陸サーファーインタビュー
『第3回「下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ」大賞』投稿作品です。
指定キーワードは『サーファー』。
意味わかんないシュールさをお楽しみください。
ーーこんにちは。あなたが陸サーファーの岡さん(仮名)ですか?
「はい! こんにちは!」
ーー笑顔が爽やかですね。早速ですが陸サーファーになったきっかけから教えてください。
「はい! 僕の場合は女の子にモテたいってところから始まってますね! ははは!」
ーー成程。どれくらい陸サーファーをされているんですか?
「学生の時から、かれこれ十年ですね!」
ーーナンパには成功してるんですか?
「ダメですね! サーファーっぽいと結構女の子は興味示してくれるんですけど、陸サーファーですって話すと舌打ちして行っちゃいます!」
ーーそこは話すんですか?
「当然でしょう! 僕は陸サーファーですから!」
ーーではナンパはうまくいかないのに、なぜ今も陸サーファーを?
「陸サーファーの魅力、ですかね!」
ーー魅力、と言いますと?
「僕達陸サーファーは、サーファーのふりをするために、色々調べたり学んだり鍛えたりします!」
ーーはい。
「そうしている内に海の魅力を再認識したり身体が健康になったり想像力が豊かになったりします!」
ーー成程。そこから本物のサーファーになろうとは思わないんですか?
「正直魅力はありますよね! 仲間にも陸サーファーからサーファーに転向した人も少なくないですし! でも僕は陸サーファーであり続けたい!」
ーーそれは何故ですか?
「陸サーファーには無限の可能性があるからです! 実際の海では困難な技や、現実に起こり得ないビッグウェーブも陸サーファーなら楽しめます!」
ーーそれは想像の中で、ですか?
「はい!」
ーーちなみにナンパも想像の中でしたりするんですか?
「ははは! そんな虚しい事はしませんよ!」
ーーそうですか。
「ナンパ目的ではありましたけど、僕は陸サーファーになれて良かったと思ってます!」
ーーではこれからも陸サーファーを続けていくと?
「勿論です! 今の目標は体脂肪率一桁の維持と、米国製ボードの購入です!」
ーーご結婚はされないんですか?
「してますよ!」
ーーえっ。
「妻と三人の子どもの五人家族です!」
ーーナンパはうまくいかなかったのでは?
「お見合いです!」
ーーあー、そうですか。
「五歳の長男が陸サーファーに興味を持っているようですけど、道は自由に選んでもらいたいですね!」
ーー成程。今日は貴重なお話、ありがとうございました。
「ありがとうございました!」
岡さん(仮名)は自信に満ちた笑顔で締めくくった。
真剣に打ち込むってすごい。私は改めてそう思った。
読了ありがとうございます。
陸サーファーの皆様、十分な取材もなく勢いと想像で投稿しました事、心よりお詫び申し上げます。
でも『おいでよ! アラサーファーム!』という地獄みたいなタイトル遊びの誘惑に負けなかった事だけは、私の誇りです。
次回キーワードは『交差点』。
よろしくお願いいたします。