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後始末

3分の2以上無駄話となっています。

すみませんm(_ _)m

男2人の会話なのにめちゃくちゃ盛り上がって最後の方とか自分でも意味不明になっちゃいました。

そして俺はというと


炎によって使い物にならなくなった道路の修理をしていた……。問題を呼んだ張本人に対する罰としては軽いほうだが、それだけ能力者は国に重要視されていると言えよう。


俺の『土木』『路走工』は高レベルに達しているため、ありえない速度で進んでいくが、作業も一つではないので時間がかかる。


おのれ、あの男許すまじ。




世間様への奉仕は1時間程で終了した。

手加減なくやったためか、道路の排熱などを考慮すると信じられない短縮具合となって、能力さまさまだ。




「さて、行くか」


警察で説明を省いてしまったのはいいものの、それによって被害が及ぶのはマズイ。その被害を未然に防ぐ責任が俺にはある。


そして何よりも俺のいつもより奮発した弁当の仕返しをしなければ気が済まない。どこの集団だか知らないが、殴り込んで食べ物を強奪する予定だ。


税込2112円の重みを味合わせてやる。






取り敢えず、敵の正体並びに規模がわからないので、

『探偵』の周辺調査であたりの住民に聞きこみ調査をして、最近の状況をまとめることにする。


ソニアたちを得るために右往左往してるらしいが、奴らも活動する上では資金が必要なはずだ。つまりどこかに支部かそれに近いものがあるのだろう。また、組織は手段を選ばずに彼女達を手に入れようとしているらしい。それも傭兵を雇ってマスターの俺に襲わせるほどにだ、住民達もどこかしらで怪しい活動を目撃していてもおかしくはないだろう。


靴あと鑑定で襲撃してきたやつのことも調べることも出来るが、そもそもあの男は雇われてるのだから直接関係してるわけじゃないし、追いかけてもたどり着けそうにないのでやる必要は無いだろう。


場所は八百屋の前、元気に売り込みをする女性の声があたりの人を惹きつけるように店へと足を運ばせる。


「というわけで、最近変わったことありませんでしたか?」


「どういう訳かさっぱりわからないけど……そうねえ、そういえば最近野良猫が慌ただしくしてるらしいわ。勢力図でも変わったのかしら?」


相変わらず俺に例の力は働いてないようだが貴重な情報なのでしっかり記憶しとかないといけないだろう。


場所は駄菓子屋。子供たちにお賽銭を渡した後に聞き込みを行う。


「というわけで、最近変わったことってないか?」


「というわけでってどういういみ? でもさいきん森がさわがしーから調べてるんだって」


これもメモメモ。


そして場所は公園。対象は独りブランコで遊んでいたょぅι゛ょ。同じく遊ぶ友達がいなかった者として親近感がわかないこともない。


「というわけで、最近変わったことない?」


「というわけ……。話の流れは読めないけど、最近は建築のせいで取り壊しがたくさん行われてるみたいだよ。この公園も近々なくなるって言うし、近くの神社もすぐにほかの建物が立つらしいよ。荷物も運ばれてるみたいだし」


これもメモしてっと。このまま聞き込みを続けると周りの大人達から通報されかねないのですぐに去るとするか。


そして今度も同じく公園。しかし、場所は先程と違うところにあるものだ。ターゲットはブランコに乗って黄昏ているサラリーマンの男性。まるでリストラされたけど家族に言うことが出来ずに退職金を給料として妻に渡していずれバレるその時に怯えながら出勤時間を公園で潰しているような雰囲気だ。


「というわけで、どうぞ」


「……そ、そうだねぇ。最近病院に行く人が多いかもね、この前の健康診断の時にいつもより時間がかかった気がするよ」


さすがは大人というべきであろうか、はたまた悟りの道に目覚めたのかサラリーマンの男性は特にツッコミもせずに俺に返答してくれた。見習いたいものである。


そして次も同じ場所の公園のベンチに座っていたパツキンのギャル。


「というわけで、教えてくれないかな」


「おじさん日本語ダイジョブ〜? てかさー最近誘拐が多いって言うじゃん、もしかしてあんたじゃないよね? つーかさ、江梨子知らない? 既読つかないんですけど〜」


話しが飛び飛びな上に失礼な若者だったが、重要な情報なのでメモメモ。


続きましては路地裏。ターゲットは猫。


「にゃあ」


「にゃー(最近は誘拐事件のせいで路地裏や廃ビルなどの怪しい場所の調査が厳しいにゃ。おかげでおちおち歩いてもいられないにゃー)」


情報をありがとう猫さん。君が一番まともに相手してくれた気がするよ。どこかの猫もこんなふうに扱いやすかったら良かったのにな。


調査を切り上げようと視線を上げると電信柱に身を隠して幼女を鼻息荒く見守っている男を発見した。


「というわけで、答えるか刑務所いくか選べ」


「そ、そその件に関して僕達はかか、関係ないよ。ホントだよ、しっかりみんなに確認とったからね。女の子ばっかり狙ってるみたいだから、みんな血眼になって犯人を探してるよ」


どんなお仲間がいるのかは想像したくもないが本人達が言っているので関係がないのは確かなのだろう。そして最近の誘拐事件の対象は未成年の女の子らしい。



有用そうな意見はこのくらいか……。

この中から判断しなくちゃならないとなると、かなり厳しい捜査になりそうだ。っとそれぽく思案してみるが、伊達に探偵はやっていないのでもう既に当てはついている。


「となると、今すぐに乗り込んだ方がいいな」


予想の要素も少なく、本業というわけでもない俺が気づいたのはやはり能力のおかげというべきか、この時ぐらいは能力者であったことに感謝しざる得ない。


だが、俺がたたき出した予想は想定を下回るような最低なものとなった。






時は幾分が遡り、とある一室のとある会話。


部屋では三十代前半と思われる男が机に向かってなにやら記録を取っている。程なくして男は書き終わったのか、椅子の背もたれへと体を預ける。


すると、男の背後の空間がまるで鋭い何かで切り裂かれたかのように裂け、その裂け目から全身を黒い服で覆った男が現れる。


「帰ってきたのかい、それでどうだった? 上手くいったかい?」


「悪いがこの依頼は降りさせてもらう」


黒い服の男は椅子にもたれかかりながらも聞いてくる声に答えることなく自分の要件を伝える。


「そ、それはどういうことだ! 簡単に始末できるのではなかったのか、契約違反ではないのかい!?」


男の混乱の叫び声に黒い服はさして驚きもせずに椅子に股がるそれを冷めた目で見つめる。


「簡単に始末できそうにないから降りると言ったんだ、それ以上でもそれ以下でもない。それに、最初に契約違反をしたのはお前の方だ」


「私は別に何の違反もしていない! 言いがかりはよしたまえ、自分の不手際を他人に押し付けてもお前が達成できなかったことには代わりはないんだぞ!」


部屋には黒い服と椅子に座る男の2人だけ、そんな危険な状況下でこうも強く当たれるのは果たして豪胆なのか無謀なのか、言わずとしれたことだろう。


「残念ながら、今回の依頼はそちら側の不手際だな」


「な、何を根拠に──


「──俺はお前の口からターゲットは生産系のユニークスキル保持者ホルダーだと聞かされていたが、それに嘘偽りがあっただけだ」


椅子の男の言葉を遮りながらも黒い服は淡々と事実を述べる。


「ば、馬鹿な!? この国に純生産系以外の所持者ホルダーがいるはずがない! 嘘はやめろ、報告によれば相手は護衛もろくに連れていない愚か者だそうじゃないか。どうせ始末できなかったことを護衛の理由にできないからそんな嘘を言っているのだろ!」


男のわめき散らすかのように叫ぶ様に黒い服は嘆息すると、手袋を外して男へと見せる。


「見てみろ、どんな能力だったかイマイチ掴めなかったが、俺がお前の言う愚か者に斧での一撃を加えたら、その能力で反射でもされたのかこのざまだ」


男の目に映る黒い服の手は見るも無残な状態になっていた。皮膚は焼け焦げ、それに隠されているはずの筋組織が露になり、所々から骨がはみ出している。

まるでヤスリで無理やり肉ごと削られたかのようなその状態に男は頬をひきつらせる。


「これでも咄嗟に転移することで直撃は免れた。もし直撃していたかと思うと背筋がゾッとして枕を高くして眠れないな」


っと黒い服が付け加えるように言うと、おもむろに手に力を込め始める。するとまるで逆再生するかのように手の傷が塞がっていき、やがて最初からそこに何も無かったかのように完全に元通りになる。


「だが、お前には神剣があるじゃないか。それがあるなら例え戦闘系のユニークスキル所持者ホルダーであろうとどうにかできるだろ!」


黒い服の異常なまでの治癒力には目もくれずに男はまくし立てる。それも当然であろう、そんな・・・ことはこの世界で戦う者達の常識と言ってもいいことなのだから。


だが男はもう一つの常識を知らなかった。


「それは甘いな、如何に強い武具で固めようとも、それだけでは戦闘系のユニークスキル所持者ホルダーには到底敵わない。そもそも生産系は自分たちで戦うつもりは無いし、無所持ノンホルダーでも殺せるの当然の道理だ」


黒い服はそれだけ言うと手袋をゴミ箱に捨て、新しい手袋を取り出すとすぐに身に着ける。


「そんな…ありえない。なぜよりにもよって戦闘系の所持者ホルダーが彼女達に味方するんだ!」


「しつこく追い回されたら頼りになる人間に相談するものだ」


「それこそありえない、彼女達はクランを失うのを避けるためにこの国には来たのだぞ。それなのにわざわざ他のマスターに助けを求めて併合の危機に陥る様な真似をするはずがない!」


それを見越しての計画だったのに、と男は独りごちる。その計画は彼の能力者によってすべて白紙へと戻った。


そういえばと黒い服は能力者の男の『正義の味方』という言葉を思い出す。同時に案外に人の行動力とは単純であり、それがいつも論理や合理と結びついている訳ではないとわかる。


「味方する理由はどうにしろ、奴がやられっぱなしという事はないのは確かだ」


「そうだ、依頼失敗の件は互いに不問ということでいいから今度は私を守る依頼を受けてくれないかい?」


黒い服の言葉に先程まで唸っていた男は急に顔を上げて懇願しはじめる。


「もう結構だ。これ以上やつと戦う暇も余力もない。俺も伝えることは伝えただろうからさっさと帰らしてもらう」


そう言って黒い服は踵を返して背後を向くと、神剣片手にゲートを開く。一緒に天井も裂いてしまったが問題はないだろうと判断して歩こうとする。


「待ってくれ! 依頼料を前のと加えて倍でどうだ?」


男はしつこくも命乞いをして、黒い服に縋り付く。


「もはや金では動かん、お前は傭兵を金を積めば何でもやってくれる便利屋だと勘違いしてるようだから忠告しておく。2度はない、俺の近くでうるさく騒ぐな」


いうと同時に男へと振り向くと、身を刺すほどのさっきがあたりを舞う。


「ヒィッ!?」


たまらず男が悲鳴を上げると、黒い服は前を向くと再び歩き出す。


「そうそう、言い忘れていたが俺が相手にした奴の能力だが、恐らく万能系だ。珍しいタイプだが、その能力ならこの国にいてもおかしいところはない。そしてそんな万能系だからこそ、労せずにお前を見つけ出してれるだろう。お前も焼きが回ったな、マスターに手を出す依頼をするなんて」


捨て台詞にはいささか多い言葉を残して黒い服はゲートの中を通ってこの場から去った。


「お前には彼女達の価値はわからんさ……」


ただ1人になった空間で打ちひしがれながらも弱く吐いた言葉が部屋に広がった。


だが、男の顔は諦めた様子もなく、寧ろ獰猛な笑みを浮かべていた。

まるで何かそうさせる自信があるかのように…

次回のASアフターストーリー


「にゃお」

「宅配便デース」

「何が言いたい?」

「考えついたやつは猿にも劣る野蛮人かなにかだな」

「うおっ!? あぶねえ!!」

「消滅か?」

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