#4白豚
私と爺はある時美容品の視察に訪れた。
ある販売員の女が近寄ってきてこう言った。
「奥方様がこれを使えばきっと肌が白くなって美しくなりますよ。」
私は言った。
「確かに君は白い.」
次の言葉を言う前に、爺は言った。
「嘘公、それは私の仕事です。それを見て判断するのが嘘公のお話です。嘘公自らそれをなさるのは、法を曲げる行為です。」
私は爺のいうことに耳を傾け爺が其の者に問うように合図した。
爺はそれを見るとにこやかに女に言った。
「あなたは白さが美しくあると思うのですか?」
女はいった。
「そうですね、白さは美しくあるための第1条件です」
爺はいった。
「美しくあるのはなんのためですか?」
女は答えた。
「古典にもあります。女は愛するのもののために化粧をすると。古代よりこのことは自明の理でございます。あなた様も含めて同じではありませんか。」
爺は女に同意しながらいった。
「その通りである。白さは美しいものではあるが、しかし美しいための絶対条件ではない。ところであなたの身長はいかに?5尺3寸ほどとお見受けするが。」
「その通りです。」
で爺はすかさず聞いた。
「体重はいかに?」
女は言った。
「18貫」
爺はなるほどその通りだろうと言って皆に聞いた。
「なるほど、周りのものの中でこのものが美しいと思うものは手を上げよ。」
周りには100人ほどが笑って首を振った。
「公よ、これが現実でございます。」
続けて言った。私は
「そうか。」
と言って爺とその場を後にした。
3話4話ともに、怪しい神々しい水とか、白いけどふくよかとかそもそも本題を忘れた者を描きました。