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farewell

作者: 草山羊

とあるゲームに触発されて突発的に書いたものです。真似てはいないと思いますが、パクリだと思われましたら教えて下さい。


何もない真っ白な世界の大空を一匹の漆黒の鳥が飛んでいる。


その鳥を静かに深紅のローブで全身を覆い隠している人間が見ていた。

人間は動かない。ただ、じっと鳥を見つめている。



「………“千年経った世界はどうなっているでしょう”」



“千年経った世界は何も変わらない”



人間の声に応える様に何処からか声がした。人間は驚くこともなくそのまま問いかける。



「“何故そう思えるのですか”」



“変わろうという意志がない世界は変わらない”



「“……それが貴方の望む世界ですか”」



“望む?それは違う。我は絶望したのだ、この世界に”



「“絶望……”」



“そうだ。周りをよく見ろ。こうなった全ての原因は人間達だ。自分が可愛い人間は簡単に家族、親友、仲間を棄て、自分と違う者を差別し、簡単に罪を犯す。私利私欲の為に動物達の居場所を奪う。まるで自分達が世界の支配者だと思っている。人間とは愚かなものだな。なあ”



人間は応えない。漆黒の鳥をただただ見つめている。



“だが、お前は特別に我と共にいることを許すぞ。お前はアイツの子孫。我とアイツの愛しい子供”



「“………”」



“アイツだけだ。我にはアイツしかいない。他の人間はいらない”



漆黒の鳥が旋回し、人間に近づいてくる。



「間違っていたのは、貴方だ」



“ん、何か言ったか”



「人間は、たしかに自分勝手で欲張りだ。でも、思いやりや助け合う心をもった人達の方が多かったことに貴方は気付けなかった」



“何を言っている。我に解ることばで話せ”



「過去に囚われた貴方が、この世界を変えてしまった。希望に満ち溢れたこの世界を、憎悪という感情で変えてしまった」



“おい、聞いて…”



「さようなら。兄さん」




漆黒の鳥が白い地面に墜ちた。


地面を紅く染めながら。


人間は墜ちた鳥を見下ろす。手にはナイフをもって。




もうこの世界に支配者はいない。

誰もいない世界は自由になった。




漆黒の鳥の傍らには深紅のローブがまるで寄り添うように落ちていた。





読んでいただきありがとうございます。前書きでも買いましたが、ぜひ教えて下さい。その時は削除しますので。ちなみに某BLゲームの『花○葬』PS2版です。(隠す場所が微妙のような…)

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