3.結衣がいなくなった
よろしくお願いします
結衣の家へと向かうべく、なこはちょうど帰ってきたら大学生の兄、保に頼んだ。
家にも遊びに来たことある、友達の結衣のピンチと言っただけで快く車を出してくれた。
兄の保は、結衣のファンなのだ。
通話中のスマホから聞こえるのは、結衣の激しい呼吸音だ。
結衣に聞こえてるかもしれないからと、懸命に話しかけた。
ちなみに兄の保は、詳しい説明もされず車も運転していた。
そして保は、結衣の熱狂的なファンがいてそのストーカーに追いかけられてる!と思い込んでいた。
車を走らせること30分弱、ようやく結衣の家の周辺まで来た。
住宅街で車を走らせていると、ちょうど曲がった細い道角で5〜6人の人が集まっているのが見えた。
「停めて!」
なこは、車が停まってすぐに飛び降りる。
人をかき分けて、見るとそこには何もなかった。
だが、道の端に見覚えがあるものがあった。
なこが大好きなアニメのキャラ、それを2人お揃いで買って通学鞄に付けていたもの。
色違いのキャラは、赤がなこ、青が結衣のもの。
青のキャラが道の端に落ちていた。
そっと、持ち上げると紐が千切れていた。
真っ青な顔で、唖然としていると小学生の男の子たちに話しかけられる。
「お姉ちゃんはあのお姉ちゃんのお友達?」
「あのお姉ちゃんね、変な女の人に追いかけ回されてて、誰か呼ばないとって思って大人の人を探してたんだ。でも次の見た時にはいなくなってて…」
なこは、腰の抜けてズルズルと座り込み、大泣きしたのだった。
ありがとうございました