声を出した。
「た、たすけ、て、たすけて!」
すると女は、焦って走ってきて結衣の口を塞ごうとする。
そして、女は背後を見た。
結衣のちょうど後ろ2メートル程のところに崖があることを。
下には川が流れている。
女が口角を上げて、結衣の身体を持ち上げた。
結衣は、魔法陣から逃げ切ることと、さっき女から横腹を蹴られたことで、ダメージを受けていた。
抵抗しても、抵抗しても逃れられない。
ジタバタしても女は軽々と運んで、
そして、結衣は崖の上から川に落とされたのだった。
そして、結衣は恐怖から意識を失った。
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