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00.プロローグ
当然のように送ってきた毎日が音を立てて崩れ落ちる。
家の壁をぶち破って現れた異形の怪物を目にした瞬間頭の中が真っ白になった。
何がどうなってる? 何故こんなことになった?
メチャクチャにされ埃が舞うこの場所にただ突っ立っていることしか出来ない。
怪物は耳を引き千切らんばかりの禍々しい雄叫びを上げた。
床に転がる割れた母の写真。赤い西日が射し込んで部屋だった場所を朱色に染める。
自分の意識が遠い。まるで舞台でも観ているかのような他人事じみた感覚。
目の前のこれは現実か? それとも、
これもまた“夢”なのか…?
誰でもいい 教えてくれよ …