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老爺の金言  作者: 大代和史
3/5

#3ふくよかな売り子

私が領内の市場を巡回していたところ、ある店員が言った。

「おそれながら嘘公よ。公は体重を気にしていませんか?」

私は言った。

「気にしている」

店員は嬉しそうに言った。

「恐れ入りますが、身長、体重はいかほどでいらっしゃるか。」

私は言った。

「身長が5尺7寸、体重は20貫である。」

店員はさらに言った。

「それでは太すぎるでしょう。そんな時にはこの飲み物を1日1回飲めば痩せることができますよ。」

そういって店員はこの飲み物を私に飲ませようとした。聞けば価格は一本で五千金らしい。五回分とはいえ、一回で千金である。


私は爺に問うた。

「この者の主張は真偽はどうだろうか。」

爺は言った。

「この者話の判断はついておりますが、それを明らかにするためにいくつか聞くことにします。」

このような言い方をいうということは、何かあると思ったが、私は言った。

「よろしい、かのものに質問せよ。

爺は店員に言った。

「毎日これをのんでいるのか?」

店員は答えた。

「のんでいます。」

「どれくらいの期間服用しているのか。」

「かれこれ一年半になります。」

爺は店員に言った。


「嘘公に身長と体重を聞かれたが、貴女の身長と体重を聞きたい。」

「5尺、16貫」

「それはちょっと少なすぎじゃないかな」

「5尺1寸と16貫2匁」

「服用する前は?」

「17貫です。」

爺はそれを聞くとうなづいた。

「嘘公よ。これで明らかです。」

「この者は一年半で8匁を痩せることができたと言っていますが、それ以上の効果はありません。8匁は約小さい米袋の半分もないです。これを一年半で痩せたとしても大した効果ははありません。それならば食事をたべずにと運動をした方が痩せる。」

「それもそうだ。」

店員は顔を赤くし爺を殴ろうとしたが取り押さえられた。



正統派コメディ

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