趣味と実益と、時々ビジネス。
印税......みなさん印税って響きはお好きですよね?
知ってる!
さて、副業漫画編集長としてはお支払いする立場となるわけですが、どんな契約をしてどんな印税になるのかを書いていきたいと思います。
自分の体験談でもありますが、通常書籍の印税とは「書籍の税抜き定価×部数×印税率」です。印税率は10%前後と言われてますねー。
あとは出版社によっては実際に売れた部数だけ支払う実売印税の場合と、印刷した部数で支払う発行部数印税の場合があります。
実売印税の場合は、実売部数が確定されてから(一か月くらいで返本が始まる)支払いになるのですごく遅いです。発行部数の場合は発売した時点で確定するので支払いが早め。今は発行部数印税の方が主流のようです。
......と書きましたがこれは紙の書籍の場合で、電子書籍になると急にドンブリ感が出てきます。
印刷なんてしないので実売印税のみ。いつ入金なのかよく分からない(たしか半年に1回とか)。そして、印税率が跳ね上がります。
そんなに印税率違うんだと思いましたが、やはりカラクリがあって「出版社への入金額×印税率」です。
要は、売上に印税率がかかるのではなく、ストア手数料等を抜いた粗利益に印税率がかかります。ですので定価の印税率に直すと実質印税率は10%程度になったりします(ストア手数料60%、印税率25%と仮定した場合)
ストアによって条件などがバラつくのでこうなったのか分かりませんが、足の出ないステキなカラクリですね!
もちろんウチも踏襲してます。
入金額の50%はウチの取り分。残り半分は漫画作家さんと原作作家さんで分ける感じで出版権設定契約(複製権と譲渡権・公衆送信権の独占的使用許諾)をそれぞれと結ぶ感じです。
漫画原稿を描いてもらうのは別途委託契約となるのですが、出版業界自体があまり契約書を重視しないので請求書レベルでもいいと思います。
出版社にもよるのでしょうが発売日近辺になって契約結ぶみたいな業界です。面倒くさがられても嫌なので漫画家さんに契約書いります?と聞いてみましょう。
「ちょいクズ」のパターンだと5話(トータル120ページくらい)は確約していて、入金額100万円毎に次の1話に自動的にゴーが出る建付けにしています。入金額100万円ということは、ウチの取り分が50万円でそこから次話の原稿料をお支払いして描いていただく感じです。
どうでしょうか。中身が見えてきましたか?
副業としてどのくらい労力や財力を割けるか。リターンは割りに合うのか。
この辺を天秤にかけて判断していくわけですが、web小説を読みまくっている読み専の方々はある意味チートであることを自覚してください。我々は歴史を知っている。そして数多の作品を知っているのです。
商業の人気作が、web小説の人気作の後追いであることも。
100万円という貯金すれば手が届く現実的な金額で始められ、好きな作品を漫画にして広く知らしめるというロマンもある。
恐らく、今後はそういう個人で動くプロデューサー的な人がどちらにせよ増えていくと思います。若い人ほど電子書籍とかソシャゲとかで育ち、本にあまり触れてないので出版社ブランドに思い入れがない人も多いです。
置き場(棚)の厳しい書店と違って電子書籍であれば商品がなくなったりしないので、長く続ければ続けるほど美味しくなってくるので副業漫画編集長としては1作品だけ長く手掛ける感じでもいいのではないかと思います。ロングテールロングテール。
著作権買い切りという手段もあるのですが、評判悪いのでやめておくのが吉です。関わる人を儲けさせたら自分も儲かるシステムを目指しましょう。