1.魔法陣出現
初投稿です。
お手にとっていただき、ありがとうございます。
読みにくい所ももあると思いますが、よろしくお願いします。
高校1年生になったばかりの、永戸結衣15歳。
引っ越しと高校進学が重なったこともあり、高校は他府県で進学することになった。
初めは友達ができるか心配していたが、1ヶ月もたった今はそんな心配も杞憂であったことがわかる。
新しい友達もできて、帰り道で喋りながらお茶をすることが日常となりつつあった。
そんな中でも、一際仲良くなったのが日比谷なこである。
なこは、目はクリクリしていて背は小さく、可愛いく守ってあげたい雰囲気満載の女の子だ。
いつもちょこちょこ走り回るのを見て、結衣は小動物みたいで可愛いと思っていた。
なこは、アニメオタクだった。
なかでも異世界の話が好きらしく、いつも楽しそうに話していた。
結衣が異世界やアニメの話に詳しくなったのは、なこの影響が大きい。
5月の気持ちがいい天気の今日も、仲の良いグループでお茶していた。
友達の1人の莉子が、結衣となこに向かって話しかける。
「今度、S高の男子と合コンするんだけど来てくれないかな?結衣となこが来てくれたらめっちゃ盛り上がると思うの!」
なこは、「えぇ〜、わたし興味ない。合コンなんか行くなら家でアニメ見るか、オタク語りしていたい」と言う。口を尖らせながら言うから行きたくないのが態度でよくわかる。
すると莉子が「同中の男友達が2人の写メ見ちゃって、めっちゃ気に入ってどうしても会いたいって言ってるの!」
なこは低い声で、「え!勝手に見せたの!」と怒りだした。
莉子は焦った様子で「見せるつもりなかったの!たまたまOINEが開いてて、見えちゃって」両手を振りながら違う!違う!と否定する。
するとなこは不貞腐れながら、「結衣は、わかるよ。スラっとしてて手足は長いのに出るとこ出てて、髪は長くてサラサラだし、目は大きくて二重だし、鼻筋通ってて超絶美人だもん。なんでわたしまで」と結衣のことを見ながら言う。
結衣はなこに褒められたことで、顔を赤くしながら居た堪れなくなる。
「こんな美人なのに、慣れてないのがますますいい!!」なんてなこが言うから、ますます顔を赤くしていた。
「対照的な2人が揃う合コンとか、男子の希望者多そう」とか誰かが言った。
いっぱい笑って、スウィーツも食べて、なこのオタク話をみんなで聞いて。
「また月曜日にね!」と手を振る。
結衣は1人、みんなとは違う方向の電車に乗って帰って行った。
自宅の最寄駅につき、夕暮れの中1人イヤホンでお気に入りの音楽を聴きながら歩く。
そういえば、今日お母さんは残業で遅くなるからご飯いらないって言ってたなぁ。
結衣は、両親が遅くまで働いててどちらかが居ない日が日時茶飯事だったので、ほとんどの家事をこなしていた。
お父さんは、出張でしばらく帰れないって話してたし。
今日の晩御飯は、私1人かぁと考えつつ、1人なら冷凍食品でいいかなぁと考えて…
ダメだ。お母さんが夜帰ってから何か食べれるようにしとかないと、あの人食べないから…やっぱり作ろう。そんな事を考えながら、冷蔵庫の中身を思い出して歩いてる時、
ふと、足元が光ったように見えた。
円形のものが、自分の足元で光ってある。
「え?なに?」
そう思いながらも結衣は、なこの話を思い出していた。
異世界転移について語る時に、
「突然、足元に魔法陣が出現して異世界に飛ばされるんだよ」と話してたことを。
すると、円形のものがまるで生きているかのように大きく空気を吸い込んだ。
「マズイ!!吸い込まれちゃう!これってもしかして異世界にとばされちゃうやつ!?」
結衣は、全力で走り出したのだった。
ありがとうございました。