未事記 電気の始まり、始まり
さあさあ、よってらっしゃい、見てみてらっしゃい。
この不思議小屋は、電気の過去、現在、未来を見せる不思議小屋だよ。
お代?
そうそう、お代は、5文 二束三文よりは、ちょっと高いが、お安いもんだ。
お入り、お入り。じゃ、そこの席に座りなさい。では、照明を消しますよ。
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電気を知っているでしょう。
電気は、いろいろに変化します。
電気は、光を生み出します。
電気は、熱を生み出します。
電気は、運動を生み出します。
電気は、磁気を生み出します。
電気は、電波を生み出します。
電気は、通信を生み出します。
電気は、コンピュータを動かします。
そして、
人間は、自由に電気を取り出したり、貯めたりすることができます。
化学変化を使って、電池で、電気をつくりだすことができます。
発電機を回して、電気もつくり出す事もできます。
太陽の光でも、温度差でも、圧力でも、いろんな方法で電気をつくりだすことができます。
電波を捕まえて、その中から信号をとりだすこともできます。
もう、電気のない生活は考えられません。
この間、台風が来て、鉄塔が倒れてしまい、1週間の停電が発生しましたが、大パニックです。
大きなタワーマンションの電気設備が水浸しになり、機能停止状態です。
現代文明は、電気文明なのです。
では、一体、電気はなんなのでしょう。
電気は、宇宙の創生 136億年の昔から存在していました。
人間の運動も、思考、生命活動も電気が活躍しています。
人間の死の判定は、心臓の電気信号の停止を判断しているのです。
もし、国や地球全体の電気が、一週間停止したら、人間の生命が停止するのと同じように、現代文明は崩壊するのです。
瞬間的や短時間でも、停止は、致命傷を負いますが、一週間のこの地球上で、人類から電気の停止がとまったら、現代の文明は、死を迎えるのです。
なぜなら、電気をうみだす、発電所を最初に動かすための電気がないからです。
そのため大規模電力をつくり出す方法が無いのです。電気の停止したコンピューターを復旧させるための電力がたりないです。
でも、考えてみると、数千年の人類史のなかで、縄文時代も弥生時代も、平安時代も、鎌倉時代も江戸時代も、電気のない文明の時代で、人間はたのしく生きていました。電気がないからといって、人間は生きられないことはないのです。ただし、電気無しで、地球に住む70億人、80億人の食料や衣服等を生み出す事ができるかは、とても不安です。人間の力のみで、食料を生産し、衣服を生み出すには、生産に限界があるからです。
では、現在の電気文明以前に、電気文明は無かったのでしょうか?
じつは、古代の人間が、電気を使っていた痕跡がたくさんあります。
古代バクダットには、電池があったと言われています。その電池は、なにに使われていたのでしょう。
古代エジプト人は、ピラミッドや地下都市、大神殿をたくさんつくりましたが、真っ暗の中で、どのように工事をしたのでしょう。絵や彫刻をどのように描いたのでしょう。現代人は、すぐに、松明などの火を起こして、あかりをとったおもうのですが、ビラミッドや王家の墓、大神殿の中には、ものを燃やして、すすけた感じがありません。映画では、松明を壁に差し込んだり、行灯のような明かりを使ったりしますが、ピラミッドや王家の墓には、明かりをとるための設備がまったくありません。と、いって、電気の配線や電球があるわけでもありません。
いまでは、懐中電灯などがありますが、当時にはどうしていたのでしょうか?
エジプトの壁画に、電球のような絵が描かれていますが、電球のような細かい細工のものを造る事ができたのでしょうか?携帯できるようなものは、豆電球のように小さくつくる必要があり、とても、薄いガラスが必要です。
「おい、これから、地面の下を掘るぞ。明かりを準備しろ。」
「明かりですか? どこにあるんです。この松明もっていきますか?」
「バカ。そんなものを持っていって、穴が掘れるか。危険だろ。」
「じゃ、どうするんです。」
「お前、ランプを知っているか?」
「知っていますよ。擦ると、魔法使いが出て来るというやつ。」
「バカ。それは、魔法のランプと言って、世界にたった一つしかなくて、それは、王様のところにあって、ここにはない。」
「明かりのとれるランプだ。」
「見つけました。ここに、大豆やごまから絞った油を入れて、芯をだして、明かりをつける。」
「よし、それを、ここに吊るして、このトンネルを掘るぞ。王様の墓だぞ。りっぱに掘れよ。」
「あのー。この方法は、最初はいいんですが、トンネルが深くなってくると、火を使う方法は、危険です。」
「じゃあ、どうするんだ。」
「懐中電灯があれば。」
「あのなあ。今をいつだと思っているんだ。5000年前のエジプトだぞ。」
「じゃ。懐中電灯を作るか。」
「作れるんなら、作ってみろ。」
「電池は、バクダットから買ってきてと。ええと、電球をどこで、買おうかな?」
「買い物するなら、アマゾンでしなさい。」
「あ。そうだ。アマゾンといえば、アマゾン川。川とといえば、ナイル川。ナイル川の上流には、不思議な石があるという。」
「なんだ。それは、不思議な石。聞いたことがない。」
「いや。俺は、俺の爺さんから聞いた。ナイル川を、どんどん遡って、川の源の山に、水色に輝く石があるという。それを電池に挟んで、懐中電灯にする。」
「そんな石の話、聞いたことがないぞ。」
「まあ。なろうなんだから、固いことを言わずに。一応、ナイル川の上流には、天然LEDが、あったということにしましょう。」
「何、天然LED そんなものがあるのか?」
「そういうことにしないと、この話が終わらんだろう。」
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まあ、電気を使った光があるということで、こんなことになったのですが。
お忘れもののないように。