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月夜譚 【No.201~No.300】

片方の靴下 【月夜譚No.251】

作者: 夏月七葉

 この靴下の片割れは、一体何処へいってしまったというのだろうか。洗濯物は何日分かを纏めて洗い、靴下を干す時は一足分合わせて洗濯ばさみに挟む。クローゼットに仕舞う際も一緒にしているから、失くなるはずがないのだ。

 だがしかし、今ここにある黒の靴下は片方しかない。うーんと首を捻った彼女だが、すぐに別の靴下を手に取った。このまま考えていても埒が明かない。

 着替えをし、朝食を摂り、鞄の中身をチェックして、彼女は玄関の方を向いた。

 リビングと玄関を結ぶ短い廊下。その真ん中に、黒い影が落ちている。よく見てみると、それは先ほど捜していた靴下だった。

 何だここにあったのかと拾おうとして、はたと起床してすぐに顔を洗いにここへ来た時こんなものが落ちていただろうかと疑問が過る。

 彼女の指が靴下に触れようとしたその時、もぞりと靴下の中で何かが動くのが見えた。

 彼女は息を呑み固まって、次の瞬間には手を引っ込めた。

「あ、遅刻しちゃう」

 棒読みの台詞を残した彼女は、一目散に玄関を飛び出した。

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