地獄の始まり
これは僕が小学6年の頃の出来事だ。
「清水くんなんで御門さんの持ち物を隠したの?」
今僕はやってもいない盗みと持ち物を隠したことで尋問されている。
当然僕はやっていない、というかクラスの人の交流もかなり薄いしこちらから何かするなどよほどの事がなけれなければそんな機会はこないのだが…。
「僕はやってません!」
これで何回目の否定になるだろうか…。
嘘でもやったと認めた方が楽になるのではないかそんな気さえしてきてしまう。
だけど認めるわけにはいかないのだここで「僕がやりました、ごめんなさい」といって嘘の謝罪を仕舞えば僕の心は壊れてしまう気がした。
当然、両親を悲しませてしまう事になるだろうし困らせてしまう。
正直何もやっていないのに冤罪を受け入れて被害にあった女子生徒に謝罪しその両親に謝罪する事になれば僕は平静を保っていられるだろうか。
何回こんな事を考えただろうか。
もうマトモに思考できていないだろう。
「クラスのお友達はみんなあなたがやったと言っていますが、はあ〜今日はもう良いです。明日またお話を聞きますからさあ〜早く帰りなさい」
今日も先生が折れた恐らく先生は帰宅の時間を気にしたのだろう、こんなことを何回繰り返すのか。
僕は沈んだような気持ちの中家に帰った。
△
「壮太こっちに来なさい」
ウチに帰り夕食を終えて自分の部屋で学校で起きたことを考えていると母さんに呼ばれた僕はリビングに向かう。
リビングに向かうと父さんがいた。
「壮太ここへ座りなさい」
僕は父さんの正面に座った
父さんは何故かいつもと雰囲気が違うかなりピリピリしている。
気が立っているのか?
「何故呼ばれたか解っているな?」
威圧する様に僕に問い掛ける。
「えっと、わかりません」
思い当たることはあるにはある…そう、学校のことだ。
だが、僕がやったとみとめてはいないしそもそもやっていないしやったと確定もしていないそれでも呼ばれた。
どういう事だ…考えられることは学校から連絡があったということか
母さんが父さんの隣に静かに座り
「学校から電話があってあなたが同級生の女の子の持ち物を盗み隠したと担任の先生から教えてもらったわ」
やはりか…。正直言葉に成らなかった。
すると
バンッ!
テーブルを叩く音がなる。
「お前がやったのか?」
父さんがこちらを睨む
「僕はやってない「嘘つけ!」…えっ」
もはや父さんは怒りで僕の言葉を信用していなさそうだ。
僕がなんと言っても聞く耳はもたないだろう。
そして母さんが口を開く。
「あなたの担任からあなたがやったと聞いているのだけど」
母さんは父さんと違い至って冷静だが微かに圧の様なものを感じるが…
まだ話はできるだろう…
「僕はやっていません、濡れ衣です」
はっきりとそう伝えた。
「あなたの先生は壮太が犯人で確定しているといってました、仮にあなたが犯人出ないというのなら証明できるの?」
「証明はできません、誰が犯人か解ってませんが僕がやったということも証明できないはずです」
「ふざけるな!お前がや…「あなたは少し黙ってて!」…あっ、はい」
父さんが怒鳴りだすと母さんが静止を促す。
すると父さんは何故かいつもの調子に戻ってしまった。
「わかりました、今日はこれで終わりにしましょう私たちがここで話し合ったとしても壮太が犯人という証拠もやったという確信も得られないでしょう」
そして話し合いが終わった。
これは地獄の始まりにしか過ぎなかった。




